宇宙で初のマウス本格実験 大西さん、老化研究に従事
2016年7月8日 (金)配信共同通信社
【バイコヌール(カザフスタン)共同】バイコヌール宇宙基地から打ち上げられたロシアのソユーズ宇宙船は7日午後、順調に飛行を続け、大西卓哉(おおにし・たくや)さん(40)ら飛行士3人は9日の国際宇宙ステーションとのドッキングに向けたシステムの点検を行った。大西さんはステーション到着後、骨や筋肉が弱くなる老化特有の現象を解明するためのマウスの飼育実験を今月にも始める予定だ。
無重力と比較するため、宇宙で重力を発生させる装置を持ち込み、哺乳類への重力の影響を調べる本格的な実験は初めて。代表研究者の高橋智(たかはし・さとる)・筑波大教授は「骨粗しょう症や筋萎縮の治療薬の開発につなげたい」と意気込む。
宇宙に長期滞在すると、高齢者や寝たきり状態の人に見られる骨量減少が地上の10~30倍の早さで進む。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、遠心力を利用して人工的に重力を発生させる小型装置を開発。マウスが入る円筒形のおりを観覧車のように回転させ、地上と同じ大きさの重力を発生させる。昨年、無人補給機「こうのとり」で運ばれ、当時滞在中の油井亀美也(ゆい・きみや)さんが日本実験棟「きぼう」に設置した。
今月、米スペースX社のドラゴン宇宙船でマウス12匹を運ぶ。重力の有無でグループ分けし、カメラで行動を観察する。餌やりやおりの掃除は大西さんの重要な任務だ。人間にとっては数年に相当する約40日後に地球に戻し、臓器への影響や遺伝子の働き方などを解析する。
ほかに、創薬につながるタンパク質の結晶を作る実験や新しい機能を持つ材料を作る実験、小型衛星の放出などの作業を行う予定だ。
2016年7月8日 (金)配信共同通信社
【バイコヌール(カザフスタン)共同】バイコヌール宇宙基地から打ち上げられたロシアのソユーズ宇宙船は7日午後、順調に飛行を続け、大西卓哉(おおにし・たくや)さん(40)ら飛行士3人は9日の国際宇宙ステーションとのドッキングに向けたシステムの点検を行った。大西さんはステーション到着後、骨や筋肉が弱くなる老化特有の現象を解明するためのマウスの飼育実験を今月にも始める予定だ。
無重力と比較するため、宇宙で重力を発生させる装置を持ち込み、哺乳類への重力の影響を調べる本格的な実験は初めて。代表研究者の高橋智(たかはし・さとる)・筑波大教授は「骨粗しょう症や筋萎縮の治療薬の開発につなげたい」と意気込む。
宇宙に長期滞在すると、高齢者や寝たきり状態の人に見られる骨量減少が地上の10~30倍の早さで進む。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、遠心力を利用して人工的に重力を発生させる小型装置を開発。マウスが入る円筒形のおりを観覧車のように回転させ、地上と同じ大きさの重力を発生させる。昨年、無人補給機「こうのとり」で運ばれ、当時滞在中の油井亀美也(ゆい・きみや)さんが日本実験棟「きぼう」に設置した。
今月、米スペースX社のドラゴン宇宙船でマウス12匹を運ぶ。重力の有無でグループ分けし、カメラで行動を観察する。餌やりやおりの掃除は大西さんの重要な任務だ。人間にとっては数年に相当する約40日後に地球に戻し、臓器への影響や遺伝子の働き方などを解析する。
ほかに、創薬につながるタンパク質の結晶を作る実験や新しい機能を持つ材料を作る実験、小型衛星の放出などの作業を行う予定だ。