がん増殖の酵素を特定 三重大、新薬開発に期待
2018年2月23日 (金)配信伊勢新聞
三重大(津市)は22日、がん細胞の増殖に関わる酵素を特定したと発表した。特定した酵素の働きを阻害する薬が開発されれば、新しいがん治療につながるという。同大大学院医学系研究科基礎医学系講座の研究グループが明らかにした。
がん治療の一つである抗がん剤のほとんどは、がん細胞以外の正常な細胞も攻撃してしまう。そのため、がん細胞の増殖を促す特定の分子に働く「分子標的薬」が有効とされ、「イレッサ」などが開発されたが、薬剤耐性や副作用などに課題もあった。
研究グループはこれまで分子標的薬の対象とされてきた「がん遺伝子」ではなく、タンパク質の分解を阻害する「脱ユビキチン化酵素」に着目。86種類ある脱ユビキチン化酵素のうち、六種類ががん細胞の増殖を促進していると特定した。
研究グループの稲垣昌樹教授は「脱ユビキチン化酵素を阻害する薬が開発されれば、肺腺がんや乳がん、膵臓(すいぞう)がんなどの治療に使えると期待できる」と強調。一方で分子標的薬の課題として指摘される副作用については「程度がまだ不明」とした。
2018年2月23日 (金)配信伊勢新聞
三重大(津市)は22日、がん細胞の増殖に関わる酵素を特定したと発表した。特定した酵素の働きを阻害する薬が開発されれば、新しいがん治療につながるという。同大大学院医学系研究科基礎医学系講座の研究グループが明らかにした。
がん治療の一つである抗がん剤のほとんどは、がん細胞以外の正常な細胞も攻撃してしまう。そのため、がん細胞の増殖を促す特定の分子に働く「分子標的薬」が有効とされ、「イレッサ」などが開発されたが、薬剤耐性や副作用などに課題もあった。
研究グループはこれまで分子標的薬の対象とされてきた「がん遺伝子」ではなく、タンパク質の分解を阻害する「脱ユビキチン化酵素」に着目。86種類ある脱ユビキチン化酵素のうち、六種類ががん細胞の増殖を促進していると特定した。
研究グループの稲垣昌樹教授は「脱ユビキチン化酵素を阻害する薬が開発されれば、肺腺がんや乳がん、膵臓(すいぞう)がんなどの治療に使えると期待できる」と強調。一方で分子標的薬の課題として指摘される副作用については「程度がまだ不明」とした。