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悪性脳腫瘍の肥大抑制 金大、関係タンパク質特定 世界初、治療法の突破口に

2023年08月09日 12時53分57秒 | ガン

悪性脳腫瘍の肥大抑制 金大、関係タンパク質特定 世界初、治療法の突破口に

 2023年8月8日 (火)配信北國新聞
 
 ●難治の膠芽腫(こうがしゅ)、動物実験で効果確認

 脳(のう)の悪性腫瘍(しゅよう)の一種「膠芽腫(こうがしゅ)」について、金大研究チームが腫瘍の肥大に関わる脳内のタンパク質を世界で初めて特定した。このタンパク質の働きを抑制する細胞を移植した動物実験では、腫瘍の肥大が緩和される効果を確認。膠芽腫は2年以内に半数の患者が死亡し、従来の外科手術や抗がん剤などによる完治が難しいとされており、研究成果が新たな治療法の確立につながると期待される。

 金大ナノ生命科学研究所のリチャード・ウォング教授(香港出身)、金大附属病院脳神経外科の中田光俊教授ら同大単独の研究チームが解明した。成果は米国の科学誌「セル・リポーツ」に掲載される。

 腫瘍の肥大に関わっていることが分かったのは、細胞核を覆う膜の「核膜孔」を構成する「NUP107」と呼ばれるタンパク質。チームは、膠芽腫になると、このタンパク質が大量発生することを突き止めた。

 ウォング教授によると、NUP107が増加すると「MDM2」と呼ばれる別のタンパク質も過剰に生成され、結果的に、がんを抑制するタンパク質「P53」の機能を低下させていることが分かった。

 研究チームはこの仕組みに着目し、動物実験でNUP107の発生を意図的に抑えた膠芽腫細胞をマウスに移植した。すると、腫瘍の大きくなる動きを阻害することが確認されたという。

 長年、膠芽腫の治療法を研究している中田教授は「今回のような基礎研究が新しい治療法開発の起点になる」とし、ウォング教授は「核膜孔を構成するタンパク質の数は多い。他のがんとの関連も含めてさらに研究を進めたい」と話した。

 京都大の荒川芳輝教授(脳神経外科学)は、今回の金大チームの研究成果を「根治が難しい膠芽腫の治療法開発において突破口になり得る」と高く評価。「この発見がきっかけとなり、世界の膠芽腫研究に新たな方向性が得られる」と期待を寄せた。

 ★膠芽腫(こうがしゅ) 脳腫瘍の一つで大脳にできやすいとされる。全国では年間2千数百人の患者が新たに発症しており、金大附属病院でも毎年20人程度が新たに入院している。外科手術や化学療法、放射線療法で治療するが、再発するケースが多く、5年生存率は15%とされる。

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糖尿病「治るタイプ」判明 太っていたら減量が大切

2023年08月09日 12時49分21秒 | 医療情報

糖尿病「治るタイプ」判明 太っていたら減量が大切 非該当でも生活改善を 「医療新世紀」

 2023年8月8日 (火)配信共同通信社
 
 
 2型糖尿病には「いったん診断されたら一生付き合う病気」というイメージがつきまとっている。しかし、幾つかの条件に当てはまる人では、食生活改善や運動、それに伴う減量などによって症状が治まり、薬が不要な状態が続く「寛解」を得られる可能性が大いにあることが新潟大の研究で分かった。「条件に当てはまらなくても、生活改善によって健康寿命が延びる。諦めずに取り組んで」と呼びかけている。

 ▽100人に1人

 新潟大の曽根博仁(そね・ひろひと)教授(代謝内分泌内科学)、藤原和哉(ふじはら・かずや)特任准教授(同)らは、全国の臨床医が患者データを集積している「糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)」のデータベースを利用。糖尿病専門の医療機関に継続して通院する18歳以上の成人、約4万8千人の1989~2022年の臨床経過を抽出し、最近国際的に決められた寛解の新定義に基づき、どんな条件でどのぐらいの人が寛解になったかを調べた。

 その結果、対象者千人を1年追跡した場合に約10・5人、おおむね100人に1人が寛解することが分かった。

 藤原さんによると、その中でも、特に体格の大きな人が「診断から1年間に大幅に減量ができた」ことが寛解率と関係が深い。受診後の1年間に体重を5・0~9・9%減らせれば、千人1年当たりの寛解は25・0人に、10%以上の減量ができれば48・2人に増えた。また「まだ薬を処方されていない」なら21・7人、「過去1~2カ月の血糖値を反映する数値であるHbA1cの値が7・0%未満」なら27・8人と高まっていた。

 ほかにも「診断からの日が浅い」「もともと体格が大きい」などでも寛解者数が増えたという。

 ▽欧米と同等

 これらのデータは、比較的病状が進んでいない一方で、太っていて生活改善の余地が大きい人は、取り組み次第で投薬に至るまでもなく数値が改善し、糖尿病ではない状態に戻せる可能性が十分にあることを示す。

 曽根さんによると、糖尿病が「治る」人たちがいることは、専門医なら誰もが経験していた。ただ、日本人を含む東アジアの人は欧米人に比べ、血糖値を抑えるインスリンの分泌が少なく、寛解率は低いのではないかと考えられていた。今回の研究成果は、それを覆す、日本人初のデータだ。

 曽根さんは「体格と寛解の関係は人種差があったが、最終的な寛解率は欧米人とほぼ同じと分かった。条件に当てはまる人が日本でもこれほどいるということは、良い意味で驚きだ」と話す。

 ▽無駄にならない

 「診断から日が浅い」という条件の意味も、よく理解する必要がある。

 毎年きちんと健康診断を受け「予備軍」の指摘を受けたらすぐ受診すること、なるべく早く生活改善を始めることが条件だ。健診を受けなかったり、受診を勧められても放置したりすれば診断が遅れて寛解は難しくなる。

 一方で「条件に該当しなくてがっかりする必要はない。生活習慣を改めることは決して無駄にはならない。それどころか、とても大切なことだ」と曽根さんは強調する。

 適切な食生活や運動習慣により、糖尿病があっても脳血管や心臓、あるいは腎臓などの合併症のリスクは下がり、服薬は少なくて済み、健康寿命が延びることは従来の研究で明確だからだ。

 残念ながら今回の研究対象でも、一時は寛解となった3人に2人は血糖値が再上昇していた。良い状態を維持するにはどうしたら良いのか。研究チームは今後、どんな生活改善や治療が寛解や寛解の維持と関係するか、詳細を明らかにしたいとしている。(共同=由藤庸二郎)

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看護師自殺巡り病院提訴 両親、パワハラ原因と主張

2023年08月09日 12時44分36秒 | 事故事件訴訟

看護師自殺巡り病院提訴 両親、パワハラ原因と主張

 2023年8月8日 (火)配信共同通信社
 

 北海道釧路市の釧路赤十字病院に勤めていた看護師村山譲(むらやま・ゆずる)さん=当時(36)=が2013年に自殺したのは、職場でのパワーハラスメントや長時間労働が原因として、両親が7日、日本赤十字社(東京都港区)に計約6900万円の損害賠償を求め、釧路地裁に提訴した。「雇用主としての安全配慮義務を怠った」と主張している。

 同病院の担当者は「訴状が届いていないのでコメントは差し控える」としている。

 訴状によると、村山さんは13年4月に就職し、指導担当者らに書面で繰り返し詰問されたほか、長時間労働をさせられたことが原因で精神障害を発症、同9月に自殺したとしている。

 父豊作(とよさく)さん(70)は7日、記者会見し「安全、安心で働ける社会をつくりたい」と話した。

 遺族は15年、釧路労働基準監督署に労災申請したが認められず、行政訴訟を起こしたが今年7月に最高裁で敗訴が確定した。

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特養で誤嚥死、賠償命令 2500万円、名古屋

2023年08月09日 12時41分42秒 | 介護福祉高齢者

特養で誤嚥死、賠償命令 2500万円、名古屋

2023年8月8日 (火)配信共同通信社
 
 名古屋市の特別養護老人ホームで2021年、パーキンソン病だった入所者の80代男性が食事中に誤嚥(ごえん)死したのは、施設が注意義務を怠ったためだとして、遺族3人が運営元の社会福祉法人「長生福寿会」(名古屋市)に約3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は7日、約2500万円を支払うよう命じた。

 藤根康平(ふじね・こうへい)裁判官は判決理由で、亡くなる1カ月半前にも朝食を喉に詰まらせ、むせ込んだことがあり、同じように食事を提供すれば、より重大な結果が生じる危険を認識できたと指摘した。

 その上で、介護記録にむせ込んだ事実が記載されていないなどとして「十分な情報共有や原因分析がされなかったとうかがわれる」と過失を認定した。

 判決によると、男性は19年に入居。21年11月26日、朝食のロールパンを喉に詰まらせ、病院に救急搬送されたが、死亡した。

 長生福寿会の担当者は取材に「判決文を受領し次第、内容を確認し、対応を検討したい」と述べた。

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