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風邪薬と間違え高血圧治療薬、8歳児入院 薬局が処方ミス

2018年07月11日 17時56分52秒 | 事故事件訴訟
風邪薬と間違え高血圧治療薬、8歳児入院 薬局が処方ミス
2018年7月10日 (火)配信大分合同新聞

 大分市内の調剤薬局が小児用の風邪薬を処方するはずの男児(8)に誤って高血圧・狭心症の治療薬を出し、服用した男児が5日間入院する調剤事故を起こしていたことが9日、分かった。薬局はミスを認めている。両親は薬局に医療費や慰謝料など133万円の損害賠償を求め、大分簡裁に提訴した。
 両親や代理人弁護士によると、薬は昨年10月に処方された。男児は血圧低下や頻脈、呼吸障害を起こし、大分こども病院(大分市)に入院した。
 今のところ後遺症は出ていないが、医師の説明ではぜんそくのような症状が現れる恐れがあるという。今年5月に提訴した。
 訴えられたのは工藤調剤薬局(同市三ケ田町)。訴状などによると、せきが出るなどして医院を受診した男児に対し、医師が処方箋に記した抗生剤ではなく、血圧降下などの効果がある薬を手渡した。薬はぜんそく様の症状などの副作用が起きることがあるという。
 男児は帰宅後、翌朝までに2回服用。様子がおかしかったため母親が薬の説明書を確認し、別の薬だと気付いた。両親は「子どもにつらい思いをさせた。こんなことは二度と起きてほしくない。薬局の対応も許せない」と非難。同薬局は取材に対し「誤りがあったのは事実。大変申し訳なく思っている」と話している。
■薬剤取り違えなど 全国で5千件
 医療現場の事故事例を調べている日本医療機能評価機構(東京)のまとめでは、薬局で調剤事故などにつながりかねないミスは2016年に少なくとも全国で4939件あった。調査は国内8873店(県内は70店)が協力。「薬剤の取り違え」は740件だった。
 日本薬剤師会などによると、薬局に報告義務はなく、全体の詳しい実態は分かっていない。件数を把握している機関はないのが実情だ。
 薬事法の改正を受けて国は07年4月、各薬局に安全管理体制の整備を義務付けた。個別に「業務手順書」を作成し、事故防止対策をするよう求めている。
 ただ、県内のある薬剤師は「どんなに気を付けていても人為的なミスはゼロにならない。複数の薬剤師で点検する薬局も多いが、チェックの目をくぐり抜けることもある」と指摘。患者に渡すところで気付くケースもまれではないという。

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