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岡山県警の愛カード発行10年 高齢者の運転免許自主返納後押し

2019年12月19日 22時00分54秒 | 介護福祉高齢者
岡山県警の愛カード発行10年 高齢者の運転免許自主返納後押し
2019年12月10日 (火)配信山陽新聞

 運転免許証を自主的に返納した高齢者(65歳以上)に岡山県警が独自に交付する「おかやま愛カード」の事業が今年で10年を迎えた。公共交通機関の運賃や飲食店での割引といった特典が後押しして交付者数は増え、今年10月末時点の累計は5万8471人。一方で免許を保有する高齢者は増え続けてお
り、県警は特典のさらなる充実とともに、返納しやすい環境づくりを進めたい考えだ。
 「事故を起こすわけにはいかないので」
 11月下旬、物延光子さん(88)=岡山市北区=は岡山西署を訪れ、約50年所持してきた免許を返した。数年前から運転に不安を感じており、山道を走行中、道路脇の岩に気付かず車を接触させたのを機に決断。「今後は割引の特典を利用してバスを使いたい」と愛カードを受け取った。
■即日交付
 愛カードの事業は、全国的に高齢ドライバーの交通事故が後を絶たない中、2009年11月から始まった。免許を返納、失効した高齢者の申請で交付している。
 返納制度が開始された1998年から11年間で2665人だった返納者数は、2010年に1年間で3773人に急増。17年には7千人を突破した。
 大きな理由は愛カードに付いたさまざまな特典だ。県内の全路線バスと井原鉄道、水島臨海鉄道の運賃が半額、一部タクシーの運賃が1割引きとなるほか、飲食店の割引や金融機関の金利優遇といったサービスもある。こうした特典が受けられる加盟事業者は当初の倍以上の2545事業所まで広がっている。
 18年10月からは返納者に愛カードを即日交付するようにして、従来、2週間かかっていた交付までの“待ち時間”も改善した。
■事故減少
 県内で高齢者が関係する人身事故は09年の4264件から18年は1875件に大幅に減少。「愛カードの事業が一定の効果をもたらしたのでは」と県警交通企画課はみる。
 免許を保有する高齢者数は、18年が約33万5千人と10年間で約11万人増加。県警は引き続き事故抑止対策として高齢者に免許の返納を勧めていく。
 県警によると、東京・池袋で今年4月、87歳の男性が運転する乗用車が暴走し母子2人が死亡する事故が起きてから、返納する人はさらに増えたという。ただ、公共交通が少ない中山間地域などでは、生活に欠かせない足としてなかなか手放せない事情もある。
 県警交通企画課は「愛カードの特典を増やしてメリットを周知するとともに、各自治体と情報共有しながら免許を返納しやすい方策を考えていきたい」としている。
 岡山県警は「おかやま愛カード」の事業開始から10年を記念し、運転免許証の返納者に事故防止グッズをプレゼントしている。27日まで。
 グッズは、夜光反射材付きのエコバッグや発光ダイオード(LED)ライトなど5点入りの「キラキラセット」(先着千セット)と、アルミ製のつえ(長さ約1メートル)に蛍光色の夜光反射テープが貼られた「キラリステッキ」(同200本)。どちらか一つを選べる。
 返納は、県内22警察署と井原署矢掛幹部派出所(矢掛町里山田)、県運転免許センター(岡山市北区御津中山)で受け付けている。問い合わせは県警交通企画課(086―234―0110)。
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