バイオ企業へ資金拠出続々 新型コロナで開発加速狙う
2020年9月7日 (月)配信共同通信社
【ロンドン共同】欧米の製薬大手が新型コロナウイルス感染症向けのワクチンや治療薬の開発を加速するため、他のバイオテクノロジー企業へ相次いで資金を拠出している。独自技術を持つ新興企業などとの関係を強化して開発を急ぎ、早期の供給開始にこぎ着けるためだ。他国から重要企業を買収されることなどへの懸念を背景に、政府が出資する例も出ている。
英グラクソ・スミスクラインは、新型コロナの有望な治療薬候補とされる「抗体医薬品」の開発能力に強みを持つ、米ビア・バイオテクノロジーに注目。同社に2億5千万ドル(約265億円)を出資し、研究開発での協力体制を構築する。
米ファイザーはドイツのバイオ企業ビオンテックに資金を出し、同社が応用研究を進めてきた先進的な人工遺伝子の技術を使い、新型コロナワクチン開発を共同で手掛ける。今年末までに最大1億回分、来年末までに約13億回分を製造することを目指す。
新型コロナワクチン開発でも注目される英アストラゼネカは、新型コロナ治療薬として日本で特例承認されたレムデシビルの開発元である米ギリアド・サイエンシズに経営統合の可否について打診したと伝わった。
一方でドイツ政府は、人工遺伝子を活用した新型コロナワクチンを開発する自国企業キュア・バクの株約23%を3億ユーロ(約380億円)で取得。同社に関心を寄せる米政府をけん制する狙いがあるとみられ、ドイツのアルトマイヤー経済相は同社の研究成果や技術が「ドイツや欧州にとって不可欠だ」と指摘した。
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