OA疼痛、ヒアルロン酸より羊水注入【米国疼痛医学会】
ヒアルロン酸に代わる治療法の可能性
米国学会短信2015年3月31日(火)配信 一般外科疾患整形外科疾患投薬に関わる問題
米国疼痛医学会(AAPM)は3月19日、変形性関節炎(OA)への羊水注入が、ヒアルロン酸(HA)に代わる安全で有効な治療となる可能性を示した研究を紹介した。同学会年次集会で発表。
膝関節のOA治療としてHAを関節内に注入する方法は、1990年代に認可されて以来よく使われているが、有効期間は1回注入で7週間、複数回注入で12週間程度。また、最近の研究では65歳以上のOA患者へのHA注入の効果に疑問が持たれたほか、膝関節へのHA注入が臨床的に有意な改善をもたらすと判定するに足るエビデンスは得られていないという。このためHA処方に対する保険償還も減少しており、HAに代わる治療法として、関節液と類似点の多い羊水の使用が注目された。
この研究は、同種移植用の加工羊水製品AmnioClear LCTの有効性を検討した単群前向き多施設市販後調査。グレード1-3と診断されたOA患者で、直近にHA、ステロイド、多血小板血漿などの注入を受けていない人を被験者とし、ベースラインおよびAmnioClear LCT注入後30、90、180日の痛みの程度をVASおよびWOMAC指標で評価した。今回発表された中間報告によると、羊水治療を受けた被験者170人では、30日後のVASスコアが平均68.1%(44mm)、WOMACスコアが平均70.9%(812mm)改善した。90日後のスコアはWOMACで82%、VASで74%とさらに改善し、より高いレベルでの長期的な治癒効果が見られた。腫脹や炎症も、他剤を使用した場合より発症が少なかった。
米国ではHA注入は膝関節に使用する場合のみ認可されているが、羊水注入は滑膜関節全般に使用できる。羊水には炎症を抑える性質があることから、整形外科領域での羊水や胎児付属膜の移植は既に1979年に報告例がある。今後、無作為化対照試験などの追加研究が予定されている。
ヒアルロン酸に代わる治療法の可能性
米国学会短信2015年3月31日(火)配信 一般外科疾患整形外科疾患投薬に関わる問題
米国疼痛医学会(AAPM)は3月19日、変形性関節炎(OA)への羊水注入が、ヒアルロン酸(HA)に代わる安全で有効な治療となる可能性を示した研究を紹介した。同学会年次集会で発表。
膝関節のOA治療としてHAを関節内に注入する方法は、1990年代に認可されて以来よく使われているが、有効期間は1回注入で7週間、複数回注入で12週間程度。また、最近の研究では65歳以上のOA患者へのHA注入の効果に疑問が持たれたほか、膝関節へのHA注入が臨床的に有意な改善をもたらすと判定するに足るエビデンスは得られていないという。このためHA処方に対する保険償還も減少しており、HAに代わる治療法として、関節液と類似点の多い羊水の使用が注目された。
この研究は、同種移植用の加工羊水製品AmnioClear LCTの有効性を検討した単群前向き多施設市販後調査。グレード1-3と診断されたOA患者で、直近にHA、ステロイド、多血小板血漿などの注入を受けていない人を被験者とし、ベースラインおよびAmnioClear LCT注入後30、90、180日の痛みの程度をVASおよびWOMAC指標で評価した。今回発表された中間報告によると、羊水治療を受けた被験者170人では、30日後のVASスコアが平均68.1%(44mm)、WOMACスコアが平均70.9%(812mm)改善した。90日後のスコアはWOMACで82%、VASで74%とさらに改善し、より高いレベルでの長期的な治癒効果が見られた。腫脹や炎症も、他剤を使用した場合より発症が少なかった。
米国ではHA注入は膝関節に使用する場合のみ認可されているが、羊水注入は滑膜関節全般に使用できる。羊水には炎症を抑える性質があることから、整形外科領域での羊水や胎児付属膜の移植は既に1979年に報告例がある。今後、無作為化対照試験などの追加研究が予定されている。