
彼岸入りの陽光に促されるように墓参りをしてきた。「暑さ寒さも…」の言葉どおり、ちょっとした墓掃除で汗ばむ陽気である。
ところで私どもは春彼岸最後の佳き日に結婚式を挙げた。参列者の都合などを考え合わせると、お彼岸は避けるのが常識かも知れないが、何せ3月20日の卒業式と4月1日の入社式の寸隙をつくように、しかも日柄を優先すると、この日をおいて他になかったので敢行した。
諸般の事情もあって、我が家においてごく身内だけで挙式したのだが、式が始まる前に大伯母は一番に墓参りに出かけており、新婦の輿入れの時間には間に合わなかった。
手前勝手な都合が引き起こした結果を棚に上げて、初めの内は「めでたい結婚式に墓参りなんて縁起でもない」と思っていたが、時を経て今では「墓前に慶事を報告し、これも先祖のお陰と感謝の意を捧げる」ことこそ、理に適ったことでもあると考え直した。
春彼岸にはそんなことなども懐かしく想起させてくれる。