てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

人が人を裁くとは(裁判員制度)

2009-03-07 13:44:01 | ビジネスと社会
 殺人や強盗など重大事件を対象に5月から始まる裁判員制度。もしも裁判員に選ばれたら何と理由をつけて断ろうか?と戦々恐々としていた人、あるいは逆に密かに期待をしていた人と様々ではなかったか。選ばれる確率は全国平均で有権者352人に1人の割合だから、いずれにしても大抵は杞憂に終わったことだろう。小生の周りでも知人に一人しか聞かない。

 昨夜何気なくテレビのチャンネルをひねっていて偶然にある番組に釘付けとなり、そのまま終了する深夜まで見入ってしまった。

 『12人の優しい日本人』(1991年)という映画で、もし日本にも陪審員制度があったらという仮定に基づいて、ある殺人事件の審議に奮闘する12人の陪審員の姿をユーモラスに描いたもの。東京サンシャインボーイズによる同名戯曲の映画化で、脚本は同劇団主宰の三谷幸喜氏が執筆。監督は「櫻の園」の中原俊氏。もとネタは『十二人の怒れる男』(1957年米国)。

 万一自分が裁判員に選ばれた場合、果たして冷静かつ論理的に、自他ともに十分に納得のいく判断を下すことが出来るだろうか思いを致すと、全くもって自信がない。学生時代にちょっとだけESSに属していたが、ディベートが大の苦手だった。劇中の陪審員たちのように、激論を交わすなどとても出来そうにない自分がそこにいる。改めて「人が人を裁くとは」を自問自答した。

 余談ながら本編はほとんどBGMが無く、凄まじい議論の応酬ばかり。始めと途中、そしてエンディングにだけ、モーツァルト「ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545」が流れる。この曲は倅どもがピアノレッスンを受けていた頃の練習曲の一つで、特別な思い入れがある。曲自体はシンプルだが、軽やかなピアノが時には和やかさ醸し出し、また慰めを感じさせてくれ、見終わってからもしばし余韻に浸った。
コメント (2)
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