大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

ソラ君とひわ 魂のふれあい

2009-08-31 | 日記
友人が孫のソラ(3歳)を連れて遊びに来た。
ソラは物心付く頃から私を「ひわさん」と呼んで対等に正面から関わってくる。
それほど頻繁に会うわけでもないし、特別一緒に遊んだという記憶もない。
私はソラの祖母である彼女とのお喋りが目的だから、ソラとは互いに
彼女を取り合う間柄であり、私は彼女とのお喋りを堪能するために、
いかにソラが機嫌よく一人遊びしてくれるか・・・ということを無意識に探す。
しかし手口を読まれ再三ブロックされ、その都度首をすくめる。
で、やけくそでソラの相手をするうち、はまり込み同化することがある。
去年、あわだちそうの下葉を取りのぞく作業をしながら、彼女と夢中で話していた。
葉が散らからないように手元にカゴを置き注意深く作業している私のところへソラが近づいてきて
葉っぱの入ったカゴをひっくり返した。土間の床が一瞬でぱあーーーっと葉っぱの海になる。
ソラは祖母に叱られながら小さな手で葉っぱをすくってかごに戻していたが、私は床に広がった
あわだちそうの香りに魅了され、秋の間中葉っぱを床に敷き詰めて暮らした。ソラがくれた玉手箱。
今回久しぶりに会ったソラは無邪気だけれど思慮深く愛に満ちた目をしているなあと感じた。
「ひわさんおやつが食べたい」と言うので、かき餅をさっと揚げ、すぎなのふりかけをぱっとかけて出す。
「ひわさん。お い し い!」私の目をしっかり見て、自分の気持ちを確実に伝えようとしている目だ。
私は不覚にも胸が熱くなり涙がでて「ありがとう、ソラ」というのがやっとだった。
この何気ない素朴なおやつがおいしいと感じるソラの存在にニッポン国の希望を見たのだ。

秋 大きなヤマゴボウと妻の手遊び!

2009-08-25 | 日記
とんぼの群れが家の周りを被っていたかと思えば消え、
今は蝉と秋の虫が国道を猛スピードで走るオートバイと競うように鳴く。
春に植えたピンクの花の花壇に露草が咲き繁って今は青い花壇。
ヤマゴボウがぐんぐん伸びて四方八方に大きく手を広げてその先に
ピンクの花を無数に咲かせた。圧巻。
着心地はいいがデザインが今の自分の心境に合わなくなったブラウスの
袖と衿をはずしてそこにレースでふちを編んでみたら気分が一新。
嬉しくなり夢中で5-6枚仕上げたらさすがに編むことに疲れた。
編み物熱が少し引いたかと思えば間髪おかず裁縫がしたくなる。
ひと月ほど前、おしゃれな静さんがかずちゃんにもらった高級そうなレースの上着を
「着てみたいけどサイズが大きくて何とかしたい」というので無謀にも脇を開き、袖をはずして大手術。
それも手縫いだ。ミシンもあるが手が安心。結果大成功をおさめた出来事を心の支えに、自分を信じ、
いい気になって、ちょっと大きいけどまあいいやと思っていた白いブラウスも後ろのファスナーを取り除いて
少し詰めたらいいかんじ。夫のシャツの衿が擦り切れてきた所にアテ布してパッチワークを気取っていたら
「今時オレだけだ、ツギ当てのシャツ着てる人間なんて」と、恐々、しかし《言わせろ》とばかりに。
「とおちゃん、ツギじゃなくてオリジナルデザインだってば」 わかんないだろーなー・・おとこには・・・・

いつも元気な母!

2009-08-15 | 日記
「今年は別海の墓参りに行かず3人で温泉に行きたい」と静さんが提案してきた。
その数日前には今まで見ていた古いテレビを地デジ対応に買い換えた。
「何とかって部品を買えばこのテレビをずっと見ることが出来るんだって」
と、この手の贅沢はほとんどしたがらないタイプの静さんが突然変化した。
「どうせ死ぬんだから、古いテレビでいいと思ってたのに あの朝きゅうに
どうせ死ぬんだから新しいテレビで綺麗な映像見よう。と思ったんだよ」と言った。
そして、今までの人生を振り返って、親戚友人知人の冠婚葬祭お付き合い等々
に使った時間とお金が、純粋に自分の為に使ったそれとの帳尻が合わない
ような気がしてきて、これからは時間もお金も自分の為に使おう と思ったようなのだ。
そして、「日本海が見たい」という静さんのために 盆直前に岩内の高原ホテルで一泊を決めて出発。
途中、小樽水族館に立ち寄る。私は分厚い水槽のガラスにへばりついて、隠れている魚を無理やり見よう
としたため目がグルグルまわって頭が痛くなり 「もう水族館はこりごりだ」と思った。
初めて訪れた岩内の町は思っていたよりずっと趣があるよい町で、「海も山もホーマックもラッキーもあるね。
病院も銀行もすし屋も布団屋もある。簡易裁判所まである。」と意味不明に各々で盛り上がった。
いつも誰かが運転手だから手放しで3人で酒を飲むことが静さんの一番の目的だったようで、夕食時
キリンの生をゴックンゴックン飲み飲み総入歯でアワビにかぶりつく姿を私たちは目に焼き付けた。
「ああ、楽しかった楽しかった!来年は何処に行こうか」とテンションは丸二日上がりっぱなしの静さん。
翌日おそるおそる電話すると「逝ったと思っただろう、諭もさっき様子見に来たよ。はっはっはーー!」 絶句。

イカれた夫と元気な姑!!

2009-08-10 | 日記
ようやく暑い夏が戻って来た。
暑い夏のためにせっせと用意した甘夏のシャーベットの出番がないと
冷凍庫がぎゅうぎゅうで本当に困るのだ。そうでなくてもいか好きの夫が
配達の帰りに市場調査の名目で立ち寄るあちこちのスーパーで買う《いか》が
どんどん溜まってくる。その日食べたい分だけ買って食べ切っていけば
いいのに、いかを見たら買いたくなるのだと言う。
昨日魚屋の前で《一箱30杯900円》とあるのを目ざとく見つけ財布を持つ妻に
熱い視線を向けて訴えてきたが却下。6杯250円を2パック買って納得させた。
全くイカがなものか。イカにせイカれている。いイカげんにしてほしい。と妻はいイカおせず。
「脳の血管に異常がみられます」と町内の病院で札幌の病院を紹介され検査に行ったしずさんは
「なにも異常ありません」という検査結果に本人どこか不満なようで、「もう一度よく聞いて来る」と
数日後の早朝さっさと一人でバスに乗って札幌の病院を往復してきた。
「やっぱり異常なしだって」とあれほど弱気だったのがこんどは心底安心したようだ。
「死にたくな~~~~い!ってこのごろ毎日思うんだよ」と言うので「なんで死にたくないの?」と聴くと
「今があんまり楽しくて、もっともっと生きたいって感じだね」と言った。「そうなんだ!!いいね~~」とわたし。
「でも、死んだらどこに行くのか心配だ」とも言い「天使がすんでる場所に帰るって最近小耳にはさんだよ」
などと、それ系の知る限りを喋ったら「それってシピリチヤルってやつだろ、江原さん見てるからね」ときた。
親と子がしあわせでいてくれるだけで自分の幸せの8割は叶えられていると実感するこのごろ。