大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

牧草畑での結婚式!

2009-07-28 | 日記
雨続きで羊の毛を刈るのを見合わせていたら、もう7月も終わるところに来て
「今刈ったら寒くて冬越しできないかもなあ」と夫は決断に苦悩している。
先週土曜日、正月から計画していたユウヘイとマユミちゃんの結婚式が
目の前の一番小高い牧草畑で雨の中決行された。
私たち夫婦は駐車場スタッフ。あんなに吟味していた当日の衣装は
あっけなくいつものツナギと雨合羽に変更。しかし雨の中次々にやってくる
若いお嬢さんたちは肩も足も丸出しの衣装が多く、おばさんは驚く。
まゆみちゃんも肩丸出しのウエデイングドレス。若さって脅威だ。
「絶対晴れる」とユウヘイも私たちも思っていたのに雨が降った。
新郎新婦とその友達が、前日の草刈から会場準備をはじめテントや椅子テーブルを運び込み
仮設トイレの設置、JRバスをチャーターしてのきめ細かな送迎の段取りなど全てを自分たちでやった。
参列する頭の固くなった親や親戚一同への配慮までも様々に思い巡らしたのだろうと推測すると愛おしい。
飲食コーナーを担当する若者たち、140個のケーキをライトバンに積んで札幌から走ってきた女の人、
新婦が乗って登場するポニーを、一緒に2K歩いて連れてきた平山さん、常呂町から持ってきたホタテを
焼き続けてくれた親戚のお父さん、受付でずっと金庫番した塩野さん、
駐車場係りを全うした後は慶びでへべれけに酔っ払い「みんないいやつばかりだ」を連発する夫。
雨だったからこそ皆がお互いを気遣い寄り添って最高の場が顕現された。それをこの目が見せてもらった。
赤ちゃんから90近い老若男女100人がふたりの熱い思いを受け止めた。おめでとうおめでとう

ツリーハウス

2009-07-12 | 日記
おとといはノースリーブを着てソフトクリームを食べ、昨日今日はセータを着て
薪ストーブの前でレースを編む。刺激的な毎日。
(おっ 忘れてた・・・)冷蔵庫の隅から土付きラッキョウが2袋出てきた。
塩水を作ってその中に土ごと入れてかき混ぜてしばらく置く。皮がつるりと剥ける。
まずは5-6%の塩で下漬けしてから瓶にいれ酢を注いで、これで半永久保存。
食べやすい味付けにするとあっという間になくなるがこれはかなりしょっぱ
酢っぱなので毎日の食卓のいろいろなアクセントに刻んで少しずつ使う。
特に暑い日は1個をガリっとかじると細胞がピキーッとなり一日元気をもらう。
いちにち一個の梅干しとラッキョウは夏の力だ。
売れ残った傷みだらけの青梅を、あきらめずに傷んだところを削り剥き身にして瓶に入れ蜂蜜を注いだら
翌日には梅のジュースが出来た。本当に美味しくて、なーんだこれでいいんだーとバカ嬉しくなる。
この年になると、能書きを読んで事に当たるというのが面倒でつい自分勝手に思いつくままやってみるが
だいたいのところ、支障はない。今まで抱え込んでいた自分の中の常識が壊れていく。
 横浜から来たみえさんが長沼温泉に長期滞在しながらお隣のカヌー工房でカヌーを作っている。
街の暮らしで疲れた心と身体をこの山の裾にゆだねて過ごしているうち2ケ月過ぎた。
工房の片隅の畑に自分用の野菜の苗を植え、豆を蒔き、食料自給にも目覚め、気付いたら
カヌー工房の一角の大きな木の上に平山さんがツリーハウスを作り、みえさん七夕の日に引っ越してきた。
物を持たず寝袋で眠り キャンドルの灯りで暮らす。無邪気な子供に戻っていくみたいだ。

大正の女!!

2009-07-06 | 日記
数日前静さんのご機嫌伺いに行く。いくらブサーを鳴らしても応答が無く、
合鍵で入ろうとしたら、ドアが開き「熱があって寝ていたよ」とふらふらと起きてきた。
渡す物を渡して「ゆっくり休んでね~」と早々に引き上げる。
ひと月も妹の世話をして帰るなり「生きてるうちに釧路の友達に会いたい」と 
更に出かける気満々だったので、具合が悪くなったと聞きかえって安心した。
夫を女手ひとつで立派~(クリクリッパア~)に育て上げた静さん、
どんな状況の中でも自分自身を凛と保ち、下手な同情や余計な世話を嫌い、
「人の世話にならない」「自分のことは自分でする」「人の役に立つ」という姿勢で
86まで生きてきた。10年前姉妹や友人のいる住み慣れた釧路を引き払い、長沼に来て私たちを支え続ける。
「心配だから泊まろうか?」と提案しても「人がいるとかえって落ち着かない」と言う。
数日後、「左の手足の痺れが取れなくて病院に行ったら恐い事言われて検査することになって夜も眠れない」と
気丈な割りにはイワレ弱く、ちょっとした事で死ぬほど落ち込む。
「病院は最悪の事言って不安にさせるのが手口だから」と知っていながら毎度同じパターンを繰り返す。
根菜と海草と小豆、炒り玄米やこんにゃくを差し入れに持ち、大かぶ薬湯を紙袋に詰めて訪問。
片手鍋に薬草をひとつかみ入れて煮出した液で足湯をしたらたちまち足の痺れが緩和し、血液が流れ
出して手が痒くなってきた。足湯しながら東城さんの自然療法の本を声を出して読み上げている。
手当法や食事法を確認しながら《少食に良くかんで自然食を実行すればふしぎな程早く治ります》という行を
特に大きな声で読み上げて、たちまち元気を取り戻した。  大正の女単純明快矛盾なし。