大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

春の雨

2009-05-25 | 日記
昨日も雨、今朝も雨。突然草がググンッと伸びた。植物は本当に雨を待っていたのだ。
雨を合図に山もモコモコ起き上がる。カッコーの声を合図に人は豆を蒔く。
《お茶~》と合図を送ろうとして見当たらない妻に執着せず《お茶はいったぞ》
と言う今朝の夫のゆったりした心境にも雨は大きく貢献している。
勇気をくれる陽の光が父なら、包み流す雨は母性なのか・・・
ビニールハウスの苗も雨の音を聴くだけでうっとりしているのが分かる。
雨に濡れた草の青臭い匂いを吸い込むと、遠くの昔、自分が
草だった頃のような懐かしい安心感に包まれる。
今、自分のいのちが躍動しているのは植物が酸素を与えてくれているから・・・・
と、当たり前のことが奇跡のように感じられるのは、その事実を忘れかけていることへの警告か・・・・・
根っこから掘り起こしてしまわないと、と思った矢先の家の周りを覆い尽くしはじめた草が突然愛おしくなる。
共に生きていく、草も、ひとも、虫も、石ころも、この星でめぐり合ったお互い同士だから・・・
人の中にいるとついつい見えなくなる。
じぶんが生かされていること。
ほんとに
どうしてわすれてしまうんだろ。
雨音をきいていたら思い出した。。。。
きょうもいい日だ。

屋根裏の住人

2009-05-18 | 日記
すぐそこの山桜が去年より一回り大きくなってみごとに咲き、マオイ山を彩る。
近くに行って愛でようと思いながら、その機を逃し今年もまた散ってしまった。
倉庫で冬を生き延びた少数のネズミたちが最近静かだと思っていたら
台所に現れ、逃げずにキョトンとしてゆったりこちらを見ているので
「おや?どうした?」と思わず声をかけた。
私の顔をチラと確認してから、ネズミはゆっくりと自分の住処に戻ったようだった。
そのあと一日のうち何度も何度も私の目の前に出没し、何かを訴えているのか・・・
それにしても、太っている。太りすぎて素早く移動できないようなのだ。
シッポをチョンと持てば簡単に捕まえられた。これはもう本来のネズミの姿ではない。
「あいつ、台所にあったりんごを丸々全部食ったみたいだ」と夫が言うので野菜カゴを覗くと、
ず~~~~と置いてあった1個のりんごが消えていた。いつも芋や南瓜をチマチマと齧るので
『食べるなら食べきって欲しい』と念じたことがあったが、自分より大きなりんごを食べきるなんて自殺行為だ・・・・・
去年はあまりにも騒々しい振る舞いが多かったので《倉庫内では静かに暮らしましょう》と厳重注意の貼紙を出した。
この冬は全く静かな暮らしぶりで、たまに芋が齧られていても大目にみていた。それが物足りなかったのか。
もっともっと、あの手この手でネズミの侵入を阻止し、緊張感を用意してやれば良かったのか・・・
人目を避けての食事形式が先祖代々ネズミ族としての伝統であり、誇りでありその結果シャープなボデイを
維持してきたとすれば、人の情けは仇となり、ネズミのDNAはペット化の方向に書き換えられて行くのかも知れず・・・・
人族としての立ち処を問われているような いないような、銀河系も変化してるっていうから当然の成り行きかも・・・・
   《ねずみのみなさま、食べ過ぎにご注意下さい ながの家より》  取り急ぎ貼紙を書き換えた。

春だよ~

2009-05-10 | 日記
みなさ~~~~ん、休み疲れて早く仕事がしたくなりましたかね~~~うっきっき~~~
道の駅は連日、人、人、だったようですが大かぶエリアは静かなものでした。
毎年夫はなかなか百姓としての動きが出来ず、春先周りが動き出すとソワソワし
しかし思うように動かない自分の身体にイライラしたりのくり返しで
毎年種だけ山のように買い込み、ほとんど蒔かずに鑑賞して終わることに対し
妻は、なるべく余計なことを言わないように自分の口封じに徹するのがたいへん。
この冬の除雪は燃料高騰を理由に「経費節減・体力増進・精神統一」の三本柱を立て
トラクターでの雪かきを止め、家の前最小限の部分だけを手作業でやり切った。
トラクター遊びが出来ずにいた夫はこの休みに倉庫から小さなトラクターを引っ張り出し
連日畑で遊び狂った。種を蒔くところまでいければいいんだけど。。。。。。
倉庫暮らしが板に付き、さっぱり進まなかった母屋の改装が、上野マスターの地道な屋根張り作業に触発され
いままで、自分事であるのに全く無関心だった心に火がつき屋根裏の断熱材張りに夢中になる。
冬に和商市場から仕入れる魚が入った発泡スチロールが数年分溜まり、(母屋の断熱に使おう)と閃いた。
カッターナイフで立体の箱を平面に解体しながら屋根裏に隙間なくはめ込んで行く。
部屋を占領していた発泡スチロールが天井裏に美しく収まってゆくのが嬉しい。全身の細胞がウキウキしている。
その道の専門家から「ど素人め」と鼻先で笑い飛ばされようが全然問題なし。自分が楽しいのだ。うひゃひゃ~~~
しかし、一番高い天井部を足場板を渡りながら一時間も作業するとふだんサボっている筋肉がぴくぴくと引きつり
それならば低いところから・・と中腰で別な場所に挑戦すれば、結果、ア、イタタタタ・・・・と全身ガクガク。
すばやく察知した夫が「どうせまた足揉め腰揉めって言うんだろう」と牽制して来たので(むっ)として弱音は吐かず。
片時も離せなかった編み棒をパッと放し、カッターナイフに持ち替えた。天井張りは今後の人生を変えるのか否か・・・・・・