大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

一目惚れ

2020-06-28 | 日記
ようやく待っていた雨が降る。
豆と草と去年のソバのこぼれ種が競い合う様に伸びてくる。
今年の鹿対策として、オス犬のクロベを豆畑の中に配置した。
クロベは寂しくて毎晩キュンキュン泣く。重要任務だ耐えよ。
今朝は久しぶりに任務を解かれ家に帰ってきた。夕方は又任に着く。
メール便を届けに来てくれたオジサンとも久しぶりに抱擁し合っていた。
あと、太陽光で蓄電して夜にピカピカ点滅するライトを数カ所に設置。
隣のヤマウチさんの畑はピカピカライトと共に野菜コンテナにラジオを置いている。
豆を蒔く前、畑には数頭の鹿が草を食べている、との目撃情報多数。オスの大きくて重たい角が落ちていた。
鹿も生きて、人も生きて、、、今年の豆はどの位残るのか。。。。

「おい、旭川いくか?」夫のそわそわ感で直ぐ分る。この時期道内あちこちで盛んな中古農機具の展示会だ。
雨だし、気分転換に行ってもいいか。。。。(今年は何がほしいんだろ?)
すでにいつの間にか音が静かな草刈り機とか、あれとかこれとかが倉庫に増えている。
ひとつ増えたらひとつ捨てて欲しいが、ものすごく嬉しそうに草刈りをしているので黙っている。
この間は何気なく奥野さんの修理工場に連れて行かれ、「もう少しで出来上がるから」と奥野さんが言い、、
「はあ?」と思ったら荷台がダンプのように上がる中古の軽トラを既に契約済みだった。
「とおちゃんていいよね、欲しいものがあってさ、、」「ふん」とバカ嬉しそうに鼻先で笑っている。
一つ新しいもの増えるだけでこんなに楽しく過ごせるんだから幸せだよね。と素直に思うばかりだ。
自分も何か欲しいもの無いかな?と自分に聴いてみる、、、、
毎日目の前の事で精一杯、、、隙間を縫って梅を漬けた。味噌を仕込んだ。
今年は初めて山椒に沢山の実がついた。実山椒の佃煮に挑戦。お茶飲んで、一休みして、、台所に立って、、、
、、、、突然歯が痛くなり歯医者に行き、いつも必ず覗く隣の大きな厨房用品の店に寄る。
魅力的な物は沢山あるが心を鷲掴みにされる物にはなかなか巡り会わない。だからいつも目で愛でるだけ。
が、「あ・・」隅っこに立てかけられた檜のまな板と目が合う。迷わず「長沼で一緒に暮らそう!」と連れてきた。
15年以上使い込んだまな板を買い換えようと、ここ数年あちこちで見ていたのだがなかなか決められず、
2000円でも高い!と買わなかったのに、、4000円に一目惚れ。一枚のまな板が来ただけで、毎日心が躍る。
歯の痛みはかみ合わせを調整してもっらた途端嘘のように治まった。まな板が呼んでいたんだな。。

で、旭川、美瑛と2カ所の展示場に行くも、目当ての物には巡り合えず、残念そうな夫。
ここまで来たならと十勝岳温泉に行く。目の前にそびえ立つ残雪をたたえた十勝岳。圧巻!
崖っぷちの露天風呂ではビュービュー吹く風と小雨に頬を打たれながら危機感と恍惚感に震える。
生きているのか死んでいるのか境目の無いような時間だった。。。ここは別世界だ。。。

新月の願い事。。

2020-06-22 | 日記
6/21日 夏至。新月。日食。。。。この組み合わせは数百年に一度だという。
”地獄の蓋が開く”とか、あーだ、こーだ、どーだ、、とさまざまな見解。
確かにね、、自然現象に運命を預けて暮らした昔の人々のウンチク。
そうだ、、本棚で埃をかぶった「新月のソウルメイキング」を取り出した。
買ったのは2006年となっている。
毎月新月に願い事をするのがマイブームだった。
新月に入ってから48時間以内に自分が強く望む素直な願い事を心(腹)の中から10個位拾い出す。
その頃は、とにもかくにも、「横の川が清らかに流れ続けますように」と願った。
そして、自分たちがいつも健康で、作物が健康で、、と今思えば当たり前の事を真剣に願っていた。。。
川の水さえ常に流れてくれていれば生きられるように思っていた。
5-6年、もっとかも知れないが、毎月ドキドキ新月を待って、その時々の願い事を紙に書いた。
水はどんな年にも流れ続け、自分たちも健康で働き続けた。振り返ると大・中・小の願い事は皆叶っていた。
息子や娘が悩んでいた時も新月の力を借り、思いがけない展開で解決されたこともあった。
そうして、(なあんだ、本当に願えば叶うんだ)と思ったら気が済んで、いつの間にか新月を意識しなくなった。
久しぶりに(きょうは新月に願い事でもしてみるか)と紙に向かった。。。腹の中から何が出てくるのか。。。。。
。。。やっぱり川の水が清らかに流れ続けるように。自分たちが健康で、作物が健康で、、と出てくるのだった。
あとは、「鹿が豆を食べないように。拾っても拾っても出てくる石が作物に力を与えてくれるように。。。。」
腹の中に向き合ってザザザと一気に書いて、願い事に執着しないように書いた紙を棚の一番上に置いた。
少し時間が経ち、そういえば、コロナの「コ」の字も出てこなかったな。。。。腹の中にコロナは無かった。。。。



大きいって言うなーー!

2020-06-14 | 日記
土曜日の午後、バラバラバラ!っと突然雹(ヒョウ)が降る。ビックリ
蒔いた大豆に雨よ来い、、と思っていたところに、、ヒョウか、うひょひょー、、

寒い時期は防寒になっていたマスクがだんだんうっとうしくなってきた。
そんな今頃になって郵便屋さんが『アベのマスク』を配達に来た。
ホントに来た!!これが噂の。。居合わせたM君と顔見合わせて笑う。
M君の通勤途中に札幌市の回収ボックスがあるというので即刻託した。
アベのマスク、大きなかぶに一泊もせずお別れ。バイバイ・アベのマスク♪必要な人のところで働いておくれ♪

野菜を買いに来た若いお母さんの胸に大きな赤ちゃんがコアラのようにしがみついている。
「まあ!大きいね!」と思わず口に出る。その途端、、、「うううううううう、、うわあああーん!」と泣き出した。
「ああああ、ごめんねえ」 「うっうっうっ・・・」もっと悲しそうに泣き続ける。お母さんはニコニコ
「体重何キロ?」「10kです」「えええー米袋一つだー!お母さんえらいねー!」
お母さんが小柄できゃしゃだから余計に大きく感じるのかも知れないが頭の大きさはお母さん以上に見える。
子育て真っ最中の若いお母さんたちの日常を思うだけで涙が出るほど愛おしくなる。
こんな苦労、あらかじめ解っていたなら決して産めない。何も知らないって事がどれほど大切なことかと思う。
もちろん嬉しいことだって数え切れないほど有ったにしても24時間365日お母さんを休めない。
息子と娘は0歳児から保育ママさんや保育園、学童保育、あの人この人、、ほとんど人に育てて貰った。
しかしそれだって、家の中で自分以外の小さな命に向き合うというのは無意識に常に身心のどこかが緊張している。
かわいいなんて思える余裕の瞬間はごま塩の中のごま粒だ。このふたつの命を毎日生かすことで精一杯。
毎日毎日の暮らしの連続が、子どもの成長と同じ位自分の心の成長を観察することで乗り越えてきた。
二人がいたから、この子らに恥じないようにとここまで生きてこれた。しかし恥ずかしながらこの程度だが。。。
なんとかかんとか、息子も40過ぎた。娘もそのくらい、、幾つになったのかもう数える事もしなくなった。
ああ、ほんとに体力のある若い時だから出来た。。がんばった自分を思い出し、今頃しばし酔いしれる。。

赤ちゃんはお母さんが買い物を済ませてもずっと変わらず泣き続けた。。。。。
 (大きいって言うなよー!!お母さんが大変だってぼく(わたし?)が一番分かってるんだ!)
(おかあさん、大丈夫かなって一番気になってるんだ!)(お母さんありがとねっていつも思ってるんだ!)
(だから、それ以上大きいって言うな!!!!!うわあああーーーーーーん!)
突然赤ちゃん目線に切り替わった。そ、そうだよね、、すごくよく分かるよ、ごめんね、ごめんね!!
この日は思い出すたびお母さん立場でうううと泣いて、赤ちゃん立場でおんおん泣いて、一人二役だった。。



一休み

2020-06-08 | 日記
ここ数日暑い暑いと騒いでいたら涼しくなりストーブを焚く、、、
どこかで蝉も鳴き始めた。”ジョッピンカケタカ♪”とエゾセンニュウも鳴く。
草花も狂い咲き。春なのか?夏なのか?迷ったら咲くか・・って
(そろそろ来る頃だ・・・)と思っていたら、来た来た!
開けていた2階の窓からぶ~~~~んとスズメバチ。
今年はどこに巣を作ろうかと必ず偵察に来る。ひとしきり見回って出て行く。
ヤマウチさんの畑の横の藪で毎朝大声で鳴く雉の父さんの声がしなくなった。
毎日畑にひとがいるので、子育て中は大声出すなと奥さんに言われているに違いない。それとも引っ越したか、、
お隣のハルユキさんが体調崩し小太郎の散歩が出来なくなって、毎朝夕と奥さんや二人の孫たちが
代わる代わる小太郎を連れうちの前を通る。
あるとき「お兄ちゃんおおきくなったね!何年生?」と声をかけたら 「あ、もう働いてます」とタバコをくわえて見せた。
「えーーー?!!」この間(いつのことだ?)合った時は小学生だったのに!
30年ぶりに知り合いの姿を動画で見る機会があり、○○さんお爺さんになったね。横にいるのはお母さんかな?
と思ったら自分と同い年の奥さんのMちゃんだった。。Mちゃん髪の毛くらいとかしなさいよ!と心の中で叫んだ。
と同時に窓に映った自分の頭もぐちゃぐちゃだった。おっとっとっと、、、、人の振り見てなんちゃらかんちゃら。。

コロナに5Gにビルゲイツ、どうしたこうした、、ひとしきりあちこちから来る情報に、ほお、ふむ、へ~・・・
ふう・・くたびれた。これらの情報知っても知らなくても長沼の日常は台風の目の中。ほとんど何も変わっていない。
偉い人有名な人普通の人、子だろが夫だろうが、誰の言うことすることも、信じないで疑わないで、自身の目と耳と感じる心に委ねて観察する。
情報整理はちょっと一休み。気分転換に毎日使う食器を替えよう!新札幌の駅ビルの中で買い物をする。
「ありがとうございました」「またおいでください」「○♡☀◇。。」と接客の声が近くの店から聞こえてくる。
品物を買ってくれた客というより、通りがかりにちょっと足を止めて覗いていく人にいちいち丁寧に声かけしている。
(新人さんかな、、)以前は年配の女性が誰が足を止めようが無言で店番していた。
どんな人だろう?とおもわずその店に行く。案の定、4月に酪農大の獣医学部に入学した熊本(だったかな?)出身の女の子だった。
アルバイトの日もまだ浅く、希望に満ちた素直でまっすぐな声は彼女の今の心情が表われているのだと感じた。
その声は通りすがりの自分の心を捉えてわざわざ足を運ばせる力を持っていた。
たわいも無い話もお互いにまっすぐ目を見て話した。ちょうど気に入ったスープ皿がみつかり2つ買う。
この皿を使うたびに毎日この娘さんのことを思うのだろうな。



トモダチ

2020-06-01 | 日記
土曜日は長沼町27度の暑さだった。
山も畑も草花もまばゆい光に包まれ、外仕事すれば身体中天然日光消毒だ。
コロナも吹っ飛ぶ。カッコーが鳴く。ヒバリが鳴く、ウグイスも鳴き続ける、、、、、
同い年のTちゃんが久しぶりにご主人(なんと年の差30才)と遊びに来た。
積もる話をぺちゃぺちゃと途切れも無くしていたら、退屈してきた彼が
そわそわしている。「あ、もう帰りたい?、、」
「いや、そうじゃなくて、、ホントに家でもずっと喋っているからうるさい。。」
「なるほど、でも女が無防備に喋っている時は平和なんだよ。無口になったら怖いから。ひひひ」
「そだそだ、昔ひわちゃん家出して3ヶ月も帰ってこなかったんだよね」 「そんなこともあったね♪」
「え!そうなの?!」「そうそう。だからもう少し気が済むまで喋らせてよ。久しぶりなんだもの。2階は静かだから。。」
「わかった」と彼女にぞっこんの彼は2階に独り上がっていった。そして又女たちはずっと口の筋肉を動かし続けた。
そういえばあの3ヶ月家出事件、本人は心も軽くサイフも軽く、野良猫のようにふてぶてしく当たり前の顔して戻ったが
友達や、友達の友達や、友達でも何でも無い人たちが「Tちゃんに何も言わずに行くなんて!!友達でしょ!!!」
「友達なら何があったか聞きなさい!!」「トモダチダッタラ、トモダチナンダカラ!!」と原因ばかりを知りたがった。
携帯の電源をOFFにしていたからトモダチナノニ電話にでんわ!とたぶん内心怒った人との縁は消えた。大断捨離。
Tちゃんは放っておいてくれた。夫は(お、猫が戻った・・)って感じだった。おかげで今も大きなかぶで大きな顔。
Tちゃんが30才年下の彼に求婚され、ずいぶん迷ったけれど決心したときも、トモダチが大反対した。
そういう存在は友達の仮面かぶり、親切心に包み込んだ好奇心ばかりを満たそうとする。あんがい退屈な人生なのかもね。
退屈な人生、生きていても死人同然。 死人でいる方が楽な時もあるけれど、、、
過干渉、誹謗中傷、悪罵残棒、それらは皆、言う側その人の心の世界が溢れ出るさまだ。日常で腹にため込んだ老廃物。
言われる側がうっかり土俵によろよろと上がれば命を落とす事もある。ぶるぶるぶる。。。
何事かあるたびの強制断捨離に命も心も救われてきた。おかげさまでちゃっかり生きててごめんなさいよ。。