大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

笑いの効用 か?

2015-10-28 | 食生活
木曜の朝 霜が降りた。 車の窓ガラスが真っ白だ。
緑色のミントが オシャレな霜のマントを着て よそ行きの顔をしている。
嵐の吹き荒れた後は どこもかしこもすっきりと澄み渡り、山が一気に色づきはじめ、
庭のブルーベリーの葉は真っ赤になった。  すっかり秋だ。

「網走でも行ってこい」 と 米が一段落して、ちょっと気持ちも楽になった夫が言った。
急にそんなこと言っても相手の都合があるし。。。。
しかし、せっかくの厚意を無にする訳にはいきますまい。
すぐさまKちゃんの都合を確認し、高速バス予約完了、準備万端、明日出発って時に
頭痛がしてきた。吐き気もしてきた。(なんだなんだあ?????)
いつもはJRで行くのだが、思わずうっかり今回は初の高速バス体験。
家を出る時点で 迷った末に 編みかけの靴下2種類の毛糸をしっかりとリュックサックに入れる。
が、バスの中で編む欲求は出てこず、かなりのダメージとみる。
そういえば2-3日前から大好きなコーヒーも飲みたくない。。。 けっこう疲れ溜まって来たんだな。。。。 
せっかく一緒に食べる夕ご飯を楽しみにしているKちゃんが さぞがっかりするだろうと思うが食欲も一切無し。
6時間なんとかかんとか凌いで、夜の8時前に網走バスターミナルに到着。
迎えに来てくれたKちゃんが「ごめんね今の時間 いつもの回転寿司しか開いてないのよ」とすまなそうに言う。
「いいよいいよ、そこでおつゆ飲んで茶碗蒸しとアナゴとウナギ食べる」と 吐き気を抑えながら口が答える。
車の中 久しぶりに会う喜びできゃきゃきゃと女学生のようにはしゃいで笑い転げる。
寿司屋の小上がりに落ち着き、お茶は欲せず、白湯を一口飲み、適当に頼んだものがテーブルに並ぶ、、、、
生ものは絶対無理な状態だったのに、運ばれて来た活北寄一つつまみ、あんまり旨くてもう一つつまみ、イワシつまみ、
汁すすり、アナゴ食べ、喋って笑って、、お皿数えに来たバイトのお兄ちゃんが福岡出身で東京農大で農家の土を
調査していると聞き、ひとしきり有明海苔の旨さと土談義に大花咲かす。
店を出た時、頭痛と吐き気は何時の事?、、、、遠い過去の記憶になったいた。
それから帰って 老犬トーコと戯れ、生クリームのケーキまで食べ、さらに夜中まで喋ってへとへとになる。
いい加減眠くなって布団に入ると またひとしきりゲラゲラ笑いながら どちらかの口がもつれてカクンと眠りに落ちるまで喋る。
翌朝明るくなると 早速靴下を編みたい欲求が来て寝ていられなくなる。 (ほお すっかり回復だな。。)
前日長沼から送った野菜が昼前に届き、コーヒーを淹れ、クレープ焼いてキャベツと大根のサラダ巻いてバクバク食べる。
あっけなく完全復帰。  時々こういうことが起こる。なんなんだろう? 摩訶不思議。。。。。
大声で笑うたびに、どこかあちこち詰まっていた血管が開通してシュッと新しい血液が流れだす感じなのだ。
笑いの効用ってガンも消えるっていうけど、、、こんな感じで作用するのかな?

大嵐の贈り物

2015-10-23 | 食生活
猫の目のように天気が変わる。 青空が突然黒くなり雷轟き勢いよく霰が降る。なんだなんだあ?? 
こんなこと今までになかった。 

友達がアルバイトで地域情報誌の配達を始めてもうすぐ一年。毎日100件、夕方約1時間。
雨の日も風の日も休むことなく続けている。
先日、彼女の誕生日に配達の新聞と一緒に会社からのバースデイカードが添えられていた。
○○さんお誕生日おめでとうございます
あなたが入社して今日で○○日です
あなたが配達で歩いた距離は○○kmになります。
その距離は東京まで歩いたことになると言った。 毎日の積み重ねはすごいね!と驚いた。

そして、先日の大嵐の日、こんな日の外出は控えましょうと と朝から晩までテレビラジオが言い続け、
彼女の住む道東地域は直撃の真っただ中だったが100件分の新聞はいつものように彼女の家に届いた。
会社としては新聞のスポンサーである商店街の売り出しのチラシを何が何でも配達しなければならないという訳があった。
”配達の途中でどうしても身の危険を感じた場合は会社に連絡して中断し、売り出しに間に合う朝の時間に配達せよ”
ということだった。
「こんな日に60過ぎの社員にそうくるか。」と こんな時だけトシヨリぶって、なかばやけくそで嵐の中に出て行き
新聞が大雨に濡れないように、自分はびしょびしょになりながら何事もなく100件配達し終えた、とメールしてきた。
この件に関して会社の方針等々に、言えと言われれば三言も四言もあるけれど、
それはそれとして、自分が「行く」と決め そこに立って動き出せば、ありったけの知恵や力が湧いてきて、
結果、何事もなく100件の配達を終えた。
『自分のこと すごいなあって思えた』『うんうん!すごい!』
 大嵐がくれた贈り物だね

土壌菌は益菌の宝庫!

2015-10-18 | 日記
気温が低くなり ビニールハウスの夏野菜もいよいよ終盤を迎える。
最初の頃なら脇芽の剪定などこまめにしていたが、だんだん伸びるに任せ、ホッタラカシ。
正統派農家なら、一本の苗から何個、何キロ収穫予想し作業効率最優先、
管理作業は抜かりなく採算しっかり押さえていくのが当たり前、それが農業だ。
しかし、大きなかぶはウレシカナシのいい加減。野菜たちのほんとの姿見てみたい。
ジャングルのようになればなるほど心が躍る。 ど素人根性丸出しだ
『あの、枯れる寸前だった苗がこんなにも生き生きと元気に成長した!!』 と
土の力、野菜の力、そこばかりに関心が集中してしまう。
 脇芽が伸びて伸びて迷路のようになったミニトマトを収穫していた時
あっと思う間も無く 左手に持っていた剪定ばさみが右手の中指の腹をチョキンと切った。
血がぽこぽこ出て来てちょっと痛い。
あれ、失敗、失敗。 足元の土をすくって傷口にパラパラと振りかけた。
ピタリと血が止まり痛みが引いた。 やっぱりだ。。。。
 数年前、家の周りの草刈りをしていて手を鎌で切った時、
 家に入ってビワの葉エキスをつける時間が惜しくて作業を続けようと決めた時
『土つけて』 と なんとなく体の中から声がしたので足元の土をパラパラと切り口に掛けたらピタリ。
同じ体験を共有したくて、会う人ごとに「やってみてやってみて!」と言いふらしたが、
そんな恐ろしいこと出来ません。ハショーフーになったらどううするの!!ダメダメ!!
ひわの身体が変だから、大きなかぶの土だから、などと誰もが言い、相手にしてもらえず。
その後、家の前の町道の草刈りで手を切った時、あえて町道の土を掛けたら同じように止まった。
この3回の体験は、いまだ誰にも分かってもらえず、謎に包まれていた。
 で、切ったことも忘れて無中で収穫したミニトマトをもって家に帰るとテレビのニュースが
土の中の微生物を研究している博士がノーベル賞をもらったことを伝えていた。
「おおお!!」と 思わず右手の中指を見る。傷口はピタリと閉じている。
 なんとなく 自分ものーべるしょう(述べる症)もらったような気分になった。
へへへ、ふふふ、ひひひ、くっくっくっ、、、ひとりでわらいつづけた。


世界の縮図は内にあり

2015-10-09 | 食生活
不安定な天候を見計らいつつ、稲刈り作業が進む。
刈った稲を乾燥機に運び乾燥させながら 更に刈っては別な貯蔵タンクにどんどん運ぶ。
ななつぼし、ゆめぴりか 種類別に淡々と黙々と刈って運んで乾かして、、、、
天候や各々の機械の調子などがぴたりと足並みそろえば もっと効率よく進むのだろうが
あっちが詰まったり、こっちが開かなくなったり、どっちがなんじゃらかんじゃら。。等々
今年の今の今を精一杯やりくりしながらの作業は余計なこと考える暇はない。
だから、なにがどうなっても「すべてよし・生きてるだけで丸儲け」と受け止めるだけだ。
大きな機械が仕事をすると人の手は最小限となり、一連の様々な作業は夫一人で足りる。
妻は昼の握り飯を運び、床の掃除やらをちょっとやる程度。
その夫を観察していると、小さな体で、大きな機械やホースやタンクと全身のありったけで戯れて
喜々として遊ぶ子供のように見える。夜、あっちが痛いこっちが痛いとぼやくが精神は疲れ知らずだ。
自分の好きなように好きなだけ好きなことをして生きているように見える。  
山崎さんもそんな風に生きていたな、、、と思う。 まったく、男という生き物は、、、、、
女の自分は自分の巣に集う家族のための衣食住の遣り繰りに果てしなく面白さを見出す生き物だから
他人の巣のことは各々にお任せ。自分の巣を心地よく維持することに毎日大忙し。
必死になって他人の分まで米作らなくたって、それぞれの巣で自給してブツブツコーカンすればいいっしょ
と言うのが持論だ。 じっさい此処での暮らしはそんなことだらけだし。本気でやればモデル地域間違いなし。
だから、景気やTPPや行政や国やアメリカが中国がというニュースに興味もなく。。。申し訳ないほどだ。
しかし、今年の夫を観ていたら、謎が解けた。
男の特性は、自分より大きく見えるものに思い切り挑戦してみたいのだ。常に。
そこに、旗振りながら正論かざし、うっかり介入すれば内戦は免れまい。 
ましてや反対する存在が大きければ大きいほど燃える。勝ちに行く。どんな手段を用いても。

そういう自分も編んでるものに「あーだjこーだ」などと言われたら、どう出るか分かるものではありません。。

世界の縮図をわが家に見る。