大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

母ごころパートⅢ

2010-11-25 | 日記
朝の空気が、深い秋の匂いに変化した。夏の終わりの空気は、吸い込むと
胸にズキッと来るような感覚が走ったが、今の空気は吸って吸って吸って・・
どこまで吸い込んでも冷たいのに暖かい。。なぜなんだろう。。。。。

アルバイトを掛け持ちしながら、5年間好きな絵を描き続けてきた息子が
初めて応募した「現代童画展」というのに入選した、と知らせてきた。
「上野の森美術館で12月1日から7日まで展示されるんだ」 声から喜びが伝わって来る。
・・大学は卒業したが就職できず在学中からのコンビニバイトで気ままに過ごしていたが、
父親や周囲の軋轢に負け警察学校に入学した。これで一見万々歳、とみえた・・
しかし、3ケ月で脱落。母のDNAを半分持っているかぎり必然の結果か・・と心底納得、そしてこっそり大笑い。
脱落でかなり自信喪失し丸一年自室に篭っていたときに、描き始めた絵をブログで公開していた。
この先、大都会の隅っこで、絵を描いて生き伸びる、、、そんな甘い考えは早く捨ててフツーに就職しなさい と
自分のことを思って言ってくれる人の言葉も耳に入らず、かといって腹決めもできない状態に悩んでいた。
ふだんけっして電話などかけてこない息子が「俺、絵が描きたいんだ」と言ってきたとき、
(来た来た~~~むふふふ~~~~)と腹の中がにやけて、こみあげるおかしさを必死でこらえた。
社会からの逃げ道といわれればそうかもしれず、しかし、逃げるなら逃げ切る覚悟で逃げてみる。
飽きるまで描いて描いて、もういい というところまでやってみる。「それをやろう」と決心するのかしないのか。
好きなことに真っ直ぐ向き合い素直に関わる。ひとに笑われても笑っていられる。
            何かを、誰かを、好きになるって 心が強くなる。
膨らんだ蕾を、咲き急いで枯らすことのないように、枯れても腐らず何度でも出直す生命力に恵まれますように、
母にできることは、賞味期限切れてもネバリを失わない平塚食品の納豆と残り野菜に愛を託して送ること。


畑の片付け仕事をするひわと土中から出る虫を狙う雌鶏

マオイ丘陵 由仁町から

寒くなったね おひさまが温かいね

母心 パートⅡ

2010-11-16 | 日記
「かあちゃん、あのさ、送ってもらったカボチャのポタージュ、まだ大丈夫かな・・」
「ん~?匂い嗅いで、舐めてみて、身体が拒絶しなけりゃ感謝して食べなーー」
「あ、そうか・」「それでお腹痛くなっても、タマに身体の中の大掃除さ♪」
娘や息子に時々送る荷物の中身は、だいたい大かぶの賞味期限切れ納豆・麺類
泥つき野菜。比較的時間にゆとりのある息子はそれらをなんとか工夫して
食生活を営んでいるらしいが、娘にとってはアリガタ迷惑らしく「なに必要?」
と親心全開にして打診しても「りんごジュースだけにして」とか言われてきた。
先月、娘の生活実態を垣間見た後は「なるほど」と合点がいき、カボチャやとうきびを
1-2回分のスープにして板状に冷凍したものや、毎日のおかずをチョコチョコと
冷凍にして送ってみたところ、意外に早く食生活が意欲的な方向を向いてきた。。。
「一日一回 自分の為にごはんつくりなさいよー」と娘の心が弱くなったときに言い続けていたが
本当は料理好きな娘が「元気になったらね、、」と更に弱弱しくつぶやいた。
(え?)今これを放って置けば魂抜けて見かけだけの女になりかねない・・一大事・・
『食生活を自分の手に取り戻して甦る』と娘の復活を賭けて母は泥付野菜と共に上京したのだった。
あれ、、玄関横にATM装置がある・・と思ったらそこが娘宅の台所で、母の板状の胸はキュンキュン。
過去に送った味噌、塩、梅干し、、開けた様子もなくキッチンにきっちーんと片付けられ・・更に板が痛みキュンキュン。
めげずに小さなシンクと小さなレンジの前で米をとぎ泥付き野菜を洗って切って煮て焼いて・・・・・
「おーーーできるじゃないか、このキッチン、模型じゃなかった!」夜会社から戻る娘を待つ。
塩だけで調理した野菜のそれぞれを、まだ会社の顔を残しちょっとすました娘がバクバクがつがつ食べた。
いつも味の濃い外食が多いだろうに、こんな素朴な野菜の味に身体は素直に反応している。それを確認。
母親として毎日でも食事を用意してやりたいが、娘はこれから自分の家族を持ち、その家族のいのちを預かり
妻として、母として、時にどんな台所であろうとも、そこで愛の実践をしてゆく『女性』としての大仕事が待っている。
今はまだその喜びを知る由もなかろうが、『食は愛』まず自分を愛することから初めてほしい。

秋の空に 七色の虹の橋!

母屋の屋根改修



大きなかぶ 水源地の様子 秋は落葉でびっしり!




おおうばゆり

ヒトはいつでも変れる!

2010-11-11 | 日記
「郵便局から荷物のお届けでーす、冷蔵品なので冷蔵庫に入れておきますねー」
年配の配達員のおじさんニッコニコ 「ど、どうも、、、いつもありがとうございます、、、、」
(おじさん 変ったね!)以前はドア開けるまで家の前でクラクション鳴らし続けてた。
いつも仏頂面で不機嫌で、彼の運転する郵便局の赤い車が来ると心臓がバフバフした。
この辺では有名だった。 それが 変った。 いつもニコニコ親切丁寧。
な、なにが起こったのだ・・・サラリーが激昇したか。気の合わない上司が転勤したか。。。。
職場に若くて気の利く可愛い女子職員が配属となり 恋にでも落ちたか。。。。 
同居していた不仲な婆さんがやっと逝って 肩の荷降ろしたか。。。。
実は 長年練習してきた尺八がようやくコンクールで認められ、自信を取戻したか。。。

つけっ放しのテレビから国会中継が流れっぱなし・・・相変わらずの夫婦喧嘩を 真昼間わざわざ全国放送。
オクサンがきーきーとオットに詰め寄る。オットしどろもどろ。オット辟易。。オット開き直る。。。テレビの前で子ども白々。
そのとき 真ん中の大きな机に座っている人が「オクサンのこの発言は最も重要なポイントです・・・・・」と 一声。
つぎの瞬間 オクサンの声から感情の波が引き 穏やかな口調となる。これが本来のオクサンの姿か・・・・
いつも真ん中にすわって 「開会」「閉会」と言うあの人の 本当の仕事はこれだったのか・・・・・








秋・めらんこりー・・・

2010-11-02 | 日記
「もう白鳥来てたぞー!しかし 毎年よく来るよな 遠くから」と夫。
まったくね。自分が毎回シベリアと長沼往復すること考えると、えらく面倒だ。
としよりや小さな子も連れ、ワンマンな夫を巧みに繰りながらの長旅は神経磨り減る。
      (きっと若いんだな白鳥の奥さん。体力気力に自信あるんだな・・・)
荷造りは無く ただ手ぶらで飛び立つだけにしても、本気で飛ばねば命を落とす。
家族の万全な体調管理、爺さん婆さんツッパリ次男等の性質を正確に把握分析して
ノーテンキな夫の舵の下、全体の調和を常に気配りして飛び続ける・・・それが喜び。。。
  無い。 今迄も無いが、いまの自分に そんな力はどこにも無い。 
時の流れに身をまかせ、ただ いま このときを 感じて生きている それが喜び。。。
水の音 木や草と風の話し声 にわとりの一人言 犬たちの喧嘩する声 国道を走る車の音、 
そして 自分の息の小さな振動を感じていると CDで飽きずに聴くフジコのピアノも  遠い遠い世界に思う。
こんな静けさが似合う自分にいつか辿り着きたいとずーーーーっと憧れてきた・・・それが今現実化した。
 今が『静けさの似合う 旬』なのか・・・  これを存分に味わったら 次どこへいくんだろ。。。。

キミマロ独演会には こういう 肩の荷をすっかり降ろした年代が貸切バスで殺到するらしい。行ってみようかな・・・・

木々の下に色とりどり絨毯のように 秋の恵み 

秋のブロッコリー畑

寒い中で懸命に大きくなろうとするブロッコリー 美味しくナァ~れ!


寒い中で咲く野の花

枯れたオオアワダタチソウ