大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

土のちから

2013-05-27 | 
本州では熱中症が・・・というのに北国の朝夕はストーブを焚く。

道端の草刈りをヤギとヒツジに頼み、4頭がせっせと草を食べる。
気温が上がった昼下がり、今年も登場 青だいしょう!外の薪の上で昼寝してた。
夫がカメラを取りに家に入ったすきに、姿消す。一応デモンストレーションか。。
周りの田圃はどんどん田植えが進む。うちの苗はまだまだ。。ちょっとあせる。
土日の晴れ間で畑が乾き、ようやくまずはイモ畑の準備整う。
強風吹き付ける中、しゃがんで100mむこう端をめざしじりじり進む。
果てしない道のりに見えたが ひとかけらのじゃがいもの感触を素手に感じて
土に置き、上から土を掛ける繰り返し、、なんとなくニヤニヤしてきて いちいちニヤニヤしているうちに終った。
同じ敷地の中で山崎さんの畑を借りて野菜を作っているオグラ君が畑を眺めながら考え事している。
「オグラ君なにかんがえてんのーー?」
「ここに、今年は何植えたらいいのかなあと思って、、、、」
「作ってみたいもの何でも植えてみたらいいじゃない」「そうなんですけど・・・・」
機械で起したばかりのここの土は粘土質なのでゴロゴロと硬くて手ごわそうに感じる。
サラサラでフカフカならどんなにいいだろう。。などと思ったりする。
当たり前のことだが、できるだけ無駄な労力かけず採算がとれるように、と あれこれ考える。
しかし、縁あってこの土と巡り合った。山崎さんが50年かけて守ってきてくれた土。
まだたった2年だが この土とかかわって、この土の力をもらい、この土に励まされ この土に癒された。
こころとからだに感じた感覚のどれもが けっしてお金や物と交換することができない。数字にも表せない。
この先この土とどこまで深い間柄になれるか、ニンゲンのメス57さいにして究極の快楽追い求める。。。
   「やっぱり わたしたち きっとそれがしたくてここに居るんだねー オグラ君!」
   「そーっすね!!」



「わからない」!

2013-05-20 | 日記
ようやく少し暖かくなってきた、と思うと同時にコブシが白い花を咲かせ
山桜がピンクに開いた。 家の周りは黄色のスイセンが大宴会。 
ムスカリも郵便受けの脇を紫に彩る。
いつもの蜂屋さんが向かいの林に巣箱を置きに来た。
周りの農家の水田には早々と水が入って田植えのスタンバイ。
みんなみんないっせいに動き出した。
  大きなかぶの苗ハウスの苗たちは ちょっとびみょう~な感じ。
青々と出揃って元気な苗と ちょろちょろの苗の差がはげしい。
なんとなく 原因はあ~だろこ~だろ と推測するが 気にしすぎたら身が持たず。
とにかく、かけ土が少なくて種籾が見えている部分に上から土をかけてみる。
水をやって、気温が上がってきたら出てきた、出てきた。
どんな状態でも、きっと今が精一杯。苗の声を聴きながらその時その時手を打って、精一杯今を生きる。
それでもやっぱりそわそわして山崎さん頼み。「あーですか、こーですか、どーですか?・・・」
「あーー、どうだろなーー、わからんなーーーーーー」
 「水やりすぎると下に根を伸ばさなくなる。足りなければ出てこない」
「ま、上が伸びてくれば下も伸びてるってことだ・・・・・・」
山崎さんがゆったりかまえて『わからない』と言ってくれると安心するから不思議だ。
50年やっても『わからない』ということが救いだ。
『わからない』から知りたくなる。『わからない』から可能性を信じられる。
 一年前の息子の脳挫傷騒ぎもそうだった。
主治医にあれこれ質問した時、「神様にしかわかりません」といわれた。
”脳”にはメスを入れることが出来ないそうだ。だから医学的見地ではこれこれだが究極『わからない』
そうなのか、わからないのか!!と思ったら突然勇気が出た。可能性に向かって全力疾走したっけな。
ずーっと昔のことのようだ。 その息子は今、コンビニバイトで社会復帰。はたらけ、はたらけ、夢中で働け。
母ちゃんも夢中で生きるよ、この一年を。 何が起きても後悔しないように。



 例年になく日陰に雪が残る5月 いつものように こぶしの花が咲く

        
         堆肥と炭を撒いたアスパラ畑にも アスパラが顔を出し始めた

  
   名前がわからないが きれいな青い鳥がやってきた


田んぼに水が入っていよいよ田植え時期の到来!
    
      我が家は 稲苗が やっと2葉ほどまでに成長 まだまだ
  

[今日」

2013-05-13 | 日記
ほとんど放置状態の牧草畑に麦を蒔いた。
水田さんが機械で粗起して石を拾ってくれたところを、夫がさらに細かく起こした。
そこへ水糸を張り、わたしが糸に沿ってかかとに力を入れて歩きながらくぼみをつける。
その後から夫が袋に入った種を大事そうに慎重に持って、数粒くぼみに落とし
その種に足で土をかけてゆく。  一列約15mを何回繰り返したか。。。。
この麦の種は、縁あって九州からやってきた。
春蒔く麦は草に負けてうまくゆくかどうか。。と言いながらやってみずにはいられない夫。
ただでさえ大忙しなのに、やってみたくてたまらない夫。
今までなら、(もーーー!ゼーッタイやめてほしい!)と心の中で叫んでいたが、さけびはなく、平常心。
ひとごとだ。 どこまでも夫の人生だ。 わたしのジンセイならここで麦は蒔かない。他にやりたいこと山ほどある。
しかし、気まぐれに、おもしろがって参加する分には積極的にひとのジンセイを使わせてもらう。
で、じぶんのジンセイなら絶対しない麦の手蒔き体験を2日もさせてもらった。 ひとのジンセイに感謝だ。  
と、角度が変わるとストレスレスだ。気まぐれに。面白がって。  これバージョンアップ効果だな。
ちょっと胸きゅんの詩をみつけました。
「今日」     伊藤比呂美 訳
今日、わたしはお皿を洗わなかった
ベッドはぐちゃぐちゃ
浸けといたおむつは
だんだんくさくなってきた
きのうこぼした食べかすが
床の上からわたしを見ている
窓ガラスはよごれすぎてアートみたい
雨が降るまでこのままだと思う
人に見られたらなんていわれるか
ひどいねえとか、だらしないとか
今日一日、何をしていたの?とか
わたしは、この子が眠るまで、
おっぱいをやっていた
わたしは、この子が泣き止むまで、
ずっとだっこしていた
わたしは、この子とかくれんぼした

わたしは、この子のためにおもちゃを鳴らした
それはきゅうっと鳴った
わたしは、ぶらんこをゆすり、歌をうたった
わたしは、この子に、していいこととわるいことを、おしえた
ほんとにいったい一日なにをしていたのかな
たいしたことはなかったね、たぶん、それはほんと
でもこう考えれば、いいんじゃない?
今日一日、わたしは
澄んだ目をした、髪のふわふわな、この子のために
すごく大切なことをしていたんだって



そしてもし、そっちのほうがほんとなら
わたしはちゃーんとやったわけだ
(ニュージーランドで伝わる詩。よみびと知らず)

訳者のいとうさんから
とにかくてきとうにやることですよ。ずぼら、がさつ、ぐうたら。
でもって、ときどき子どもを抱きしめてみることですよ。
あのやわらかくてすべすべのおなかやほっぺ・・・・・・
あ、かわいいな、と、それでいい・・・・・・・



 曇り空の中を 千歳空港へ降り立つ 旅客機が 飛んでいる

     
     つつじも咲きだした  北海道にも遅い春がやってきた


野にも小さな草花た咲きだした
 
     


久々の 春の日差しが・・・

2013-05-08 | 日記
        連休中日の目をみなかったが、終わった直後から 春の日差しが帰って来た。皮肉なものだ
        ここから見渡せる山々の頂きには 5月に入って降った雪が純白に見える。

伸びが遅かった羊たちのごちそうの牧草も 少しづつ青くなり 昨年12月初め頃から隠ぺいされていた畜舎から 
明るく広い天国のような 牧草地へ 解放され ハイジの映画のように飛び跳ねるこそしないが 夢中になって草を食み、
周りを見渡し、鶯などの鳥の声を聴き 春を 自然を満喫している様子だ
      
   ここへ来たときは 私などが近寄ると人嫌いなのか 逃げ惑う頭の黒い”メリー”は、今では仲間一番のお茶目な子となって
   とても かわいい存在だ。

       

            
    柳の木々には 淡い緑の新緑が 輝き始めた
 
         

人生はみんなで 楽しく

2013-05-06 | 日記
毎年この時期、強風吹き荒れる長沼地方。
そのうえ、気温が低く、、、4/29に蒔いた稲の種の様子が気になる。。。。

種まき当日も寒く、モコモコに防寒して作業に臨む。
いつものことだが、前日までばたばたと準備に追われ、へとへとになって
しかし、やればできるもんだね、内輪で自己満足しきっていたら、
「なーーーーんも準備できとらん!」と 当日山崎さんに叱られる。
あれも、これも、そこも・・・・ああそうだった
・・・そういえば思い出してきた。。。。あの板切れはここに使うんだったか・・・・・
マッタク!どうしようもないな、って顔の山崎さんも あきらめていつものニコニコ顔。
去年、あれだけ気合入れて、あれはどこに、これはここに、と細かく表示して小屋に片付けたそれらを
一年たったら、どこに置いたか忘てしまった・・・・・
それもみんなで忘れてる・・・・・
「よーし、今年こそ忘れないうちに 種まき機の調子のポイントや もろもろを図で書いておこう」
と 一同一致したのは一瞬だった。
(その書いた紙、ぜったいしまい忘れてそれ探すのが大変になる・・・・)となって やめた。
どれだけボケていても、そういうところは決してはずさないタイプのひともいる。
しかし悲しいかな、大かぶ族は行き当たりばったりタイプ。
たとえば、来た道をそのまま帰ることが出来ない。遠回りとわかっていてもわき道にそれてしまう。

来年のことは来年考えよう。と不得意分野の重圧から逃れて久しぶりに映画鑑賞した。
シアターキノで『カルテット』4人集まればお一人様千円につられ5人で行った。
75歳になったダステインホフマンが監督
引退した音楽家たちの(老人)ホームで起こる物語。クラシックとオペラの曲がいっぱい。
げらげら笑ってちょっと泣いて、40・50・60代の5人、各々老る勇気と希望をもらう。

  
    2013年の5月は 寒さと 雨 風 に翻弄されました
  予定していた農作業もできず 農家では 畑に移植する野菜 ビートの苗は大きくなるが その苗を植える畑を準備できない日々。

でも 風 雨 寒さにも負けず 自然の営みは 続いています 
       
 寒さの中 水仙は 蕾とつけ花を咲かせます じっと風に 耐えながら

    
 クロッカスも いつもを同じ場所に 同じ時期に 花を咲かせ 春の到来を知らせてくれます  

   小鳥も 大きな声をはりあげ 春を告げてくれます