大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

凄い

2015-04-27 | 日本を考える
ビニールハウスの中で越冬したルッコラがぐんぐん伸びて、放っておいたら花が咲き始めた。
死んでしまったのか?と毎年必ず思う山椒の木から新芽が出てきた。生きてた!!
やはり死んだように眠りこけていた山ブドウの蔓にも、ふっくらと新芽が付き始めた。
10年前瓦礫だった場所に今年はハコベがわんさか茂って圧巻だ。
ずっと川の淵に放置してあった木の切り株が、ちょっと触ったらバラバラと崩れて土と化した。
「時」が、ゆっくり静かに確実に全てを変化させてゆく、、、、
鏡をのぞけば 頭の左側だけだった白髪ゾーンがいつの間にか全体に広がっている。。。
ホウレイ線が見事に下あごに向かってくっきりはっきり行進中。
階段を駆け下りれない。。。駆け上るなんてとっくにしなくなったし、、、、
豆イカの煮つけにかぶりついた夫が噛み切れずに悪戦苦闘してるのを見て、本当に本物のおじいさん進行形。。。
あんまり言いたい事言うと可哀そうだな、、ふと仏心が沸く。 いいもんだ、自分の中に仏心があることが判明した。
ラジオで 「凄い」と言う字は「ニスイ」に「ツマ」と書くが、冷たい妻ほどスゴイものはない、外敵の比に非ずと昔からの教え、
と言っていた。がははははーー!たしかに、何よりもスゴそうだな。自分が男なら絶対家に帰れない!
好きで冷たくなるわけがなく、、原因と結果の法則が妻(女)を冷たくするのだから、夫(男)の反省の積み重ねの歴史が
人類の繁栄を下支えしていたのかあ~!? 女の我慢の歴史が人類を支えてきたと思いこんでいたが、ちがったあ??

           ああおどろいた、こんなふうに思うのも59年間の「時」の仕業だ。。。。






「老人海外協力隊」 スイスへ ④ 

2015-04-20 | 日記
>赤ん坊は、飲んで排泄して眠ってを繰り返しながら一日数十グラムづつ目方を増やした。
若い親たちは『増えた!』と喜び ある時には『増えてない』と心配になり、、、
検診日に 頭の形が右(左だったっけ?)にちょっと偏っている、と医者に言われれば
寝た子の頭をこまめに修正する。しかし当の赤ん坊は(おかまいなく)と向きたい方を向く。
♪みゅうみゅう♪フミャア~♪ふんぎゃあ♪ぎゃぎゃあー♪
赤ん坊は巧みな使い分けで欲求を伝えてくる。
娘が おっぱい? おむつ?とチェックする。
それが満たされているはずなのにまだ泣いていれば 暑い?寒い?痛い?痒い?
と ばあさんが手足に触ってみたり、服に髪の毛などが付いてないか、裸にして全身チェック。
それでも泣いている。 「どした?どした?」と抱き上げると泣き止んだりする。かわいいいいいいいーーーーーーーー!!!
 グーグルで育児情報をこまめにチェックしている婿さんが「ひわさん抱き癖付けないでくださいね」とくぎを刺してくる。
はーい と言いながら婿さん会社に送り出したら抱きまくる。かわいいねー!かわいいねー!一日中話しかける。
娘(たぶん婿さんも)は自分もめちゃくちゃ抱っこしてべろべろしたいけど、「この子のために正しい育児法はどっちなのか?」
揺れているのが見え隠れするが、親は親、ひとつひとつ迷って探っていけばいいからババは立ち入らず。
自分にできることは 今 この瞬間 かわいい!!大好きだよ!!!って感じてることを赤ん坊に伝えるだけ。
しかし、なんでこんなに愛おしいもんなんだろうな、、、、




春の水仙が咲きました。羊も放牧され、今春産まれた子羊は、牧草地を跳ね回っています。楽しそう



   畑には、浅葱が出番を待っています!



「老人海外協力隊」スイスへ ③

2015-04-15 | 日記

万が一予定日が遅れ、到着日に婿さんが空港に来れなかった場合等を想定し 
空港からのバスの乗り方や降りる場所などをはがき大のカードに書き、
60過ぎてアイフォンライフ 言葉の壁ものともせず 世界を飛び回っているたいちゃんに
聴きながら、翻訳機能アプリをケータイにダウンロードし、使い方を練習して備えた。
一人で他国に行くのは初めてだから、あの一番ドキドキする入国検査場でどうなるか・・
いざ自分の番が来て、女性の係りの人が何か話しかけてきたが何も聞き取れず・・・・
彼女の眼を見ながら首を左側いっぱいに傾げると ちょっと困りながら後方に向かって
「ジャッパニーズ!!」と叫んだ。 しかし後ろに日本語のわかる人物は誰一人おらず・・・
仕方なさそうに肩をすくめる彼女に、せめて、と思い ケイタイの翻訳アプリに入れてあった文章を見せた。
『チューリヒで暮らす娘夫婦と孫に会いに来ました。今日から2月28日まで滞在します、どうぞよろしく』
という日本語の下に、それを伝えるドイツ語が表示されているはず。もしもの時にと入れてあった。
彼女の表情が明るく変化しにこにこ笑って手を振ってくれた。 難関突破。ほっ、、、
時差が7時間の日本とスイス。12時間飛行して、こちらの今日11時発で あちら今日午後4時着となる。頭が混乱。
 成田空港でひわが無事チェックインしたかどうかを確認するため、夜中の3時まで起きていてくれた婿さんが
チューリヒ空港到着ロビーで待っていた。大勢の出迎えがいるのに、すっと目に入ってくるのが不思議だな。。。。。
たまたま成田空港で知り合ったチューリヒで一年の半分を暮らしているという年配の女性も、サンタクロースのような
りっぱな白いひげで赤いマフラーを首に巻いたおしゃれなお爺さんがお迎えに来ていた。
「では、ごきげんようお元気で」と別れたが、お互いの名前も知らず。。
そういえば、飛行機の中で 隣のシートの若い女の子は 永野花穂ちゃんと言った。21歳。
長旅だからなんとなく話していたら永野同士で「え~~!?」とお互い盛り上がる。
チューリヒで乗り換えてベルリンに行くという。バイオリンの勉強している恋人に会いに行くって言った。
彼女のおすすめの映画「グッドウィルハンテイング」を観ておしゃべりして、ウトウトして、機内食2回食べたら着いていた。
「外国の空港で乗り継ぐのは初めてだから心配・・」と言う彼女に、「あ、乗り継ぎあっちみたい、じゃあ元気でねー!」
と、空港の天井からぶら下がったゲートナンバーを認識した自分の口が彼女に告げている。
どこに行っても同じように、なんとなく解るようになっているものなのだな。。。だいじょうぶ、ばあさん強気になる。
ナオトーばあちゃん会いに来たよーーーー!!♪♪


「老人海外協力隊」 スイスへ ②

2015-04-04 | 日記

産まれる前、画数などさんざん考えていたが、それは「親」が決める事と口出しはやめた。
赤ん坊は”なおと”と名付けられた。 たしかお腹の中にいるときは”ゆうご”だったな。。。
どこでどうなったか分からないが、ひわの祖父さんが「玉直」弟が「直光」従妹は「なお」
”直”というひびきや文字には親しみがあり、偶然にしてはうれしいものだ、、、
と、思ったのは束の間、娘宅の居間に貼られた半紙には”乃緒東”と表されていた。
暦の24節気72候のなかの64候(12月の半ば頃)を 乃東生(なつかれくさしょうず)
と言うらしく、ウツボ草が生える頃、と言う意味だそうだ。
ウツボ草は夏至の初候の頃に枯れて、冬至のころに芽を出すたくましい草だという。
そこにあやかった と 娘。 我家の玄関前は 夏になるとウツボ草の紫色でいっぱいになる。
 ウツボ草ってそんな存在だった事を初めて知る。偶然にしてはうれしいものだ。さらにもう一度思う。
  スイスに発つ前にケイタイに送られて来るナオトの写真はどれもヘンテコリンな表情のものばかりだったので
無事に生まれて来てくれただけで充分で、顔の造りには何の期待もしてはおらず。。。
ましてうまれたての新生児ならサルのようでも犬のようでも何でもいい。。。
しかし、小さくて赤くて頼りなさそうなその塊と対面したその瞬間
   「なおと~~♪ば~ばですよ~~~~~~!!かわいいねーー!かわいいねーーー!!」
と頭のてっぺんから普段のトーンを数段階飛び越えて発音する自分の声が絶え間なく鳴り響く。
「ばーばですよー」って。。。。。今の今まで一度だって思った事も、言った事もない言葉が突然機関銃のように出る。
2ケ月半の一日も欠かさず、朝から晩までその言葉が何度口から出たことだろう。
こんな小さな、みゃあみゃあと泣くだけの存在が なんで自分をこれほどやさしい気持ちにさせるのだろうか。。。。。