大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

台風去って。。

2017-10-29 | 日記
台風は気が緩んだように抜けていったが
二冬もそのままにしておいた寒さよけに窓に張ってある
ビニールをボロボロに剥がした。被害総額2000円!!
一冬使えば取り替えてきたが、このところ夏がそれほど暑くなく
外仕事忙しく家に居ないので、劣化して破れてくる個所を
その都度テープで補修して、張り替える面倒さを避けてきた。
横着を棚に上げ、ビニール代節約する賢妻の仮面も剥がされる。
(誠にもうしわけありませんでした・・)改ざん疑惑の面々に倣い謝罪。
窓を開け、桟に溜まってカサカサになったトンボやカメムシ、蝶々など2年分を一掃した。
普段は手も気も届かない天窓を拭き、ストーブの煙突の上に溜まった埃を払い、蜘蛛の巣を取る。
(この中で息していたのか。。)見て見ぬふりしてきた現実を直視し絶句。
《埃じゃ死なず》という一言を盾に人生走ってきたが、そろそろチェンジしたい、するぞ、できるかな。。。
いくら心根美しく、腹白だけが持ち味だとしても、その真髄の内側は夫にさえ認識されず。
目に見えて増すシラガとシワと腹から投げる直球型暴言女なら老後はさらに心はひとりぼっちだ。
どうせひとりぼっちなら、毎日ピカピカの窓越しに庭を愛で、蜘蛛の巣の無い天井の下で靴下を編む。
埃のない空間を自身に用意することが誇りと胸をはれる自分になりたい。なるぞ。なれるかな。。。。
大きな意識転換のチャンスを置き土産にして、台風はしゅるしゅるーーーーと去った。

上手に

2017-10-22 | 日記
日曜の午前中は天気も良く道の駅の駐車場は満杯だった。
国道から家まで続く砂利道は落ち葉の絨毯。真っ黄っ黄!!
紅葉のアーチの中、落葉を踏んで進む。秋だ秋だ♪♪
霜が降りて、え胡麻は実が熟す前に真黒にうなだれて全滅した。
3~4m伸びた菊芋は先端に黄色い花をつけまだ踏ん張る。
直径5㎝もありそうな太い茎が根っこに栄養を渡しきりスカスカ
になってパタンと倒れたら芋を掘り出す。それまでもう少しだ。
午後、台風が(これからお邪魔しますけど。。)と言いたげに
強い風を吹かせはじめた。(やっぱりくるのか暴れん坊将軍。。)
ハウスの中も倉庫も家の周りもキミがぶつかってつまずかないように、片ずけてある。
しゅるしゅるしゅる~~~~!!って上手にに通り抜けて行ってチョーだい!!!お願い!!!

妹よ

2017-10-16 | 日記
マオイ山はいきなり色づき、紅や黄色のモザイク模様。天の芸術。
遠くの山は白。里に霜が降りるのは時間の問題となる。
そのまえにハウスのトマト・ピーマン・なすを採りきる。
霜に当たればたちまち傷んで堆肥場行き。
まだまだ花を咲かせて生きる気満々の野菜たちだが、
「はいはーい、こんどは倉庫でゆっくりじっくり美味しくなるんだよー」
四の五の言わせず引導わたす。収穫完了。

妹どうしてるかな?久しぶりに電話をするがウンもスンもなし。メールの返事も来ず。。。。
姪が連絡取り付けて「生きてた。色々あったらしい。。」
(姪の電話には出て、姉の電話には出ないのか・・・悩みあるなら姉ーちゃんに言ってよ)と思う。
妹は時々電話で話しを聞く限り、職場や周囲に気を回し過ぎて疲れてしまうタイプだ。
それ聴きながらネーちゃんはカッツカッツカーー!!と水戸黄門笑いして「いいね」と言う。
悩んでる暇もないほど切羽詰まった状況には至っておらず「いいね」余裕あるね、という意味だ。
何をどう訴えても前向きな話にしかならず。。。。考えてみれば最悪の相手だ。
よっぽど疲れて落ちるだけ落ちていきたいときに、この姉にだけは近寄りたくないだろう。。。
と想像した。よっぽど落ちてるんだな。。放っておいてやるか。ぐぐっと成長する時だ。妹よ。
しかし、なんで自分はこうなんだ・・・人の悩み聞けば聞く程笑いとばしてしまう。。。。
人生の中で一番苦戦を強いられた30年前の自動車教習所ではバックが出来ず、、、前進は得意。
で、左折時はちゃんとまがりたくて直角になりいつも教官に叱られた。実は不器用で真面目なのだ。
色々あり過ぎて笑いとばさなければ生きてこれなかった。。。と振り返る。

自分にしかできない事。。

2017-10-08 | 日記
秋、深まってきました。
玄関を出て数歩あるけばトンボが顔や体にぶつかってくる。
家に居ればぶーーんと羽音鳴らしてカメムシが飛行中。
向側の蜂屋さんのミツバチ数匹が集団から離れてふらりと
遊びに来る、、どこにでもいるんだな、集団になじめないタイプ。
久しぶりに穂別の山奥から大久保さんが来た。
「熊の親子に出会ってさ、パンパンパン!と手を叩いたら逃げたよ」
ここ数日熊に襲われた人のニュースが飛び交っているが
裏山に棲む熊と大久保さんは昔からこうしてお互い共存してきた。
大久保さんの畑に来た熊の親子はそのあと隣りの畑に行き、隣りの人が猟銃会の人に連絡し撃たれた。
「熊のえさの山ブドウやこくわなどが成長するためにからみついていく木を人間が伐採してしまい
結局熊のえさが山に無くなり里の畑に近づいてきてこういうことが起こる。
「だから俺、わざわざ山ブドウやこくわの苗をあちこちに植えてるんだ。」
大久保さん鼻息も荒々しく自分を含めた愚かな人間たちに対するやりきれない憤りをひとしきり吐く。
憤りは東京湾を行き交う船の船底に塗られている有害な塗料の毒の中で泳ぐ魚たちのことや、、、、、
「だっからさ、ヤマトがイスタンダルに行ったっしょ!!」
え?なになに??
宇宙戦艦ヤマトの事だった。すでに、40年前から警鐘をならしていた人たちがいたにもかかわらず
我々人類は、原子力開発の根本解決の方法も持たずにここまで来てしまった。。。。
という事を足踏み鳴らしながら熱く語る大久保さん。
「俺、来年70さ。結局反対の旗振ろうが、座りこもうが、どうにもならないさ。
それなら、自分にしかできないことやる。最後まで生きようとして生きることやめない。
まずは黒焼きニンニクつくって食うんだ。うんめーーーーぞーーー!!!」
そだそだ、そのとおり!やりたいことやりたいだけやってゲラゲラ笑って死ぬまで生きる。

かけがえのない各々の世界

2017-10-01 | 日記
いつも、すっかり取り残されたように稲を刈る大きなかぶだが
今年は、周囲と足並みそろえてコンバインが走る。
種類別に刈って乾燥して籾摺りして、また次刈って、、
夫が一人で淡々と、黙々と、自分のペースで作業を進める。
毎年すこしづつ段取りも進化している。。。ように見える。
妻は、夫の没頭する神聖な遊びの時間に立ち入らず。
頼まれれば、気持ちよく引き受けるが、めったに声はかからず。
山崎さんも80歳過ぎまで一人でこの田圃で米作りを続けた。
倉庫の中は、こちら側でひもを引くと奥にある電源のスイッチがONになりハウスに水が出たり、、
二階で籾摺り作業しながら一階の袋詰めがどのくらい進んだか確認する鏡や、置いてあるちいさな
板切れの意味やこの棒がここで活躍するのか!など驚きがちりばめられた山崎宇宙空間だった。
夫もけっこう細工好きだ。せっせとジョイフルに通ってはそのことに没頭する。
(その時間かけてそれするならそこにあるそれ使ってこうした方が。。。)と妻の腹は言いたがるが
《そういうことではないのだ》ということが最近ようやく腹に落ちて、にこにこと見ていられる。大人になった!!
靴下ばっかり編まずに今度はセーターにしろとか、あーだ、こーだと自分の世界ほったらかして
こちらのの世界に立ち入られたらかなわない、、と想像したら(そうだな)と容易に理解した。
もう時間が無いのだ。。。。かけがえのない平凡な一瞬一瞬を今日も充分味わい尽くした。