娘が結婚した。身内だけの式と宴に夫と静さんとわたしが招かれ東京に出向く。
娘も息子もふつーに結婚式を挙げるような結婚は たぶんしないだろうと思っていたから
一生着る事無かろうと思っていた留袖を 娘と婿さんが用意してくれて母も晴れ姿。
その一日だけは、大口開けたばか笑いを慎み、口元を横ににいーーーっと伸ばして
いたら顎と首がコリコリになる。写した写真はどれも首筋が突っ張っている。
白無垢の衣装を着た娘も 普段の素っ気ない素顔とは打って変わって、
花嫁らしく、慎みをたたえた華やかな笑顔で集まった人々を幸せな気持にさせてくれた。
それよりなにより、娘の父である元の夫が、娘が北海道で世話になっているお礼がしたい
と、前日東京入りしたわたし達に食事をご馳走してくれた。
夫と同い年の彼は、私と別れたあと10歳だった息子を再婚せずに男手でひとつで育て上げた。
男親がひとりで子供を育てるのは苦労だろうが、ひとりぼっちなら生きる張り合いを失うだろうと息子を託した。
私が娘を引き取って暮していたが、新得中学校卒業と同時に横浜の高校に入学し、大学卒業するまで彼が娘を育てた。
娘の結婚式の前日、息子を交えて5人で食事をしながら、子育ての苦労話に花が咲く。
反抗期の息子と体を張ってやりあったと彼が言えば 「さとしが学生の頃とおんなじです!」と静さんが同調、同情する。
人生上にこんな場面設定ってあるんだなあ・・・・と映画を観るように見ている自分。
あれほど父に反抗していた息子が 今はその横でニコニコしながら料理をほおばっている。
「家を出て行け」と引導を渡された時の息子が、父を軽蔑し憎み、その思いをぶつけてきた時、たった一度手紙を書いた。
『父さんは、母さんを一番最初に父さんの枠から解き放ってくれた。そして母さんは本当の幸せに巡り合えた。
今、父さんはお前を解放しようとしている。おまえは自分の力で幸せになっていく時がきた。
父さんはみんなを自分の枠から解き放ち、自分の幸せを一番最後に設定して生きてきたんだよ』というようなこと・・
自分の父親を軽蔑して生きていく事は自分自身を軽蔑することに他ならない。
それだけは何としても避けねばならない。妻だった自分の事は棚に上げて親としていのちがけで訴えた。
その手紙に生まれて初めて息子から返事が返ってきた。「わかってるよ、父さんには感謝してる」
「・あ・そうなんだ・・」その息子もようやく人生を共にする女性とめぐり合った。
夫と私と静さんは、若狭芋の菓子折りに上野の森の神社で買い求めた”縁結び”のオフダを添えてお礼を言った。
「やあーありがとう!やっと肩の荷が降りて良いことが待っていそうな気がしてきました」と言ってもらってじわっときた。
結婚式場前にて
大きな土瓶だね
立派なお庭
稲穂を油で揚げたポップライス の料理
娘も息子もふつーに結婚式を挙げるような結婚は たぶんしないだろうと思っていたから
一生着る事無かろうと思っていた留袖を 娘と婿さんが用意してくれて母も晴れ姿。
その一日だけは、大口開けたばか笑いを慎み、口元を横ににいーーーっと伸ばして
いたら顎と首がコリコリになる。写した写真はどれも首筋が突っ張っている。
白無垢の衣装を着た娘も 普段の素っ気ない素顔とは打って変わって、
花嫁らしく、慎みをたたえた華やかな笑顔で集まった人々を幸せな気持にさせてくれた。
それよりなにより、娘の父である元の夫が、娘が北海道で世話になっているお礼がしたい
と、前日東京入りしたわたし達に食事をご馳走してくれた。
夫と同い年の彼は、私と別れたあと10歳だった息子を再婚せずに男手でひとつで育て上げた。
男親がひとりで子供を育てるのは苦労だろうが、ひとりぼっちなら生きる張り合いを失うだろうと息子を託した。
私が娘を引き取って暮していたが、新得中学校卒業と同時に横浜の高校に入学し、大学卒業するまで彼が娘を育てた。
娘の結婚式の前日、息子を交えて5人で食事をしながら、子育ての苦労話に花が咲く。
反抗期の息子と体を張ってやりあったと彼が言えば 「さとしが学生の頃とおんなじです!」と静さんが同調、同情する。
人生上にこんな場面設定ってあるんだなあ・・・・と映画を観るように見ている自分。
あれほど父に反抗していた息子が 今はその横でニコニコしながら料理をほおばっている。
「家を出て行け」と引導を渡された時の息子が、父を軽蔑し憎み、その思いをぶつけてきた時、たった一度手紙を書いた。
『父さんは、母さんを一番最初に父さんの枠から解き放ってくれた。そして母さんは本当の幸せに巡り合えた。
今、父さんはお前を解放しようとしている。おまえは自分の力で幸せになっていく時がきた。
父さんはみんなを自分の枠から解き放ち、自分の幸せを一番最後に設定して生きてきたんだよ』というようなこと・・
自分の父親を軽蔑して生きていく事は自分自身を軽蔑することに他ならない。
それだけは何としても避けねばならない。妻だった自分の事は棚に上げて親としていのちがけで訴えた。
その手紙に生まれて初めて息子から返事が返ってきた。「わかってるよ、父さんには感謝してる」
「・あ・そうなんだ・・」その息子もようやく人生を共にする女性とめぐり合った。
夫と私と静さんは、若狭芋の菓子折りに上野の森の神社で買い求めた”縁結び”のオフダを添えてお礼を言った。
「やあーありがとう!やっと肩の荷が降りて良いことが待っていそうな気がしてきました」と言ってもらってじわっときた。
結婚式場前にて
大きな土瓶だね
立派なお庭
稲穂を油で揚げたポップライス の料理