大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

こころひとつ

2017-12-26 | 食生活
今年最後のお届けとなりました。
一年間ご利用いただきましてありがとうございました!!
毎週ご注文頂くたびに、皆さんが家族の健康と笑顔のために
台所で奮闘している姿を想像しながら荷造りします。
(さつまいも、丸ごと焼いて子どもたちのおやつかな?)
(それなら小さいのが沢山の方がいいかな?)
などとひわばあさんの妄想荷造りですから「大きいほうが良かった―」
という事もその他諸々多々あったでしょうけれど、
皆さんの深い愛と許しに支えられ、嬉し楽しく荷造りさせて頂きました。

しかしながら、ますます混迷きたすニッポン国。
いのちの宿る、当たり前の米や野菜と本物の調味料で精神と肉体を整え、
各々の立場において、いつ何が起ころうとも、
じぶんと家族と友人知人お隣さん、袖擦り合ったその人と、
心をひとつに寄せ合えば、知恵と希望が無尽蔵に湧き上がる。
一瞬一瞬の決断に愛と勇気を散りばめて、笑い声響かせ共に乗り越えていきたいものです。
じいさんもまだまだ気だけは丈夫です。
米作り、豆作り、野菜作りに情熱大陸まっしぐら。

みなさん、大きなかぶを来年もどうぞよろしくお願いいたします!!

天使の手

2017-12-17 | 日記
気温は低く、畑の雪の上を軽トラで走っても埋まらず。
今年は鹿が食べた形跡無く、(食べないで!!)と直談判の念が
効いたか。。。と思いきや、畑に積んで乾かしていた大豆の山が崩され
一山の半分ポリポリと食べられていた。
(あれだけ念飛ばしたのにな、、、積んであるのは食べてもいいと思ったか??)
「山にいよいよ餌がなくなったんだべさ」夫の意見。(そだね、、、)
量子農法確立に向け、らいねんこそシッカり、鹿があきらめるシカないこと強く念じるぞ。
ま、今年はシカたない、、
このまま雪が深くなれば畑に入ること出来ず、残った豆を運べるかどうか。。
しかし、気温が下がり軽トラであっけなく農場のハウスに運ぶことが出来た。
マイナス気温が味方になってくれたのだ。まったく、どこまでも綱渡りの大きなかぶ。
そういえば、豆刈りの時には雨が草を倒し豆だけを抜きやすくし、そして風が豆を乾かし、
そこへ雪が降って気温が下がり
作業は数倍もはかどる流れとなった。。。天の裏ワザがあっての事だったか。。。。
上から眺めていたら、ハラハラして見ちゃおれず。。
あの手この手を貸してくれているんだ天使たち。
それにも気づかず、じぶんたち人間の「手」ばかりを賞賛してしまいました。
  ユルシ手ネーーー

縮図

2017-12-15 | 日記
ふと気づけば本格的な冬景色。
朝一番に外の空気を吸い込む。うまい!うまい!!
昼の陽の光の中でからだいっぱいに息を吸い込む。ああうま。。
夜、温泉で温まった身体が外の空気を吸い込み、ううう、、うまい、、
冬の空気は大ご馳走。生き返る。
若い雄犬のクロベは小屋はあるのに外で寝る。
若くない雄犬タチは家の中の土間で寝る。
一晩過ごすにはさすがに暑いのか土間のあちこちを掘り返している。

冬になれば家の壁の中で大運動会するネズミが今年はひっそりだ。
秋の終わりに裏玄関の隙間を夫がふさいだのが正解だった。(毎年あそこから侵入していたのか。。)
しかし、時々すすすーーーっと小さな小さなものが部屋を横切る。(!!!!)
チューぺったんを「ここ」と定めて置くが絶妙にかわす。
今日、椅子の上の座布団をどかしたら、その下からモミガラが出てきた。
選別をしている黒米の中からはねた籾のついた米を運んで食べた跡だ。
くず米の場所から椅子までは3メートルは離れているというのに、、
袋から籾をわざわざ椅子の上に運んで食べている。
倉庫の南瓜なども種をせっせと椅子の上に運んで、そこで食べている。
倉庫の土間の上にぎっしり立てて並べてある白菜を、芯の甘い所をめざして洞窟の様にする。
何気なく奥まった丸丸といかにも美味しそうなものを選んでいる。
あんまり見事な食べっぷりで、(ほんとうに旨いんだな。。。)と感心する。
しかし、これ以上の侵略はご遠慮いただきたく、ネズミ取りにリンゴやジャガイモをつるす。
白菜の一つや二つかじられただけで相手を排除したくなる気持ちが出てくる自分なんだな。
白菜は自分のモノと思っているのは自分で、ネズミにとってはそこにある食糧。
ただ、今を、この白菜、この南瓜でいのちをつなぎ家族と生きているのだ。。。
「今年のどこどこの倉庫には何々が一冬分ある。」と各々の情報網をキャッチしつつ
子だくさんのネズミは大かぶ倉庫へ、ひとりものなら畑の残りもので、、なんて仕組みなのか?
今年も倉庫に食事に出かけたっきり戻ってこない友達が何匹もいたが、、、
お父さんやお母さんが戻ってこないうちだってあるだろう。。。。。
命がけで生きるネズミの立場を充分想像したあと、、
「自分の立場」にもどり淡々とりんごを仕掛ける。

日常に潜むこのゲームに「ヒト族」の意識が飽きた時、新次元の扉が開くのか。。。
大きなかぶとネズミ族の長い間の対立関係の改善緩和成るや否や。。。
きんぱくする世界ジョーセーと共にかたずをのんでみまもる。内なる自分にアンテナをたて。











Tさんのこと Ⅱ

2017-12-04 | 日記
連日気温が低く、うっかりその辺に置いた倉庫の白菜、キャベツ、大根
凍っている。設定温度10度の冷蔵庫を開けたら暖かくてほっとする。
菊芋がようやくパッタリ倒れたが土が凍っていてスコップが入らず。
掘り出すのは春になるのか。。。。。
畑の大豆をとり終わってほっと一息。気を抜く間もなく次は脱穀。
カラカラに乾いたものから脱穀機にかける。
(ことしは小粒納豆だろう)と背の低い大豆を抜きながら思っていたが
そこそこ大粒だ。よくぞ育ってくれたものだ。
一枝一枝を目視し、触れて、瞬時に(あ、おいしそう)と感じる枝とそうでないものがある。
背は低いながらも鞘はぷっくり膨らみ、寒風で乾きカラカラと音がするものはすっと土から離れる。
まだ茎に水分が残り鞘が平たいものは土にがっしりとしがみつき抜けてこない。
(ああ、、まだ親(土)を必要としているのか、、、、)とそれは抜かずに置いてゆく。
(君は土にお還り)
マメはわかりやすいが、人の成熟度なら全く見当つかず。。。

半年前、突然恋に落ちたTさん、めでたくすみやかに離婚成立、粛々と時を過ごし、ご入籍と相成る。
新居をどこに、墓をどうする、入籍は是か非かあれやこれや、、、
想像しただけで体力気力使い果たしそうな難題を 65歳と70歳みごとに乗り越え、晴れて人生の再スタートを切る。
一番気がかりだった子どもたちや兄弟姉妹の心情への配慮。
しかし、反対者おらず祝福される。自分が周囲を思う以上に周囲はTさんの幸せを心の底から願っていた。
「子供たちの父親とは”友達”になったの。離婚届出した夜10年ぶりに二人でビールで乾杯した。
長い間のわだかまりが消えて素直になれた。一人の老後は心配だから近くに住んで時々様子見に行く」
「入籍を決断したのは、何かあった時「妻」じゃないと病室等に入れない事あるらしいから、、」
「もうおじいさんなのよ、かれ」「ヨロヨロしてるからおじいさんひとりで置いておくのはしんぱいで、、」おじいさんを連発するTさんが、ふたりで野菜を買いに来てくれた。
おじいさんと呼ばれるK氏、細面のハンサムな紳士。目が澄んでいる。小柄だが長年登山で鍛えた体はきりり。
こりゃあTさん、惚れちゃうよね。って心から祝福の気持ちが湧いてくる。
世間の噂話なら「ふーん」で終わったろうが、離婚・結婚両届出書の証人としてサインした者として彼女の生き方の一端に関わらせてもらい、いくつになっても、どんなことにも勇気を出して真っすぐに自分の幸福を追求してゆくことこそが若さと美貌の秘訣だと確信。
女は勇気、野菜は有機。。。