大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

男手はネガッタリカナッタリ

2018-11-26 | 日記
木曜日、町内会のいよ子さん(80代で数年前他界)が、バイクに乗って
雪の道路をさっそうと新聞配達している夢を見る。
(やけにリアルだな。。。)とおもいながら、、眼を開けると外は真っ白。
いよ子さん雪の知らせに来てくれたか。相変わらず働き者だな・・・・

先週日曜、夫が釧路から帰って来る前に大根ぬかなくちゃ。。。
ご飯支度しながらそわそわしていると、「明日は雨ですから今から3人でやりましょう!」
東出さんと大豆落としをしている圭太が嬉しいこと言ってくれる。
昼飯作った甲斐があった!
粘土の畑の大根抜きは、力がいるばかりか泥落しに時間が掛かる。
男手はネガッタリカナッタリ。
畑に行くと、去年の作付け面積の3倍はありそうな大根が葉っぱを揺らしてニヤニヤしている。
長ネギ農家の助っ人で鍛えている東出さんの動きはまるで機械のようだ。
圭太もやっとついて行く。
二人がどんどん抜いてくれるのを袋に入れて、用水路沿いに止めた軽トラに積んでいく。
荷台に満杯になって、圭太の軽トラにも満載になって、、そろそろ夕暮れてきたころに夫登場。
「とおちゃんは無理しなくていいから!」「そうです、サトシさん僕たちに任せて下さい!」
小さい時から股関節不全の夫、こういう仕事は不向き。
機嫌よく、あと10年は働いてもらわねば。。。
夫の車にも大根が満杯になって、あたりが真っ暗になったとき、大根抜き完了。ほっ・・・・
『チーム東出』圧勝! ばあさん一人なら2日掛りだった。。。。
大根たち倉庫で眠りこけ、冬の間ゆっくり美味しくなりながら、人の身体を下支えしてくれる。
頼むよ~~

息抜き

2018-11-18 | 日記
14日夜、ドン!と床が鳴った。寝そべっていた雄犬のタチが飛び起きた。
(地震かあ~~?) やっぱり地震だった。。。。犬、敏感。
ごーーっ!、ごごーーーっ!、、、、(なんの音?)
土間の薪ストーブの前で爆睡しているタチのイビキだった。犬、平和。
家の前を通りぬける車を、毎日、毎回、全力疾走で追いかける。
何度でも、何度でも追いかける。  犬、一日中退屈知らず。

金曜日朝、「大根全部抜けよ。白菜取り切ろよ」と言い残し、夫が釧路の法事に出掛けた。
「ほいほーーーい!」と良い返事をしておいて、運よく予約が取れた髪のカットに出掛ける。
森の中の小さな美容室。椅子が一つ。完全予約制。2、3ヶ月に一度お世話になる。
あれ?なんだか美容室周りの森の中がスカスカして景色が今までと違って見える。
台風の仕業だ。。。。
「あの夜、庭の柳の大木が根こそぎ倒れて家を直撃したんです。」「あらまあ!!」
直径50~60㎝は有りそうな、チェンソーで切られた丸太が庭に並んでいる。
「家の中、雨漏りして来て。。保険がおりて少し安心です、、
そのお金で暮れに温泉行きたいけれど、修理代いくらかかるんだろ。。」
堅実で頑張り屋のサチコさんがあれこれ気苦労しているのが愛おしい。
「家族で温泉行ってきなさいよ。毎日こんなに一生懸命仕事して、
3人の子育てして、家事もして!!」
「そうですよね、、いいですよね、、、たまに家族でゆっくり温泉に行きたいって思っても・・・・」
「当たり前でしょ!修理代くらい二人で働いているんだから何とでもなるよ!」二人して目が潤む。
ご主人が脱サラをして新しく事業を始めたばかりということもあり、自分がしっかり支えなければと、どれだけ気を張っているのだろうかと推測するが、妻として不安や心配は当たり前。
彼女がご主人にも背中を押され、自宅で小さな美容室を開いてからもう5-6年経つだろうか。
夏休み等には入れ替わり顔のぞかせる子等の母としての顔もみせるが、娘のように思う存在だ。
髪を切ってもらいながら、その時々、さまざまな話しをしながらすごす時間はとても楽しい。
きれいにしてもらって、「ひわさん、今日はこれから何するの?」と聞かれ
雨降りそうだし、この足で大根抜く気にはならず「友達とランチ!!」「まあ!すてき!」と送り出される。
ひひひ、ア~ちゃんとランチの約束済。今日も段取り良し。息抜き息抜き♪

我がままでよい

2018-11-11 | 日記
目の前のマオイ山が、モコモコからスカスカになり、隙間から空が見える。
美しかった赤や黄色の葉が茶色くカラカラになり、いよいよ枝を離れる。
小さな風の力を借りて、「えい!」とダイビングする。次々に飛ぶ。
根元やその周辺に着地し、雪の布団で眠って目覚めれば、、、、
身体はもうどこにもなくて、、、、次の葉を育てる任に就いている。
シンプルで、潔く、愛情深く、、、葉っぱのように生き切りたいが。。。
60ねんも生きていると、、、、惰性、慢性、ああせい、こうせい、、、
逝ってせいせい、生き長らえば、はよせい、といわれそうだな人間界。
だから、思い切りわがままに生きていく。好きな事だけして生きる。生きたい。生きれるかな、、、、、
(もう充分に我がままだろう。好きな事しかしていないだろう。腹が片腹押さえて笑い転げた。ソダネ、、、)

美と知恵の結晶

2018-11-05 | 日記
雨降りが止んで数日快晴。
山の豆畑に行くと鹿が食べ残してくれた豆が照れくさそうに待っていた。
(俺たち来る者拒まずだからな、、、)豆のお頭が腕組みして言い訳する。
(いいよ、いいよ、全部食べずに、この位残してくれたんだ。。。)
機械を入れるまでもなく、手で一枝づつ抜いて鹿のお情けを頂戴す。
今日まで収量が多かろうが大金持ちにもならず、少なかろうが死にもせず、、
どっちに転んでも、なるように成り、いちいち気にしなければ幸せだ。
今日も、温泉につかり、有るもので腹を満たし、ちょっと酒など飲み。
テレビのスイッチ入れれば過酷な世界情勢のあれこれが否応なく目に耳に飛び込んでくるのを
暖かな部屋で他人事のように眺めている、この現実はどこから見ても不幸からはほど遠い。。


米の配達に行くと頭にインド人のように布をオシャレに巻いたSさんがニコニコしている。
「これTシャツ巻いてるだけ、、あと、ほら、、」白いトレーナーの袖口から覗いているきれいな赤は古いセーターを10㎝位に短く切りっぱなした手首カバーだった。
「たったこれだけで温ったかいの!」
あら、ステキーーーー!!私も見てーーーー!! っとズボンのすそを膝までめくり上げる。
はきごこちが良くて15年はいて膝が抜けた。
古いクタクタの木綿の手拭いを裏に4枚縫い付け全体を綿の太い糸で縦にステッチを入れたら蘇った。あと15年、、死ぬまでお世話になるぞ。。。
あはははーーー!!!! お互い大笑い。
日常の暮らしから無尽蔵に湧いて出る美と知恵の探究の結晶。無限の喜び。。。。