大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

草引きから~ミクロの世界へ ?

2010-05-30 | 日記
周りの田圃に水が入ったと思ったら、大型機械であっという間に田植えが進む。
父さんが一人乗った大きな機械で、大きな田圃にビュンビュン苗が植わる。
大きなかぶの小さな敷地の草だらけの一面にしゃがみこんで頑固な牧草の塊りから
2-3本づつ草を掴んではぶっつぶっつと引きながら前進する自分は化石の様か・・・
せめて鎌でも使え、と出面のおばちゃんなら親方に散々言われるところだろうが、
じぶんチだもの、誰にも何も言われない。ここはじぶんが天皇。亭主は関白。
去年は鎌を使った。草を取り除くことを目的にしたからそうなった。
ことしは何かの拍子に、伸びた草の下に広がる世界を見てしまった。
去年の枯れ草に守られて、様々な小さな葉が大きな草の根元で息づく世界。
白いスミレの群れ、秋に赤い花が咲くヤブカンゾウの群れ、すずらんの群れも海底文明のごとく存在していた。
大きな草の間から差し込む太陽の光を受け取り、自分のやれることを当たり前にやって花まで咲かせていた。
それに魅せられ連日しゃがみこんではその世界を鑑賞し、ついでに大きな草を引く。そして海底文明浮上。
2年ほど前から、根っ子が大きな塊りになる牧草に代わって、チガヤが勢力を伸ばしはじめた。
チガヤは地面の浅い場所を一列に手をつないでぐんぐんどこまでも伸びてゆく性質で、あっという間に畑に広がる。
「絶対ここを動かないぞ!」「おー!」と仲間で腕組みして踏ん張る姿勢の牧草から、「離れていても私たちはひとつ」と
根元でしっかり繋がっていて、地上ではそよそよとしているチガヤのスマートさは、時代の変化を告げているのか。
先週、畑にまではびこってきたチガヤを抜き始めると、どこまでも伸びる根の周辺はふかふかの土になって耕され
太いミミズが絡まっている。ミミズを狙うメンドリに気付かれないようにすばやく土をかけた。
土中の微生物は、植物の根から出るミルクを飲んで元気に働くって何かに書いてあった。どこまでも続く長い根は母だ。
人目に触れない所で、淡々と自分の仕事している存在って、まぶしくて、憧れる。チガヤのこと誤解してたな。
 夕日の中 小樽方面の山並みを観ると キレイだなア・・・・
まずは 田圃を耕して  硬いなあ!!

 田圃に水が入りましたよ!
 そして 今年は 手と小間ざらいで代かきを、体がガタガタ言ってるよ フウ!

マツユキ草

2010-05-23 | 日記

     マツユキ草(スノードロップ)2010/写真小川道子

この、美しい花は、札幌東区の小川道子さんのお庭で、今年の3月20日に雪の中に咲いたマツユキ草です。マルシャークの「森は生きている 12月のものがたり」でわがままな女王の贈り物にする花を真冬の森の中に採りに行かされる女の子が、森の奥で12人の月の精たちと出会い、一時間だけ4月の月からもらったマツユキ草をかご一杯摘む。。。大好きなお話。
小川さん自身もこの物語が大好きだそうです。ご自身が主宰し脚本を書く、演劇集団「グループ森」で何度も何度も上演し、
20年前京都の苗屋さんから取り寄せて植えたこの花が毎年こうして札幌の雪の中で一ヶ月も咲き続けるのだそうです。

詩は小川さん句は小川さんのお母様です。  写真では、読みにくいですね。以下に記します。

まずは 生きてみようよ
生きてみることが大事さ
生きていれば
季節がめぐるように
人生の四季だってめぐるものさ
自然界の花だって
秋に植えれば春には咲く花もあり
土の中でゆっくり成長して
何年もかけてやっと咲く花もある
土の中できっと思っているのさ
生きていればいつか咲くさ、と

誰かが言っていたよ
「時間がたつと、人は強くなれる」ってね
「今日と明日ではまわりも変るし
自分も変るはずだから」って
それからこうも言っていた
「すぐに幸せになれなくても
ゆっくり幸せになればいいんだよ」ってね

今日と明日では
変わり方は目に見えないかもしれないけれど
時間が それを見えるようにしてくれる日が きっと来る

だから まず 生きてみようよ
自分のために
愛する人たちのために


句 『旅立ちの季節未踏に立ち尽くす  和子 』

迷余会員?!

2010-05-23 | 日記
今年もそろそろ始まるなー、裂き織り教室。
相変わらずレース編みに夢中で、織りの欲求は来ず。。。。
去年は、のぶこセンセイが「あなたは織らなくても私の生徒です」と葉書をくれた。
今年は、生徒たちみんなに来ているらしい日程の葉書が私には来ない・・・・・・
新しい生徒も増えるらしいから、織らずに弁当だけ食べに行くのは気が引ける。
去年一年間、弁当持って編み物して、いっぺんも織らずに月謝も踏み倒した。
『恥的障害者』と認定され居心地がいいのでふと気付いたら、そうなっていた。
今年はいくらなんでも、そんな甘えとわがままは自分自身がユルシマセン。
と、思っていた矢先、のぶこセンセイがかずちゃん運転の車でふらりと遊びに来た。
風邪でひどい熱があるらしく「すぐに帰るからね」と言いながら、喋って飲んで足湯して、ぐーぐー昼寝して夕飯食べて
結局そのまま一晩泊って、朝ご飯ばくばく食べて「あーー!風邪治ったーーー!」と帰っていった。
そしてこのたび、なぜか「ひわちゃんは私の教室のメイヨ会員としてデンドウ入りとなりました」との電話を頂く。
メイヨカイイン?? 裂き織り教室の迷い子としてお余りな存在、『迷余会員?!!』 ぴったし・・
デンドウってどこだ??喋りすぎる口を電動マッサージ機にはめ込んで休ませろってかい??うまいな。。
とにかく、この一年は『迷余会員』として教室の出入りが許されたのだ。一瞬背すじが伸びる。そのあとニヤニヤ・・・
先週の日曜日、今年第一回目の教室がはじまり、12時の弁当の時間めがけて教室に到着する段取りのはずが
朝からうっかりいろいろなことに手をつけたら、とっくに12時を過ぎ、「おひるでーーーす」とセンセイからメール頂く。
一応他の生徒さんの手前けじめが大切。『迷余会員 ながのひわ』と書いたバカデカイ名札を胸に付けて参上する。
「来ましたー」 と なんの説明も弁解もせずに入りこんで、かずちゃんが作ってくれた弁当を食べながら喋る。

長沼温泉の桜

大根の芽が顔を出したよ!

今年も 田圃起こしで奮闘中!

桜観と姉妹・・・ 

2010-05-17 | 日記
『いっしょに函館の花見に行こうか』 久しぶりに晴れ渡った土曜の朝、
これからまた函館の妹のお世話に行くという静さんが、突然提案してきた。
ようやく晴れた今日は、溜まった洗濯をして、置きっぱなしの花の苗を植えて・・・
やりたい事が山のようにある。しかし、私たちの時間に自分の都合を決して
押し付けることをしない静さんが、めずらしく積極的に「いこうよ」という。
「そうだね、静さんと函館の桜観に行くなど、あと10回もないね」と私。
「うん、まあ、来年は生きてるだろうけど、あんたも分からないからね・・」とニヤリ。
(う、逝く前の野生の勘が研ぎ澄まされてきたか・・・) 「よし、行こう」と決断。
駅に送るだけのつもりで、洗濯は途中、靴下もはかず、なにもかもほっぽらかして
駅までの運転を夫にたのむ。静さんは窓口で私の分の切符の交渉を、「年会費1500円で30%割引の方が得だよ」
と、50歳以上の悠々倶楽部の会員登録をてきぱき進め、さっさと支払を済ませ、ホームで駅弁を二つ買った。
姑の後を追って空いた席に着き、「遠足だね!!」と蟹飯弁当をほおばる。(今日は嫁の日か・・!)
母の日を忘れていて、数日後ユンニの湯で生ビールと枝豆でごまかした自分を恥じる。
函館駅の改札口に、目の不自由な妹のせつさんが嬉しそうに待っていた。
「せつは目が悪いから花見になんか行かないと思う」と静さんは言っていたが「私も行く」とせつさんの声が華やぐ。
常時お世話になっている個人タクシーの運転手さんが私たちを連れて函館の桜の名所を回ってくれた。
目の悪い妹には遠慮して、せめて嫁と共にと思いついたことが、思いがけず、妹を喜ばせることとなり、
静さんはそれが嬉しくてたまらない様で、今だからこその姉妹の時間を取り戻しているのか・・と思う。
(自分より妹の方が親に可愛がられていた・・)等のもやもやが実は妹も(自分より姉の方が・・・)と感じていた。
そんなことを言い合えて、「なーんだ」とお互い腹を抱えて笑い合う。そんな些細なことを80過ぎまで持ってきた。

初めての草の上ではしゃぐサトルスを親子が楽しむ

老眼鏡をかけ、キャベツの種まき!

ひわばあちゃん 夢の”森”

2010-05-13 | 日記
去年の12月、近隣のガーデンから届いた『ガーデニング教室』のお誘いに
うっかり乗った。3月まで9回。途中で飽きるに決まっている。
だいたい「ガーデニング」などに興味がない。なのに、なぜ・・・・
第一回の教室が自己紹介から始まったとき、やはり(場違いだ)とすぐに感じた。
街の奥様たちが自宅の庭を一層お洒落に作る目的で参加したのだ。
「あの~、わたし、うちの牧草畑を森に戻したいんです」と自分の口がうっかり
すべって、それまで奥様方の参加目的にニコニコと反応していた若い男性講師
の、い~さんは(はあ?あんた、何しに来た?) と急に目をそらせた(様な気がした)
そういえばここのガーデン、森を拓いて造っているし・・・・すっかり孤独になる・・・・
しかし、講義の後、三人の奥様とバチっと目が合い、お昼を食べながらお互いの夢を語ることとなる。
「いまマオイ山がどんどん開発されて家が建って・・・だからせめてここに、木を植えて、栗や山葡萄が豊に稔る
森にして、うっかりふらふら~~~~と病んだ人が死に場所求めて来たとしても、そこにあるもの口に入れたり
木漏れ日浴びてうとうとしてたら、心も体もむくむく甦って、スタコラ家に帰って幸せに暮しましたとさ。ってどう?」
『成るよ!!成る!!』三人が口を揃えて言った。(この言葉を聞くために今日ここへ来たのか?)
「でもね、このこと、ほんとは、絶対人前で言っちゃいけないことなんだ。うちの畑っていっても借りてるわけだし、
農地を森に戻したいなんて農民として後ろ指さされて追放かも」 おもわず余計なことを言ってしまって
これが長沼農協に知れたら大きなかぶは抹殺か島流し・・と小さな不安と大きな勇気が交錯し胸の奥が
打ち震える。 同時に腹の奥から(大ぼら吹きで、狼おばばの嘘つきひわのことなど誰も本気にはするまい)
自分の弱点が、胸の奥でゴーゴーと燃える壮大な夢を、今静かに包み込む立派な鎧に変身するのを感じた。
生きてる間に完成せずとも、この思いをこの場所の土や草木や小さな花に囁きながら暮そうと思う。

連休に一句!!

2010-05-04 | 日記

うぐいすの声で目覚める村の朝、猫のポーズで伸びをする犬
毎年、横の草薮で発声練習を積み重ねるうぐいすが
「ことしはなかなか啼かないな」と話していたら
いきなり上手に啼いて知らせてきた。
いったいどこで練習したのか・・・・・
その声に合わせ、犬達は朝の準備運動で猫のポーズを繰り返す。


国道もマオイの丘も人の波、大きなかぶには請求書の波
国道274も渋滞渋滞・・・道の駅マオイの丘公園はひしめきあう人の波。
そのすこし先のマオイの山の裾にひっそりと存在する大きなかぶ、
連休だというのに、郵便屋さんが律儀な4月締めの請求書を早速届けに来る・・・・

札幌の空に泳ぐこいのぼり 5月5日
    
民家のすぐ近くに来るエゾ鹿の雌。

4月30日現在、まだ雪が残る札幌市内!!