大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

諭留守(サトルス)時のゆったり羽を・・・

2010-04-26 | 日記
日曜朝、夫が留守で、「ゲゲゲの女房」も休みだし、と朝寝坊していたら、
寝ている屋根裏の小さな窓から「起きろ起きろ」とぐんぐん昇る太陽に起こされた。
なんだ 時計はまだ8時。外に出るとすでに空気は暖かく、メンドリと犬達が
いっせいに走り寄ってきた。川の横の大きな栗の木でひと休みの小鳥たちも
《チチチチ、ピピピピ今頃起きてきたー》とこれ見よがしに囃し立てる。
となりの畑ではトラクターがごうごうと働いている。みんな早い早い~~~
起き掛けなのに急にお腹がすいてくる。お湯を沸かし、パンを2切れ温めながら
新玉ねぎのスライスを一つまみの塩でギュッと揉んで、千切ったホウレンソウの上に散らし、
野菜かごの中で置き去りになっていたデコポンを四つ割にし右手で搾り掛けた。
メンドリにもらった卵を茹でてあったのを忘れてた。それも右手の中でギュッと握って手包丁。
白い皿の中で、緑のほうれん草と 白い新玉ねぎと オレンジ色のデコポンと、黄色の卵が すこしすましている。
上からオリーブの生オイルをたらあ~り・・・これでみんなが円くなる。
先日、静さんが また函館に妹のお世話に行くと言い、南千歳駅に送りがてら、ちょっこっとアウトレットのレラに立ち寄た際、人のよさそうな女店員とうっかり目が合い「在庫はこの二つだけで御座います」
と揺れている腹を見透かされた。
(一生大事にするからね)と連れて帰ったロイヤルコペンハーゲンの白のマグカップにアールグレイをたっぷり淹れて・・8時半、暑いくらいに温度の上がったビニールハウスのテーブルにお一人様朝食セットを運ぶ。
ちょうど後ろのラジオからベートーベンの「月光」が流れてきた。頭上に太陽、背中に月光。
口から物を摂り入れる生き物を空の上から見たら、新型コンポストか・・
ああ自分は大地だ、地球そのものだ!朝から愉快になる♪
 ”僕はタチだよ” 

女たちの大仕事

2010-04-18 | 日記
四月に東京で雪。今年一年を暗示するかのような異常気象が日本列島を吹き荒れ、
春先のふわふわしていた気持ちが引き締まる。下腹にぐっと息をためる。
いつ何がどうなって、生きるにしても死ぬにしても、へらへらしゃらしゃらと
日常を平常心で暮らす自分でいたい。いよう。ほんとにいれるかな・・・・?
今日まで、残り野菜があるだけで豊かに暮らしてきたが、天候にそむかれては
それも当てにはできず。このトシで新しいことに挑戦するのは面倒だが、
毎朝、口パクパク、鼻の穴ヒクヒクさせて空気中から必要元素を体内に取り込む
練習をするときがいよいよ来たか。
待ってましたとばかり上空から偵察していた宇宙船が「人体改造入門講座受付」の
ビラを撒く。申し込み用紙にすぐ書き込むか、幾つかの星のやり方が出揃ったところで検討するか・・・迷う。
とりあえず冷凍庫で何年も眠っている鮭とか、イカとかを食べきってから考えることにする。
「その前にやらねばならぬことがある」と めずらしく衝動が来た。
毎日ニュースで流れる社会現象をひとごとのように聞き流してきたが、(あれ?これは自分が仕出かしたことだ・・・)
ここ30、40年、私たち年代層の女達が目ざましい社会進出を遂げた。同時に簡単で便利なモノが女達に差し出され
夫婦、親子、家庭のあり方は急変し、その果てに育った子たちの発する現象が今日のニュースだ。
時代を好きなように生きた結果(あのとき、こうしておけば、、、)と唯一後悔するのは子供との関わり方だ。
(今時の若いもんは・・)と傍観している場合じゃなかった。政治や政策の行方を見守っている時間も無い。
女達が世代を超えて、巣づくりを学び合い、ほんとうの子育てを実践するだけなのだ。

昨年 生まれて初めての稲作を体験した田圃
 今年は どのくらい 楽しめるか 収穫量が増えるかな?

国民はゲラゲラ笑う

2010-04-11 | 日記
久しぶりに頭痛に見舞われる。右目の奥から右上あご(歯)やその上の辺りに
かけてズキズキと一日中痛み、指でつぼを刺激して一時しのぎしていた。
「編み物ばっかしてるからだろ」と夫は冷ややかに言い放ち、(そうかも・・・)
と思うが、編み棒持てば痛みを忘れる。麻薬のようだな。。。
二日目、意地を捨て「とおちゃん、手~当てて~」とお願いする。
夫の手が痛みのある頭でも目でもなく、右腕の付け根の肩甲骨の隙間を
開けるようにわしづかみにして、ぐーっと何度か引っ張ると、細い管からぷしゅー
っと酸素(血液)が頭に流れて行った。「うーーーやっぱりそこだった・・」
それでもまだ痛みの残骸がじわじわとすっきりせず、気持ちを研ぎ澄ませて
痛みの出処をさぐる・・・・・(腰だ)・・・・二本の足を支える腸骨のあたりから聞こえる痛みの信号・・・・
「どら、そこに横になれ」 いつになく夫が 頼む前に救援態勢を向けてきた。
「すまないねー編み物狂のわがまま妻で、お手数かけて~~」 素直に、こんな時だけ下手に出る。
腸骨に手を当てて腰周りの硬直した筋肉をほぐしてもらう。  じゅわじゅわ~~~と緊張が解け、
そこから繋がる肩甲骨までの血管が貫通すると、二日がかりの痛みがうそのように消えた。
カユイー!!血液が頭の中をぐんぐん巡りはじめたらムズムズと頭がかゆくなって、心の中でゲラゲラ笑った。
(なーんだ、編み物じゃなくて、薪運びに精を出しすぎたんだ・・) とたん強気になる。
からだの不調は、じぶんが作り出す。どんな名医に相談しても分かる訳がない。国民が体を自己管理すれば
医者にも家族とゆったり食事をする時間が訪れるだろう。結果、国家の痛みも激減。国民はゲラゲラ笑って暮らす。
雪解けの中の”大きなかぶ”の全景
明ちゃんに抱かれご満悦のサトルス
雪が解けた田んぼ(なずなの会)。昨年は無肥料、農薬不使用で栽培した7畝の田。


17回目の春が・・・!

2010-04-04 | 日記
北へ向う白鳥が、朝早くから家の上空をやかましいくらいに騒ぎながら飛ぶ。
(飛びながらよく喋れるな、風が口の中に入らないのか?)と心配になるほどだ。
《とーちゃんおしっこー》《まて、いま降りる場所決めるから》《あなた!早く決めて!》
あーだこーだどーだ・・・旅の途中ことしも長沼の田んぼや運河で一休み。
着替えも、小銭入れも、パン一切れさえ持たず、身ひとつで家族と共に旅をする
白鳥よ、わたしはあなた方が心底うらやましくまぶしく泣きたいほど愛おしい。
きっと本来全ての生き物は、なにを蓄えずとも生きる仕組みを備えているはずだ。
しかし、じぶんの身の回りを見渡せば、いったいいつどこから集まってきたのか
モノ、物、者(約1)・・・白鳥の美学には遠くおよばず・・・ガックリ肩を落とす。
どれも、その出会った瞬間は惹かれ「どうしても一緒に暮したい」と思ったはずだが。。
時間がそれらを風景に変えひとつひとつに意識を向けることすら忘れていた。
並んでいる本の背表紙を目で追う、いつも当たり前に使っている台所の道具や、食器や、それらをゆっくり
眺めながら出合った時に思いをめぐらすと、ほとんどのモノに《誰かの顔》が浮かんだ。そうだったんだ・・・・
あのひと、このひと、その《縁》がひとつひとつのモノに代わって、ここにこうして在る、ということだったのか・・・・
その中で17年という歳月、一つ屋根の下同じ釜の飯を食う「者」1名との出会いは今でも信じられない。
ある組織にいて、たまたま向かい合って食事をした。「者」は自分の弁当箱のおかず(小海老のてんぷら)を
ぽいっとこちらの弁当箱の中に自分の箸で放り投げてきた。(バカ者!食べ物を投げるな!)と叱責するはずが
一瞬、餌をもらう犬が乗移り(ワン!)と小海老をくわえた。小海老で釣られたのだ。馬鹿なのは自分だった・・・・           が この縁でヒトとしていちじるしく成長した。人生何が起こるかわからない。。。
夕方、空高く南に飛ぶ鳥たち
ネコヤナギも春を告げる

イラクサの若芽も出た。天ぷらでも如何ですか