大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

はじまる

2018-03-19 | 
ぐんぐん地面が顔を出す。フキノトウも顔を出す。
雪解け水が小さな小川を満杯にして流ている。
家の前はぐちゃぐちゃ。。。。
どんなに注意して歩いても靴は泥だらけ。 
白鳥が頭上を飛んでいく。飛行機も、自衛隊機も飛んでいく。
ひとの心もそわそわし出す。野菜の種蒔き始まる。

いまの世にこそアワ歌を詠う

2016-11-29 | 
倉庫の土間に置いてあった大根が凍っていた。土曜の夜、蛇口から水が出ない。
今時期は冷蔵庫代わりの風除室に、豆腐を置いたら、やはりカチンコチンになっていた。
まだまだ序の口、とたかをくくっていたら、、、、やるじゃないか、冬。
冬は葉物が凍れないように保管する冷蔵庫の扉を開けたら(ああ、暖かい。。)
本当に、本気で来る気で、来たんだな冬。

数年前から、小麦粉のグルテンがアブナイと騒がれていたが、輸入品や農薬と化学肥料
の国内産のことだろうと、パン好きな自分としてはそれ以上知りたくない気持ちもあった。
しかし、実は国内産小麦も同様に危機に瀕しているという。
さらに、小麦に限らず、米なども、食味や栽培しやすくする目的で品種改良を重ねてきた結果が、
本来のあるべき姿からどんどん離れて来ているという。たしかにそりゃそうだ、、、細胞の奥ではたぶん知っていた。
農薬や化学肥料がどうとか、有機肥料か無肥料か等とそんなところにうろうろし、作業に追われて見失う。
それでは済まない。もう20年もまえにアメリカの遺伝子組み換え作物騒動であれだけヒートアップしたのに、、、
農業者にとって収量の安定・品質向上等は食べる人に直結しているが、そのための品種改良の結果が、、、、、
まわりを見渡せば、水も、空気も、すでに知ったところで生きてるうちにどうなるものでもない所まで来ている。
各々が自分と家族の幸福のために各々の仕事をしてきて、結果そうなった。張本人は紛れもなく自分自身なのだ。。。。
もう、健康食品や、安全な米や野菜にだけ頼っていても物質レベルでは真の健康を維持するのは限界。。。
昨日より少し意識を変えて、腹6~8分、よく噛む実践を1日一回でも本気でやる。唾液を出して免疫アップ!!
外食して、腹の中でその味にいちゃもん付けたり後悔するのを止め、腹の底から感謝して受け入れる。
人(夫)の行動や言動に目くじら立てたり、イライラすることがどれほど自分の細胞を傷めるかを腹に落とす。

そう思っていた矢先、うちには仏壇は無いがご先祖様に毎朝お茶とお水を供えるコーナーに目が行く。
『言霊アワ歌の力』石田英湾著 いつからかそこに置いてあった。どれどれ、久しぶりに開いてみる。

 アカハナマ イキヒニミウク
 フヌムエケ ヘネメオコホノ
 モトロソヨ ヲテレセヱツル
 スユンチリ シヰタラサヤワ
  ※右に12音で一行
この「ア」の音から始まり、「ワ」の音で終わる四十八音によって構成される「アワ歌」
神代の昔、イザナキ・イザナミが治める国の民の言葉がことごとく乱れていた時、ふたりはこの歌をつくり
ともに歌い連ねて民におしえると、音声の道が開き、民の言葉が正しく整ったと伝えられる。
古代文字で表わせば、「ア」から「ワ」まで万遍なく螺旋を描いて続いていく。
「ア」は天を表し「ワ」は地を表し、天と地の間に四十六音が連なり天地を結ぶ歌になっているという。
声に出してこの歌を詠うと、一音一音が言霊の神々として作用し、人体の、陽の十二の経絡とツボの裏表、
陰の十二の経絡とツボの裏表、合計四十八の経絡とツボは、言霊の神々と人体が交信共鳴し合う窓であり、道であり
要の地(ところ)であるようです。     とある。 
ご先祖様、今頃慌てるおバカな子孫に、「ほれ、これ、しっかり見ろ」と差し出してくれた・・・
 ※この四十八音の陰陽の割合は3:2 「六:四」であるということが驚き。ロク・ヨンやはり宇宙法則だった。

野菜との会話

2015-11-06 | 
冬の間 除雪車の目印となる紅白のポールが 家の前の砂利道に等間隔で立った。
朝起きたら 羊の一家とヤギの母さんが家の前にいる。
畑の草がこれから芽吹くという春先と そろそろ食べる草がなくなる秋口に必ず来る。
そして 野菜くずを積んでいる場所に陣取って食べられるものを食べていく。
ついでにブルーベリー畑を4匹で徘徊するので枝が折れないかと心配で慌てて外に飛び出す。
首輪につけた3mのロープと土に打ち込んである杭を一緒にじょろじょろ引きづっている。
夫がメリーを連れて畑の方に歩き出すとほかの3匹もさっさか畑を目指す。
いつも一緒に行動する。喧嘩もしょっちゅうしてるのに。。。

日曜日の午後、気温が高い日にやろうと思っていた浄水器小屋のペンキを6年ぶりに塗る。
午前中は稲架がけの稲の脱穀をやりに2家族が来てくれた。
それは皆に任せて、自分はハウスの片づけをする。
暖かいと体が自由に動き作業がはかどる。 
茶色に枯れたトマトときゅうりの一本一本に挨拶しながら 吊ってあるひもを解いて土の上に寝かせた。
根っこはまだ生々としている、土の中でまだ微生物たちと交流が続くのかなと思い 抜かないことにする。
今年もなかなか思ったような世話ができなかったな、、と反省しつつ振り返る、、
(いいのいいの、この程度でちょうどよかったよ、)とトマトの声がする。
(朝夕必ず会いに来てほしかった、、、もっと話がしたかった・・) きゅうりはスネているようだ。
(あんただれ?) オクラったら自分一人で大きくなったような気でいる。。。
 そうだね、皆それぞれちがう。  野菜のお母さんとしてはまだまだだ子供が見えてない、、、、、、

慣行栽培と有機栽培、自然栽培とは?(夫の角度)  というより還暦男子とは?でしょう(妻の角度)

2015-08-16 | 
気づけば 鳥たちの大合唱に、じーじー、ぎーぎーetc。。。蝉と虫が加わった。 秋だ。
田んぼもどんどん変化し、穂が出て力強い様となる。
稲と稲の間に 花畑か?と思うほどコナギが紫色に群生し、(きれいー!)と思うが
国道を走る近所の農家の人に見られたら、隠れたいほど恥ずかしいことかもしれず、、、
しかし、(草取らないとこうなるのか・・)と思う自分で救われる。
半月前 南幌で自然栽培の米を作り続けているコウイチさんに偶然会った。
「草取りが全然やれてなくて・・」とぼやいたら 「俺なんか草取るって気もないさ、はは!!」
(えーーーー!そうなんだ。。)とその一言で何だか気苦労の90%が消滅した。
コウイチさんが親の代からの慣行栽培の米つくりを自然栽培に切り替えた30年前なら
農協に資材を買いに行っても売ってもらえないという経験をしている。
農薬や化学肥料を使わずにいいものができるはずがない、と思われていた時代。(今もあまり変わってはいないが)
虫食いや規定外の大きさの野菜なら出荷も出来ず、収益を上げられない農家は農協にとってはお荷物となる。
周りの農家の理解はもっと厳しいものだったに違いない。(今もあまり変わってはいないが)
そんな孤立状態の中で 自分の百姓魂に支えられて 道を切り開いてきたコウイチサン。 60歳。
自分の子供はいないが、去年横浜から来たやる気のある若い夫婦を後継者として受け入れた。
彼らのまだ小さな娘がコウイチさんになついていて、その子を連れて用事や買い物に行くのが至上の喜びだと言った。 
(そうなのか、、、おんなじだな)
66の夫、小さな女の子を見かけると もう目尻を下げるだけ下げて「おい、見てみろ!可愛いなー」などと手放しで言う。
だから、野菜を配達するお宅に小さな女の子がいたなら、すぐ仲良しになる。
そのお宅が本州に引っ越しても 毎年『だいすきなながのさんへ』と年賀状やはがきをもらう。
男子還暦過ぎたれば0年と化し 同じ一桁女子の為にならいのちがけの大仕事もやってのけそうな気になるのだ。。。
錯覚だとしても、幸せな生き物だ。。




     昨年の田圃

                     

今年の田植えも済んで

2015-06-21 | 
家の前のニセアカシアが一斉に咲いた。
朝の空気が花の香り一色だ。
周りの農家から半月も遅れてようやく田植えが終わる。
今まで4年間米を作っていた田んぼが 「基盤整備」という政策によりお休み。
6枚だった田圃を大きな2枚の田んぼにする。
大きな機械を持っている農家なら こうすることで作業効率がぐんと上がったり、経費下がったり?
大きな機械を持たない大きなかぶは「そんなことしてもらわなくていいんですけど・・」と言いたいが
地域の中では自分だけそういう訳にはいかないナンジャラ・カンジャラがあるので
そこは、そこそこ折り合い付けて、前を見て進むだけだ。
農薬使わずヒエだらけにしているうちの田んぼを、周りの農家は、黙って見ていてくれる。それだけで感謝がこみ上げる。
しかも、去年の秋なら、あまりに広い大豆畑の大豆をシコシコ手刈りしていたら、それを見かねた地区の人が
大きなコンバインでザザザーっとあっという間に刈ってくれた。一ケ月半は掛かるかと思ったのが半日だ。 無言。。。。。。
 今年の田んぼは去年初めて稲を植えた2ヘクタールの一枚と、国道をはさんだ向かい側の同じく2ヘクタール1枚。
わかりやすく言えば一枚が100Ⅿx200Ⅿの田だ。苗を植えた時その表面が均等に平らに代掻きが出来てないと、
ある場所は深水になって苗が水に沈んで窒息してしまい、ある場所は丘になって水がない状態になる。
チョンスが親方にダメ出しされながら何とかやり切ったが、均等に整えられるようになるにはまだまだ修行がいる。
「代掻きが一人前に出来るようになるのには10年掛かる」と この道50年の前田さんに言われたが新米百姓には至難の業だ。
毎年毎年、「またここが失敗、あそこが失敗・・・・」と失敗のオンパレードにもかかわらず、育つものは育ち、実るものは実り、
日々の食卓に食べるコメが無いという日が無い、という有難さ。 天の恵みとしか思えず。
10年たったらとおちゃん76歳。 かあちゃん69歳。 そこまでやって、やっとこさっとこ一人前の米農家の仲間入りか。。。。。。
気が遠くなるが、胸の奥がワクワクしてる。 可笑しいな。


その後の田圃

2014-06-28 | 
6月始めに田植をしてから
   約一週間後



 

   約三週間後には

    
   画像をクリックしてください 大きくなります



 
     でも水の中を覗くと
     

    除草の助っ人????

  


大かぶに 研修生 来る!!

2014-05-05 | 
雪解けと同時に一斉に農作業が始まり、家の前の砂利道を大型トラクターが行き交う。
稲の育苗ハウス、野菜ハウスにビニールをかけて準備万端。 稲の種まきも無事終了。
いつもなら山崎さんが自家用ハウスに早々と植えた葉物がもう収穫です、って時に
うちはやっと野菜ハウスに種蒔きました。。。という時間差だったが、今年は早かった。
販売業と農業を同時に進めるのはけっこう大変で、あちらをたてればこちらがおくれ。。。。
ところが、今年は、大きなかぶ史上初、正式な「研修生」と言う存在を2名迎えての始動だ。
その二人が慣れないながらも地道に動いてくれて、着実に作業が進んでいく。
野菜や稲を育てるのだって本当に難しいのに、ましてや人を育てるなんて無理。
自分と夫の機嫌とるだけでせいいっぱいのところに「研修生」なんて絶対反対。と言い続けてきた。
しかし夫は自分の出来不出来は棚に上げ、とにかく人をそだてていかなければ未来が無い。との一念で踏み切った。
妻は、いままでのような気ままな自分を律し、まず自分がまっとうに育たなければならないという恐怖感に陥る。
やだやだ!!ひとなんか育てられない。今からそんな苦労はしたくない。できるわけがない。
自分の子は、生まれた時から保育園で育ててもらった。友達や職場の人、隣り近所の人に育ててもらった。
何を隠そう、ほとんど子育てだってマトモにしてこなかった。。。。。今頃になってバチがあたったのか。

それが、ある瞬間、ふっと思った。
自分が育てるんじゃなくて、そのひとが与えらえた環境をフルに使って勝手に育っていくんじゃないか。。。。
”あんなふうにはならないぞ。じぶんならこうする”って、、、うちの子もたぶんその法則で育ったのだ。   
そうだ、そうだ、こんな自分をみて反発したり安心したりしながら育っていく。きっとそうだ。 
じぶんは、じぶんのままでいること、それが仕事だ。。。。。



羊のメリー親子

2014-03-22 | 
羊のメリー親子


山羊のレモンは 今年産んだ子どもたちを3匹亡くしました。

  羊のメリーの子どもたちを見て、何を想っているのでしょうか
  じっと 子どもたちを見つめ、メリーと頭突きして何かを解消しようとしているのか?

秋の大忙し

2013-11-26 | 
大豆刈りがまだ半分残っているが『午後から雨』の予報で急きょ白菜収獲に変更。
朝、夫とチョンスがはるか農園で大根200本抜いてきたのを軽トラの荷台から下し、
まずは腹ごしらえ、という時「こんにちは~!」と森の妖精みたいなEちゃんが
ターシャ婆さんのような長いスカートにグリーンのスカーフをなびかせて入ってきた。
「Eちゃん!いいとこ来たよ、ご飯食べて白菜収獲行こう!」 と誘い込む。ひひひ
「スカート汚れるからモンペ貸す?」「大丈夫、これで行く」「じゅあ、この長靴はいて」
伊藤さんの広ーーーい白菜畑に女4人が鎌や包丁を持って分け入り、固く巻いた
丸々と美味しそうな白菜の根元を土から切り離す。
チョンスが淡々と一輪車でそれを集めて軽トラに並べていく。
その横では伊藤さんが大量のごぼう収穫に精を出している。
毎年毎年こうして育ててもらった野菜を仕入れて大きなかぶが生きている。
とても自分で何もかもは出来ない。ほんとうに、心の底からありがたやありがたや。
150個収穫させてもらって、スタコラ家に戻り、前日に夫がこしらえた3段の棚に並べる。
そのあと、200本の大根を保存するために、葉を切り離してから米袋に入れて積んでいく。
やり切ったころ、ちょうど日が落ち真っ暗となり、皆の顔はほころぶ。
とたん、雷が轟き大雨となる。 絶妙だな。


 大根はジアスターゼという消化酵素を含み、いくら食べてもあたりません。
それで、あたらない、ヒットしない役者のことを大根役者と言うのだそうです。知らなかった。。。。
白菜はほとんどが水分で栄養価が高いとはいえず、胃の守り神のような顔をしているキャベツほど
目だちません。しかし、良質の植物性たんぱく質を持ち、さらに特徴的なのは低カロリー。
鍋もの、漬物で山ほど食べても太らない手近なダイエット食品と言えます。
飽食の時代の健康野菜として、肥満防止にもってこい。