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Toms Riverの町の東方で出会った ”大西洋 ”
[ 2006年5月7日 ] 走行 255km
エンジンオイルの警告ランプが時折点灯する様になったレンタカー。 オイルレベルを確認して、HERTZに連絡、今の車のままで走行を続ける事を決定。 Philadelphia市内を見物後、ほぼ真東の大西洋岸の砂州、Toms Riverの町の先を目指し、 そこで、今回の旅の御神体「太平洋の水」を大西洋へ戻しました。
この日、昨日から車のオイルレベル警告灯が点灯する問題をクリヤーする作業から始めました。 エンジンを始動する前にボンネットを開けてオイルのレベルチェック。 汚れた色はしているものの油面レベルは適性範囲でした。 9時頃車を借りた HERTZに電話を入れて日本人スタッフを出してもらう。 最初は予約センターの様な部署の女性に繋がれてしまったが、 用件を伝えると電話を転送してくれて、今度は男性の声が応答してくれる。 オイルレベル警告灯が時折点灯する様になった事を伝え、「 このままニューヨークまで走って問題ないか?」 を尋ねた。 最初の回答は「営業所に立ち寄ってくれれば、別の車を提供します」と言うものだったが・・・ 整備担当エンジニアとの三角通話の中で、「今の車のまま、警告灯の誤動作的点灯は無視して残り300km弱の距離(NYまで)なら走行OK」との了解を貰い、 車の交換はしないで、走行を続ける事となりました。
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昨夜の到着は遅かったし、今朝はレンタカー会社との電話連絡もあったので朝の出発は遅くなりました。しかし最初の立ち寄り先フィラデルフィアまでは30kmほどの至近距離なのですぐに到着。 ここはIndependence Hallなど歴史的遺産の見所も沢山あります。午前中だけでは足りず、観光バスの終点の建物にあったバイキング形式の店での御機嫌なランチタイムを挟んで、午後も市内観光を続けました。 天井の無い展望席付観光バスで市内を巡り、 そのバスでは通過するだけだった昔の監獄(Eastern State Penitentiary)を別個に車で見物に行ったり、観光モード全開で時を過ごしました。
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フィラデルフィアから先、今回の旅の主題「アメリカ大陸横断」の有終の美を飾るべき、大西洋の海原に出会う地を何処にするか? 少し迷いました。 大西洋“ATRANTIC” の名を冠したAtrantic City にしようか? ニューヨークの更に東、ロングアイランドの先っぽ迄行くか? 最終的には、そのどちらでも無いPhiladelphiaの東方およそ50km、Toms Riverの町の先、南北に何十キロも砂州が続く地域に決めました。 しかし、その残り僅かとなった区間を走行中 「大陸横断」の護符に守られた心の中から自制心が解き放たれてしまったらしく、 長い旅の間、助手席で地図帳を広げてずーっとナビしてくれていた妻とルート選定の事やらで口論になってしまいました。
大西洋の波がゆったりと寄せる砂浜の広がる岸辺、 海水浴シーズンならば結構な賑わいを見せそうなゲームセンター等の店もある町でしたが、全くの閑散期、 裏寂れた雰囲気が漂った海辺の町でした。 その砂浜に、ロスアンゼルスで汲んだペットボトルの太平洋の水を、大西洋に注ぎ込む大事な儀式の時も、 妻は僕が言葉にして頼むまで、記念の写真を撮ってくれる様子がありません。 まあ、怒声と共に「地図帳を取り上げてしまった、俺が悪かった 」
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そんな地上のイザコザとは無関係に、 海上を長い隊列を作って鳥が渡って行きました。 今夜この岸辺の町に泊まれば、 僕達の旅はニューヨークの地を残すだけです。