古本を探しまくった。
矢口高雄先生の本はなんとしても読みたくなった。外出自粛はしていないが,映画館などがまったくやっていなかったGWに読もうと,ネットでなんとか集めた。
高いものは最終巻が2480円,最も安価なのが350円。新刊当時にどうして購入しなかったのかわからないが,やはりそれが「若さゆえの過ち」なのだろう。
圧倒的自然描写。その力に読者は驚く。
矢口高雄といえば圧倒的自然描写
その背景には,大人になっても油絵などをしており,近所の山・川をスケッチしていたというから,やはり基礎力がまったく別物であることは保証されている。
自画像が「イケテイル」のはご愛嬌。
『釣りキチ三平』での著者近影とこの自画像の差にビックリした小学生の僕がたしかに居たが,矢口先生はこのカラーでいいのだ。少なくとも,多くのフアンはそう思っている。「世紀のハンサムボーイ」「矢口釣りコーナー」にお世話になった釣りキチは僕だけではないはずだ。
銀行に高卒後12年勤めた矢口先生。だからこそ,サラリーマンの悲哀もわかるし,実体験の多さは「マンガ一筋」の先生方より多いとさえ思う。魚紳さんが,実在した釣り人をモデルにしていることにも驚いたが,銀行員の過酷な勤務を乗り切った矢口先生と,どうみても美人にしか見えない奥様(マンガだから当然,というのはなし)に尊敬の念を抱く。
ところがあっという間に読み切ってしまうと,またまた要らなくなってくるのである。しかし,今回はかなり高価な買い物だった。
やはり梶原一騎先生同様自叙伝は重要であるから,この本もとっておこう。