新聞広告で知っていた。それを購入した。
新聞広告で「これはイイ」と紹介されている『マンガ・日本の古典』。
自身,古典には「暗記」という受験科目のイメージがあって,深く読んだことなどなかった。人生50余年にして恥ずかしい限りである。
それが変わったのは,リアル書店のありがたさ。ふと立ち寄ると,マンガコーナーにあった。究極の「夢オチ」たる「転生モノ」(マンガとしてはもうオワコンレベル)が幅を利かせる時代だから,本当に隅っこだったが...。これが,本当に都心の書店なのかと思うほどに。
ワイド版と文庫版があったが,単純に価格で安価な文庫版を購入した。なにより持ち運べる大きさだから,遠征時に読み耽るにもいいだろう。
『マンガ・日本の古典』は,2001年初版発行と書いてある。だから,当時ご存命だった方々,それも超一流漫画家が競って描いているように見える。
その中で唯一,矢口高雄先生が描いていたのが『奥の細道』である。圧倒的な自然描写をもつ先生と,”積極的”解釈に期待した。
これだ。これだよ。この「矢口釣りコーナー」的解釈。これが矢口高雄先生なんだ。
ご自分で原典や資料を読み,取材旅行も含めて4ヶ月の執筆だったというではないか。しかし,調べれば調べるほど「不都合」が出てくる。単純に「古くて正確な資料がない」からなのだが。だが,そこを合理的に解釈する(=これを”積極的”解釈と僕は翻訳する)ことこそ矢口先生の真骨頂だと,小学生の頃から感じている。
『釣りキチ三平』でのセリフに「迷信や言い伝えにも,きっと何らかの裏付けがあるんじゃんねえかと,オラは思っている」というものがよく出るが,まさにそのセリフは矢口先生の実感だったろう。
それにしても,文庫本選択唯一の失敗は老眼に厳しいこと。
ワイド版も買っておくかな。とにかく矢口高雄先生の作品は全部読みたいので,まだまだこれからだ。
だが,書棚がさすがに限界なので,もう読んでいないものはブックオフに持って行って...も端金なんだよな....。フリマでも配送が面倒だし。困ったけど,やっぱり2023年内に処分するしかないか。