古江教会にある 「 ルルド 」
教会近くから見た古江湾
古江教会は、平戸、生月での教会で行き着くのに一番大変だった教会である。
そのうえ古江教会堂について記した資料等が少なかった。
「 長崎の天主堂その信仰と美 」 によれば、
当教会堂は明治32年7月15日献堂となっている。
また昭和51年度に長崎県教育委員会が行った文化財調査「長崎県の力トリック教会」では、
明治32年7月15日設立 ( 法人台帳 ) となっている。
古江教会堂は平戸教会の巡回教会となっているが、その立地上から一般に訪れる人も少なく、
また、会堂建物の補修の跡が激しく、建築紹介を目的とする本書の記載に迷う建物である。
まず所在地が平戸島の北部、県道19号平戸田平線にある古江道バス停から
古江湾に沿うように付けられた山間の道を約4km北上した大瀬である。
ここはもう古江湾を形作る岬の先端に近い。
途中で道を間違えたと思って、数軒ある集落の人に教会の場所を訊くと、
「 ゴミ置き場の大カーブの先を下った所にある。 」 と言われ、
さらに山道を進んだが、 「 こんな場所に・・・ 」 って思うくらい山の中だった。
それは、五島の半泊や繁敷、焼崎などの教会と同じくらい困難な場所だった。
この山道をたどりながら、禁教下の潜伏キリシタン達が
このような山中で秘かに信仰を守っていたこと、
むしろこの様な陸の孤島であればこそ、
信仰を守り通すことが出来たのであろう。