「 柳川堀割物語 」 は、昭和60年 ( 1985年 ) に、
アニメーション界のゴールデンコンビの高畑 勲と、
宮﨑 駿の両演出家がコンビを組んで初めて制作した記録映画である。
掘割を舞台に展開する人と自然との共生を、
みずみずしい映像で描き上げている。
小舟にカメラを据え、船を水面に滑らせて水路から撮影した両岸の景色は
実に新鮮である。
掘割で洗濯をする人や魚とりに興じる子どもたち、
一致協力しての清掃活動と掘割再生へ向けて努力する人たちが次々に登場する。
賑やかな白秋祭や水天宮祭などの年中行事など、
カメラは移り行く四季折々の風景を織り混ぜながら、
掘割を克明にクローズアップしている。
水利システムや掘割の歴史的な役割などを紹介する場面には、
アニメーションが効果的に用いられ、わかりやすく解説されている。
映画のタイトル 「 掘割 」 とは、地面を掘って造った人口水路のことで、
いわゆるクリークである。
柳川市では、奈良朝の条里制導入以降に造られたもので、
市内全域で総延長は470キロにのぼる。
大昔からかんがい用水、船による水運路、農業用水、生活用水などの活用されてきた。
市内にある水の資料館は、柳川の生命線である掘割と、
人との関わりについて学ぶ場で、市内地の水流模型や堀干しの道具などの他に、
資料コーナーには、北原白秋ら柳川の文学者の資料も展示されている。
「 柳川あめんぼセンター 」
所在地 / 福岡県柳川市一新町3-1
電話 / 0944-74-4111