ワインの試飲にダイデスハイムまで歩いた。運動不足で足を鍛えたかったのと、駐車スパースを探す煩わしさがあるからだ。
何度か歩いているが、時間を切って目的地を目指すのは初めてである。所要時間は、その距離感から見て良く心得ているが、どの辺りのワイン地所を通っていくかは、幾つかの選択がある。行きは予定到着時間が読み易いルートを採用する。
往きに見つけた石碑に、ドイツ屈指のワイン地所であるキルヘンシュトュックを時のスパイヤー大司教区管轄のダイデスハイムのスピタルからシュピンドラー家が取得した由が示してある。1556年2月26日のことであった。その名をヴィルヘルム、その妻マグダレーナと呼び、現在もシュピンドラーを名乗るワイン醸造所の一つである。
しかし、この地所の多くは、永く他の大手醸造所の手に落ちていて、その辛口リースリングで60ユーロ以上と最も高価なドイツワインとなっている。同時に、シュピンドラー家はその最も都合の悪そうな一角を使って、これまた良心的なワインを醸造している。
その石碑の絵柄は、創世記第9章のノアのワイン栽培を表わすようでもあり、上部は同じ創世記第19章のソドムとゴモラの町の門を叩くロトの様でもある。しかし、良く見ると光彩がついているようであり、この解釈は実に心もとない。あるいは、その石碑の内容から、旧約聖書列王記第21章にあるワイン地所の物語を思い出すかもしれない。
そこでは、イスラエル王アハブに、先祖代々のワイン地所を請われたノボトは、トラの掟に従って、王の対価によるオファーを断わり、石打で処刑される。法における個人の所有権と公共性が市場原理の中で問われている。
何度か歩いているが、時間を切って目的地を目指すのは初めてである。所要時間は、その距離感から見て良く心得ているが、どの辺りのワイン地所を通っていくかは、幾つかの選択がある。行きは予定到着時間が読み易いルートを採用する。
往きに見つけた石碑に、ドイツ屈指のワイン地所であるキルヘンシュトュックを時のスパイヤー大司教区管轄のダイデスハイムのスピタルからシュピンドラー家が取得した由が示してある。1556年2月26日のことであった。その名をヴィルヘルム、その妻マグダレーナと呼び、現在もシュピンドラーを名乗るワイン醸造所の一つである。
しかし、この地所の多くは、永く他の大手醸造所の手に落ちていて、その辛口リースリングで60ユーロ以上と最も高価なドイツワインとなっている。同時に、シュピンドラー家はその最も都合の悪そうな一角を使って、これまた良心的なワインを醸造している。
その石碑の絵柄は、創世記第9章のノアのワイン栽培を表わすようでもあり、上部は同じ創世記第19章のソドムとゴモラの町の門を叩くロトの様でもある。しかし、良く見ると光彩がついているようであり、この解釈は実に心もとない。あるいは、その石碑の内容から、旧約聖書列王記第21章にあるワイン地所の物語を思い出すかもしれない。
そこでは、イスラエル王アハブに、先祖代々のワイン地所を請われたノボトは、トラの掟に従って、王の対価によるオファーを断わり、石打で処刑される。法における個人の所有権と公共性が市場原理の中で問われている。