Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

フランケンシュタイン蔵

2007-05-17 | 試飲百景
身売りした大醸造所での試飲会である。三月に続いて本年二回目の試飲会である。そのような訳で、瓶詰めから時間の経った落ち着いたワインの試飲を期待した。

人手に渡ろうが、ここのワイン蔵の歴史には変わり無い。その町中の地下の世界を尽く繫げる長大な蔵の一部に、次のプレートが掛かっている。中世末期に掘られた蔵の極一部の由緒を示している。

― スパイヤーの大司教ルドルフ・フォン・フランケンシュタイン伯、1554年にこれを作る ― とある。ここのワイン蔵でも最も新しい部分でないかと思われる。

新たに瓶詰めされて市場に出た中から幾つか。樽違いのヘアゴットザッカーは以前の物ほど新鮮さが無い。モイスヘーレは始めの当たりが面白い。ホーヘブルクは残念ながら売切れてしまったライターパッドに似ている。グラインヒューベルはミネラル風味がなかなか良い。ウンゲホイヤーは既に書いた通りである。樽試飲していたフォルスト産のプロブスが、ステンレス熟成ながら、なかなかしっかりしているが価格ほどの価値があるかどうかは疑問である。木樽作りのダイデスハイム産のアウフ・デア・マウワーの方が安くて良い。シュペートレーゼのラインヘーレやキーセルベルク・アウスレーゼ、ムスカテラーのアウスレーゼ、シュティフトのアウスレーゼなどを試すが、昔からすると大分弱弱しい。ライターパッドのトロッケンベーレンアウスレーゼも試すが、ハーフボトルで150ユーロは高過ぎる。

温暖化が進んで貴腐が進んだところで糖比重を上げる事は殆ど問題が無くなっただろうが、2006年のように腐敗が混ざると、殆ど粒毎に剪定を行ったのであろう。そのお蔭で、流石に汚れは皆無で、硫化物の多さも気にならなかったのは立派である。手間暇かけたお駄賃代わりの価格なのだろう。

意外に、前回と違い良く感じたのが、プロセッコの発砲ワインであった。これも価格が7ユーロは高過ぎる。赤ワインやブルグンダー品種は試さなかったが、ザールのケッセルシュタットと言う醸造所のワインをそこで試すことが出来た。

試した地所は、モーゼルのヨゼフへーファーとルーヴァーのカッセラーニーシェンのワインであったが、ザールのアイラークップを思い出した。感応時間的に後の方に味がある。お茶で言えば玉露の旨味みたいなものである。土壌の特徴なのであろう。酸も効いていて、その点から、決して悪くは無いのだが、古臭いワインの印象がする。後のものは、グランクリュでも比較的安価であったが、全体の価格を見るとあまり勧められない。

コメント (3)
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