Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

旬を心置きなく飲みたい

2007-06-24 | ワイン
春に探して選んだ比較的単純なワインが今旬を迎えている。ドイツで最も評価された中規模醸造所ミュラーカトワールの新シリーズMC2リースリングと同じく家族経営のゲオルグ・モスバッハーのグーツリースリングである。

前者は、瓶詰め直後第一印象はその独特の味に抵抗があって、二回目の試飲になって初めて購入した。その後の印象は、変わらず良いが、旬がまだこれからと言う印象もある。桃系の豊かな風味と残糖の少ない本格的な辛口は、2006年のワインの中でなかなか男っぽいのである。しかし、開栓後二日目のバランスの崩れは致し方ない。7.6グラムの酸濃度が表に出ないので新鮮さが失せ易い。これは、2006年の酸の質によるところが多いのだろう。暫らくしてから再び集中して飲みたい。

後者は、第一印象は酸(8.5G)が勝っていてあまり良く無かったのだが、瓶の中で落ち着いて来るに従いバランスが良くなって来た。比較的高い残糖値(8.0G)で判るように、少々荒削りな酸と糖分が瑞々しい黄色系の果実風味の中に均衡していて、その糖分を隠して夏の日々にも清々しい。

試験者皆さんの感想をも参考にしながら、飲んで来たが、今が旬と見られる。土壌のミネラル質への想起を示唆頂いたので、それを確かめることが出来た。それは、上記の酸がいよいよ様々な化学結合状態を形成してきている様子で、その奥ゆかしさが今知れるところとなってきた。

早速、追加購入に行き、若旦那さんに、その辺の事情を伺った。思い通り、ダイデスハイムのヘアゴットザッカー産とニーダーキルヘンよりのノンネンシュテュックに続くレッテン産のものと情報を得た。そして、このヘアゴットザッカーは、自家が栽培する七箇所に渡る地所から、中間部のキャビネットやシュペートレーゼ用の区画とミネラル質の高い上部を除いた、下部の区画を意味する。

これで、そのミネラル質の味が、カルキに準拠するものである事が確認された。もちろん、玄武岩の影響を全く無視出来ないものであるが、何よりもヘアゴットザッカーの特徴としても良いのである。

個人的予想では、ここ一月ほどで、些か草臥れてくる可能性があるが、それまでは心置きなく飲みたいワインなのである。そして、今年の最も安くて旨いワインなのである。
コメント (6)
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