Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

最も古いドイツ語医薬書

2007-06-11 | 文化一般
ナギイカダ、梛筏と書くようだがあまり聞いたことがない。ステロイドなどを含むサポニンを含有していることから、20世紀になってから再び注目された薬草と言う。静脈流、痔、浮腫に効用がある。

この写真は、ロルュッシュの修道所の墓地跡の敷地で、ドイツで最も古いロルッシュ医薬書に因んで栽培されているものである。ドイツ語では、モイゼドルンと呼んでいる。つまり、倉庫にネズミが来ないように棘の出たこれを廻りに植えると言うのである。

この手書きの書物は、8世紀の終りに書かれたとされて、150頁に渡って当時の医薬の知識が編集されている。1989年まではバンベルガー・コデックスとして知られたいたものである。

また21世紀からヴュルツブルク大学で新たなプロジェクトが始まり、一世紀における「マテリア・メディカ」とヒルデガルト・フォン・ビンゲンの「フィジカ」へと遡る16世紀のレオンハルト・フックスやプファルツの植物学者でリースリングの名付け親ヒロニウス・ボックスの間を埋める中世の医薬書としてその内容が研究されている。

ウイキのサイトに触れられているが、こうした薬草の効用を研究する企業はあまりないと言う。合成によって製造することが出来なければあまり商売に合わないからのようである。

さてカロリンガー朝の文化政策、特にカール大帝の教育政策としてこの医薬書を見るばかりか、このベネディクト会修道所がまさにそのために存在したとする推測が出来るようである。

それは、後に再びアラブ文化圏の影響を受けてヘレニズム化した医学が科学として研究される前の時代であり、医療自体がキリスト教の生死感のなかでしか考えられなかった時代であることに留意したい。

その他にも多くの薬草が植えられていたが、もう一つアカントュスと呼ばれる薬草がそこにあり、これを手で擦ると匂いが出てくる。ハアザミ、葉薊と言うもので、ゴム菓子ハリボのコーラ味に使われているらしい。これも、適量さえ投下すれば効用がありそうだ。
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