Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

初冬に香るリースリング

2007-12-05 | ワイン
週末、外は大荒れであった。間違いなく何処かで大きな被害が出ているだろう。この時期に珍しい。これで冬は終りで暖かくなるのだろうか?

そして、醸造所の店先で聞いたように、これだけお湿りがくるとアイスヴァイン用の葡萄も駄目になる。あれだけ一級の土壌で摘み残したには、糖価が充分でなかったとかのそれなりの理由があるのだろうが、ただ試してみるだけのものであったようだ。この地域は、モーゼルやラインガウと異なり気温も高めで、グランクリュワインさえ収穫出来れば、アイスヴァインなどは特に必要ないのだ。トロッケンベーレンアウスレーゼと呼ばれる健康な貴腐葡萄は九月初めに収穫済みであるから、2007年産は全て揃うことになる。

その醸造所フォン・ブールのリッターヴァインを、早速楽しんだ。味が強く快適なワインである事には間違いない。新鮮なうち、未だ数ヶ月間は、このまま楽しめるだろう。ペッパーミント風味まであり、他の醸造所では上のクラスに匹敵するかもしれない。ただ、葡萄は買いつけたもので、色々な樽を混ぜて美味い味に作ってあるようだ。しかし、アルコールが12度もあり、この価格である限りは何の不足もない。そのせいか、美味い割にあまりグラスが進まなかったのも事実で、安上がりのワインそのものである。

それに比べると、QBAグーツヴァインの方は、まだ味が引っ込んでいる。強い酸味の柑橘類の味と、あとに残る苦味が良い調和をしていて、数週間してからまた試してみたいワインである。アルコール11.5度の割には水臭くないのは、未だ開いていない内容が詰まっている証でもあろう。7.7ユーロは、日常消費用には高価過ぎるが、後味も素敵でとても香ばしいワインである。どことなく嘗てのミュラーカトワールの醸造親方シュヴァルツ氏のワインを髣髴させるものがある。

今回はブルグンダー種を試さなかった。それは南ワイン街道産で地元のものではないからだ。確かに一級の区画ばかりを所有していると、そこで土壌の味が出ないピノブランなどを栽培しても価値が無い。持つ者の贅沢な悩みなのである。

これで近々試すキャビネットが楽しみになった。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする