南ジュラ山地のセルドンという町で遊んだ。そこはロゼーのシャンペンだけでなく、銅細工で有名である。その工場を見学した。驚くのは、近代が其の侭残っている工場である。二十世紀の初めにはまだ何十人もの人が働いていた、そのままの工場で今も観光客を相手にしながら生産を続けている事である。ドイツでは考えられない初期近代化其の侭の、太い皮のベルトが撓みながら回る光景をはじめて見た。
それを其の侭観光客を入れて動かすところも大胆極まりなく、フランスは凄いなと思わせる。恐らくフランス人にとってはああした施設は老朽とは映らずにクラシックと映るのだろう。とても危険なのであるが、事故が起きた様子もない。我々の仲間が、「どうもフランス語が分からないようですね。注意して上げてください」と声の大きなドイツ人として注意されていた。日本人から比べると遥かに注意深そうなドイツ人でも、ここへ来ると殆ど呆けているようにしか見えないから面白い。
辻調の辻芳樹さんか誰かがここを訪れているようだ。なるほど手で打った銅の鍋類は三つ星レストランでは欠かせない調理道具なのだろう。我々素人には手入れもあり大変使い難そうだが、細かな火の使い方が出来るのだけは良く分かる。
最も興味深いのは、その動力を水車から引っ張っている動力系で今でもそれが使えるようになっているのは驚いた。水車小屋などは結構頻繁に見ていて、近所にも無いことはないのだが、そうした製紙工業や粉付き小屋のような実際に使われている施設は、産業自体の崩壊から殆ど跡形もなく無くなっている。その点で、フランスの山奥でこうしたものが、再び観光資源件特産物として産業になっているのはとても面白く。それが近代工業であるというのが、結構この二十一世紀の今日を映し出しているようだ。
それを其の侭観光客を入れて動かすところも大胆極まりなく、フランスは凄いなと思わせる。恐らくフランス人にとってはああした施設は老朽とは映らずにクラシックと映るのだろう。とても危険なのであるが、事故が起きた様子もない。我々の仲間が、「どうもフランス語が分からないようですね。注意して上げてください」と声の大きなドイツ人として注意されていた。日本人から比べると遥かに注意深そうなドイツ人でも、ここへ来ると殆ど呆けているようにしか見えないから面白い。
辻調の辻芳樹さんか誰かがここを訪れているようだ。なるほど手で打った銅の鍋類は三つ星レストランでは欠かせない調理道具なのだろう。我々素人には手入れもあり大変使い難そうだが、細かな火の使い方が出来るのだけは良く分かる。
最も興味深いのは、その動力を水車から引っ張っている動力系で今でもそれが使えるようになっているのは驚いた。水車小屋などは結構頻繁に見ていて、近所にも無いことはないのだが、そうした製紙工業や粉付き小屋のような実際に使われている施設は、産業自体の崩壊から殆ど跡形もなく無くなっている。その点で、フランスの山奥でこうしたものが、再び観光資源件特産物として産業になっているのはとても面白く。それが近代工業であるというのが、結構この二十一世紀の今日を映し出しているようだ。