(承前)繁々と実る葡萄からどんなワインが出来るのか?イエズイーテンガルテンの区画に涼しげにぶら下がる葡萄からはグランクリュリースリングが出来上がるのに対して、その健康さからこれまたそれなりのワインが出来る筈である。しかし、量を落としていないことでミネラル風味は少なく、葡萄ジュースの延長であるフルーティーな極一般的な土地のワインが出来上がる筈だ。ただしそうしたワインは腐りがなくても俗に言われる下品なリースリングとなりかねないほど、2011年の特徴を出した葡萄を反映させるには限度がある。
それでは、なぜ土壌だけでなく、その年の気象の特徴が出ないといけないのか?それは簡単である。自然の恵みである農作物であるからだ。それが必要ないならば、遺伝子工学を駆使して、化学工場の技術で毎年同じようにアメリカ大陸の所謂コーラワインを製品化すればよいのである。欧州はそれに与しない。
その点で、グランクリュつまりグローセスゲヴェックスのリースリングが複雑であり高価な分だけ、長く瓶で熟成するのでその分飲み頃が難しいゆえに、我々愛好家はその啓蒙に骨が折れるのである。要するに欧州以外の人間にもその価値が分るように啓蒙してあげなければいけない使命がある。
それならば同じ区画や土壌からのグランクリュならば同じかといえば全く異なるのである。これは既に九月十九日に報告したとおりで、例えばフォン・ブール醸造所などは全く異なるコンセプトと経済的な理由から多くの葡萄を腐らせていた。それはそれで、早めに選択して収穫してしまえば、健康な葡萄からの清潔なリースリングが出来上がるのである。しかし、ここ十日ほどの世にも珍しい秋の好天による酸の分解を経た葡萄は全く活かされないことになる。まさにこの点が、既にこの時点で2011年産グローセスゲヴェックスにおけるこの醸造所の価値を限定して仕舞っているのである。
こうしたことは玄人もあまり書かないどころか、分っていないのであるが、以外にもその薄造りの味質や深みにかけるリースリングにそれが出ているのは誰でも感じることが出来るのである。それはそれで初心者には分りやすいヘアゴットザッカーなどの日常消費ワインを上手に醸造しているのであるが、我々リースリング愛好家には其処が物足りないのである。オーナー醸造所ではないので限界があるとしても、所有する地所からすればなんとも惜しい結果しか生まれない。
現時点で既に全てのグローセスゲヴェックスは収穫されてしまっていて、同じようにバッサーマン・ヨルダン醸造所も殆ど収穫を終了している。現時点で最後まで粘っているのはビュルクリン・ヴォルフ醸造所であり、流石にオーナーの決断が効いているのである。そして、それだけではない信じられないほどの健康さをその葡萄は保っているのである。そうした葡萄から醸造されるワインがどれほど価値が高いのか?(続く)
それでは、なぜ土壌だけでなく、その年の気象の特徴が出ないといけないのか?それは簡単である。自然の恵みである農作物であるからだ。それが必要ないならば、遺伝子工学を駆使して、化学工場の技術で毎年同じようにアメリカ大陸の所謂コーラワインを製品化すればよいのである。欧州はそれに与しない。
その点で、グランクリュつまりグローセスゲヴェックスのリースリングが複雑であり高価な分だけ、長く瓶で熟成するのでその分飲み頃が難しいゆえに、我々愛好家はその啓蒙に骨が折れるのである。要するに欧州以外の人間にもその価値が分るように啓蒙してあげなければいけない使命がある。
それならば同じ区画や土壌からのグランクリュならば同じかといえば全く異なるのである。これは既に九月十九日に報告したとおりで、例えばフォン・ブール醸造所などは全く異なるコンセプトと経済的な理由から多くの葡萄を腐らせていた。それはそれで、早めに選択して収穫してしまえば、健康な葡萄からの清潔なリースリングが出来上がるのである。しかし、ここ十日ほどの世にも珍しい秋の好天による酸の分解を経た葡萄は全く活かされないことになる。まさにこの点が、既にこの時点で2011年産グローセスゲヴェックスにおけるこの醸造所の価値を限定して仕舞っているのである。
こうしたことは玄人もあまり書かないどころか、分っていないのであるが、以外にもその薄造りの味質や深みにかけるリースリングにそれが出ているのは誰でも感じることが出来るのである。それはそれで初心者には分りやすいヘアゴットザッカーなどの日常消費ワインを上手に醸造しているのであるが、我々リースリング愛好家には其処が物足りないのである。オーナー醸造所ではないので限界があるとしても、所有する地所からすればなんとも惜しい結果しか生まれない。
現時点で既に全てのグローセスゲヴェックスは収穫されてしまっていて、同じようにバッサーマン・ヨルダン醸造所も殆ど収穫を終了している。現時点で最後まで粘っているのはビュルクリン・ヴォルフ醸造所であり、流石にオーナーの決断が効いているのである。そして、それだけではない信じられないほどの健康さをその葡萄は保っているのである。そうした葡萄から醸造されるワインがどれほど価値が高いのか?(続く)