Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

2012年の特徴と成果

2012-11-04 | 試飲百景
どうも今年は寒気が緩む周期のときが危ないようだ。関節などが少しがくがくするのである。天気が良ければ一っ走りして体調を整えるのだが、水曜日以降身体を動かす時間が無かった。

その代わり、ご進物用に人に頼まれた2009年産のシュペートブルグンダーを買いにモスバッハー醸造所に向かった。残念ながらそれは売れていたが、まだ飲んでいないものや落ち着いてきていそうなワインを中心に試飲した。

グーツリースリングは夏前と比較すると大分こなれて良くなっていたが、やはり酸が効いていないので飲み飽きする。さて、ヘアゴットザッカーはどうだろうと試すと、これは完璧に柑橘味が満開で酸の種類以前に人を喜ばしてくれる。その勢いで、フォンブール醸造所でも良かったモイズヘーレを試すと独自のミネラル風味は十分であったがこれも酸の決めにかけた。倍ほどの価格のブールの方が良いのは当然であろう。

ここからは中級品ミネラルシリーズで、バサルト・カルクシュタイン・ブントザントシュタインと三種類が揃った。最初の玄武岩ものはペッヒシュタインとウンゲホイヤーの葡萄の混ざったものであるが、華やかさがあって二年待たなくても楽しめるのが特徴であろう。恐らく2011年産のウンゲホイヤーの華やかさが効いているのだろう。つまり重みが無いのは糖と酸の割合が良いということなのだろう。二つ目のカルクシュタインはヘアゴットザッカーの頂上にある二重十字架のハーネンボェールの地所の葡萄なのだが、以前のそれと比較して半分以上収穫量を落としているので価格も倍近くになっている。典型的な石灰のリースリングで角が丸い。最後の雑食砂岩は、ビッファー醸造所が栽培をやめて土地を借りていたもので植え付けのときから観察していたので一際興味深く試飲した。基本的にはゲリュンペルとなるがなるほどその個性にもう一つ雑食砂岩が効いているようで決して悪くは無い。今後根が伸びるにしたがって面白さは倍増しそうである。ただし、2009年のように天然酵母とはいかなかったようである。

さて、グロースゲヴェックスでは、ペッヒシュタインが同じように自然に醗酵が止まって塔が若干残っているために今でも飲みやすい出来になっている。それに比較するとウンゲホイヤーはゴツゴツしていてミネラルが濃いが全体に重さが無いのは糖も落としている証拠だろう。

シュペートブルグンダーは、売り切れた2009年を挟んで2008年と2010年を試したが、現時点では繊細で壊れやすい2008年産に軍配が上がった。思ってもいなかったよい熟成に達していた。

もう一つ2008年ということで、売り残りのハーネンボェールを試した。これまた糖が完全に落ちてしまっていて、当時は全く気がつかなかったしまったリースリングとなっていて、更に2008年特有の華やかな酸が蒸留水のようになった味に花を添える。素晴らしい食中酒である。価格も当時の8.80ユーロであり、全く文句は出まい。三年目の完全な飲み頃を迎えていたが、加齢臭や過熟成からは遠い。

今年のこの醸造所の特徴は酸が弱い分重くなるところを、ブールなどと同じように糖を落としたのか十分に軽味があって見事であった。ただしご多分に漏れず飲み頃になるのに時間が掛かった傾向があってこれまではあまり購入していなかった。来年までの間にまだまだ良いものが残っていれば価格も適当でまだ買えるリースリングは十分にありそうだ。

2012年の状況は、先日偶然に目撃したようにキーゼルベルクを最後まで置いておいたのは十分に糖価が上がらなかったとの説明であったが、最終的には満足しているということであった。しかし、葡萄のポトリティスは実際に見たように今年の場合2006年のように黒くなる傾向があって、それを如何に避けているかで質が分かれるだろう。少なくともバッサーマン・ヨルダン醸造所とビュルクリン・ヴォルフ醸造所では月と鼈ほどの差があって、幾ら手で選別しても少なくともホーヘンモルゲンに関しては前者の質の悪さは避けようが無い。如何に手入れがその品質を分けるかである。



参照:
今も続く摘み取り作業 2012-10-24 | ワイン
芳醇なバラの香りの白ワイン 2012-03-24 | 試飲百景
コメント (4)
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