Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

若ニシンチラシに合わせる

2017-07-03 | ワイン
涼しくなった。特異日の通りの雨勝ちの日が続いている。蚊もいなくなった。週明けから徐々に回復するようだが週末には再び同じようになるらしい。なにせあと七週間ほどはこれが続くということであれば夏はこれで大体終わることになる。森の中は摂氏17度ぐらいで、久しぶりに走り易かった。久しぶりの峠への林道は、湿り気があって、新たに積み上げられた木材の山が香る。少し酸っぱい臭いもする。生憎腕時計が電池切れで計測できなかったが、参考記録位で走れただろう。やはり暑いのが一番つらい。

若ニシンを屡々きずしにする。適当な米があれば箱寿司にするが、パラパラの米なのでバラ寿司にした。すると若ニシンの方は薄く小骨切りする感じでスライスしてみた。寿司米にはニンジンと牛蒡と椎茸とグリーンピースを混ぜた。三合の米に合わせて、大分の量になった。そこに錦糸卵を二個分乗せれば半分で腹一杯の充分な量になった。

箱寿司と異なって、混ぜ物に少々醤油が入っているだけなのでリースリングにもそれほど悪くはない。そこで2014年産のラウワー醸造所の半辛口を開けた。アイラークップの地所であるが、半辛口でも12.5%とアコールは強い。それほど陽射しが良いちうことだろう。どこかラインガウのヨハニスベルクの地所を思い出させるミクロクリマの特徴があるのだろう。要するに地所の傾斜の割にはコクがあるのだ。

寿司飯には砂糖が入っていることも、辛口のリースリングを合わせ難くしている。そこに醤油が合わされば到底高級なリースリングを嗅ぐことなどは不可能になる。それでも半辛口となれば、糖も残っており、更にそもそもそのように高貴な香りもニュアンスも無いのが半辛口で、それ故に最早本国の市場ではリースリングの半辛口などが欲しい人にはヴァイスブルグンダーなどを勧めることになって、出荷量は低下する一方である。

そもそもスレート土壌のモーゼル流域のリースリングは糖を残すことで、その酸とのバランス、そのもったりしたミネラル感をバランスさせることで世界的評価を勝ち得てきたのだが、市場開放の中でそうしたローカルな名産品は極一部の商品となっている。ザール流域のファンフォルクセム醸造所なども数年前までは残糖が多めだったが今や気候が許せば本格的な辛口のグローセスゲヴェックスへと進む方向が変わって来ている。

さて、中堅のラウワー醸造所のこれは、最初から残糖感があり、土壌の苦みと均衡させていたことで、ミッテルラインやその手の味の濃いリースリングと並んで甘辛い日本食に合わせようと思っていた。実際こうしてばら寿司に合わせると、やはり後口が甘い。日本酒の場合はアルコール度が高いので余り苦にならないのかもしれないが、やはり甘くて、食事にはどうかとも思う。それほど日本食は甘酸っぱい。

若ニシンの方は薄くスライスすることでとても癖が無くて良かった。こうしてリースリングを合わせると、やはり辛口のリースリングの方がさっぱりして良さそうな感じがする。特に本格的な辛口のモーゼルワインが醸造されてきているので、糖を残したリースリングの醸造法にはほとんど意味がないであろう。



参照:
氷葡萄酒の名匠のお屠蘇 2015-01-03 | ワイン
肉汁たっぷりを活かす 2012-08-30 | 試飲百景
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