Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

右方の舞楽を鑑賞する

2012-03-02 | 
先月になって今年の壁掛けカレンダーを入手した。雅楽を二月毎に画材とした日独交流150周年向けのものである。独日協会に配られたようだ。今まで見たことのない内容で、ジャパンフォンデーションかなにかが注文主なのだろうか。それほど立派なものではないのだが内容が素晴らしい。

最初の二月は「陪臚破陣楽」と称する唐楽の舞の風景である。インドからベトナムの僧によって伝えられて唐招提寺で演奏されたと言う。

剣を抜くような舞で、どのような音とリズムで演じられるのか興味を引いた。ネットのお陰で触りが見れる。更に竜笛の独奏も聴ける。

それどころでなくて舞楽が楽しめた。器楽版を聞いてNHKのエアーチェックを持っていることを思い出したが、舞を伴ってのもののようには序破急が楽しめない。

舞楽には右左あるようだが、右は高麗経由、左は唐経由で、この「陪臚」の場合上の器楽版を高麗楽と呼ぶようだ。

じっくりと何度も鑑賞しなければ分らない部分も多いが、カレンダーのお陰で今年は雅楽もいくらかは学べるのは嬉しい。

何時だかの住友化学の振袖カレンダーとは大違いである。だから経済人とか経団連とかの財界人の教養のみならず知的程度が知れるのである。恥を知りなさい。



参照:
舞楽 陪臚
右方 陪臚 ~若竹雅楽会
舞楽 陪臚 (ばいろ)
平調 陪臚
雅楽 平調 陪臚(舞立) 龍笛独奏 DRAGON FLUTE SOLO  (YouTube)
なにもかもが安物臭い経団連 2010-01-24 | 文化一般
雅楽かるた (つきみそう)
コメント (4)
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公共放送の大いなる使命

2012-03-01 | マスメディア批評
重慶市の警察長官が連行されてから大分経つ。現在のところその後の発表は無いようだが、知中国派の関心は強い。FAZのマルク・ジーモンスが伝える情報によると次のようなことになるようである。

推測の域は出ないが、連行前にアメリカ領事館に亡命を求めた経緯から上司である市長薄熙来に対する反旗とも言われ、また薄熙来からすると尻尾切りとの観測もある。

確か次期中国主席の習近平がホワイトハウスで手厚く迎えられたときの事件であり、政治的な必然性があったのだろう。新聞によると、そもそも重慶モデルと呼ばれる市の共産党の指導方針が独自のものであって、その薄熙来の大いなる実験は北京政府つまり現在の共産党指導部にとっても看過出来ないもののようである。

一言で言えば、「社会主義」を前面に打ち出したものであり、毛思想の核心を再生させる思想でもある。よって、論陣においても必ずしも異端の思想ではなくて、寧ろ影響力の大きさから脅威を起こさせるものなのかもしれない。一部には文化大革命を想起させるとして恐れる知識人もあるという。

市政として具体的にはメディアの扱い方にも表れていて、現在の中国の公共放送は日本などと同じような馬鹿げた内容のドラマやショーなどを流し続けていて、明らかに視聴者の痴呆化からのマインドコントロールが行われているらしい。その内容に関しては日本の視聴者は高度成長期から同じように痴呆化が進んできたその経験者であるから、内容をを改めて繰り返すこともないだろう。そして重慶ではNHKの鈴木健二が推進した公共放送の視聴率重視そのものが批判の的となった。

そこで、薄熙来は、「重慶の前進、市民もまた前進」をスローガンに、アウトソージングの娯楽番組を自社制作のドキュメンタリー番組に差し替えて、広告の変わりに「赤い広告」を流すようになったのである。

社会の不平等や資本主義の歪みを訴えて、住宅建設、農民層の市民化、社会保険制度の充実や社会的弱者の救済を是とする重慶モデルの広告を挟み市民の関心を高めるプロパガンダ放送とした。こうして公共放送の社会的な使命を取り戻すことで、共産党の進歩と腐敗への警鐘として放送を流すことで市民との重要なコミュニケーションの道具としたと言うのである。こうした行いは、北京政府も勧めている広東モデルとは全く正反対の地方毎の将来の社会システムへの実験と看做すことも出来る。

そうした中で今回の事件が起こったのであって、実際に薄熙来は「警察長官王立軍の公式には一身上の都合での休暇」の事件の責任を取って辞任を表明したが、実際には地元のメディアは全く以前と同じように推移しており、それどころか薄熙来の公式な姿が映し出され、今回の事件で炎上しているネットにおいての検閲も殆ど無いと言う。

そのようなことから王立軍の失脚は、先ごろその前任者が汚職で逮捕されて処刑されていることから、先手を打って合衆国領事官に逃げ込んだと言うのが最も信憑性ある情報のようである。しかし、一方で重慶の事件ならずこうしたモデルへの取り組みに関しても肝心の北京の指導部はコメントを控え続けているのも興味深い ― ここに来て習近平への突き上げが厳しくなっており、その立場が脅かされているとの情報が流れてきている。



参照:
Und der Polizeichef? Sitz im Knast!, Mark Siemons, FAZ vom 24.2.2012
史実に立つ頭打ちシナの現実 2009-05-23 | マスメディア批評
零八憲章刺す天叢雲剣 2008-12-24 | 歴史・時事
無知蒙昧の大鉈の前に 2012-02-23 | マスメディア批評
中間報告書へのコメント 2012-01-30 | マスメディア批評
市民の意識環境を明文化 2012-01-25 | マスメディア批評
とんでもない社会の反撃 2012-01-23 | マスメディア批評
☆米国の原子力規制委員会が福島の事故で、 議事録3000枚を残す。危機管理能力って日本にはない? (風信子(ひやしんす)の☆本の紹介)
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