Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

垂壁の5.10への米国製靴

2012-03-22 | 雑感
新しいクレッターシューへを入手した。一年以上前から目をつけていたファィヴテンのアナサジ・ヴェルデという緑色の靴である。その時は結局対抗馬のスカルパのヴェローチェでお茶を濁していたのだったが、一年間使ってみて完全に履きこなしたことを確認して、24ピッチの長い壁もインドーアでも大変重宝することも分った。

さて今年もそろそろ外へ出かけて壁を登るとなると、特に石灰質のつるつるの足掛りでは綺麗に引っ掛けることが出来ないことも知っている。室内での成果からこのシーズンは垂壁を登り尽くす準備が出来ていて、どうしても立ち込める靴が必要になった。立ち込むとは、足場に立つだけでなくて十分に上の手掛かりへと攻撃的に伸びるパワーの起点とすることであると考える。要するに足の筋力で上へと重心を上げる支点の強さが足場に求められる。

その点からはそれ以前に使っていたラ・スポルティーヴァのカタナの押し付ける使い方より遥かにヴェローツェの方が立てたのであるが、それでもパワー不足なのが分ったのである。まさしく初めて購入するアメリカのメーカー「ファイヴテン」つまり「5.10」の困難度の垂壁を登るためにはこうした靴が必要となる。

ひも付きのこうした靴を購入するのも初めてであり、着脱の不便さ以上に長い垂壁を登り切るに必要な無駄のないパワー伝達を考慮するとこうなるのである。一年以上前に店頭で合わせてみた感じよりも若干タイトに感じたのは足入れされるのがはじめてであるからだろう。そのとき感じた長すぎる踵よりも嵌まり込む踵感があったので寧ろそのグリップ感は良い。逆に踵が押さえられている分、前へと指が上面に当たるが、付け根部分にまだ空間があるので、使っているうちにナイスフィットする可能性がある。

ネットで注文する前に気になっていたのはいくらか痩せた足と、当時考えていたよりもタイトに使いたいと言う欲求から、半サイズ小さなものを注文しようかどうかであった。しかし、これも記憶に残っている店頭でのフィッティングではUK7以下のものは小さ過ぎたのだった。確かにその通りだった。

メーカーのファイヴ・テンはアディダス社に吸収されたので、現在市場に残っている商品が最後のオリジナル商品になるかもしれない。ネットにはドイツにも一時韓国で仕上げた商品が出回っていたようだが、今はまたメードインUSAになっている。ONIXX商標のゴム底が使われていて評判が良いので楽しみである。素材は人工皮革なので通気なども悪いようだが、価格は上限である。この辺りの感覚も、イタリアなどの商品とは異なっていて、アメリカ製らしいのかも知れない。

兎に角、四種類目のクライミングシューズで、このまま体を締めていって怪我さえしなければ次のシーズンには五種類目のオーヴァーハング用のものが必要になるかもしれない。



参照:
足に合うイタリアの靴型 2011-03-03 | 生活
くしゃみの出そうなゾクゾク感 2010-10-12 | 暦
エリート領域の蹂躙 2006-08-11 | テクニック
コメント
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