
※今回は、小生が日ごろ感じている意見を書き下ろしてみます。
いつもの記事とはタッチが異なりますが、たまにはこういうのもお許しください。
全国健康保険協会(協会けんぽ)が、
2017年度の保険料率が最大11.5%に上昇するとの試算をまとめたそうな。
その一方で、
「禁煙治療に健康保険が使える」というテレビCMや電車の車内広告が
ここのところ、やたら目に留まるようになっている。
これは、つまるところ、
「禁煙治療のために健康保険料を増額する」という図式に思えてならない。
これって、やっぱり可笑しいのではないか?
まず、社会保険制度は、
「故意の事故に対しては保険給付を行わない」のが原則であることを確認しておきたい。
これは社会保険制度として当然の制限であり、このことに異論をはさむ余地は無いだろう。
被保険者が自殺した場合に残された遺族のために埋葬料等が給付されるのを除き、
自ら健康を害した人の面倒まで社会全体が(少なくとも自由主義社会では)見る義務は無いはずなのだから。
では、タバコを吸って体を壊してしまうのは故意ではないのか。
タバコは健康に害があることは世の常識であり、
ニコチンには強い依存性があることだって、知らなかったとは言わせない。
タバコを吸うのは、それらを承知のうえであるはずだ。
つまり、喫煙行為は“故意”以外の何物でもないだろう。
分別の付かない子どもじゃあるまいし、少なくとも20歳以上の大の大人なのだから、
吸うも、止めるも、個人の自己責任でやれば良い。
お医者さまの力を借りなければ禁煙できない人もいるかも知れないが、
だったら、健康保険を使わずに自費診療を受けるべきだ。
世の中には「なりたくない病気」に罹ってしまった人がいっぱいいるわけで、
そういう人のためにこそ、我々が納めた健康保険料を使ってほしい。
こんな事(敢えて「こんな事」と強調したい)に健康保険を使わせて、
非喫煙者にまでその保険料を負担させるのは、説明が付かないだろう。
なお、これに関しては「喫煙者には健康保険料の増額を」という意見も見られるが、
小生は、保険料の問題というよりも、
故意の傷病を保険給付の対象とすること自体が
社会保険制度の根幹を揺るがす問題だと考えている。
温水洋一さんも仲間由紀恵さんも好きなんだけど、
また、小生の身近にも愛煙家がいる(その多くが禁煙したがっている)けれども、
それでも、「健康保険で禁煙治療」は理不尽な制度であると、強く主張しておきたい。
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