とうとう、明日23日は待ちに待った岩見沢駅の新駅舎の開業の日です。

これは旧駅舎が全焼後、約6年間使い続けていたプレハブの駅舎です。
今までの感謝の意をこめての看板が掲げられています。

こちらが、そのプレハブの隣に新築された、新駅舎です。
下の仮の外壁の文字は、
「www.love-brik.com coming soon 2009 spring」
と白抜きで書かれています。
全体の完成が2009年の春で、今回はJRが施工した部分の完成です。
残りの岩見沢市の施工部分の完成をもって、
全体の完成となります。
市民に募っていたレンガは、市側の施設の完成後に外壁に貼られる予定です。
さて、今回はこの駅舎のコンペのことを書いておきます。
この岩見沢駅の駅舎は、全国公募のコンペがおこなわれました。
駅舎の全国公募コンペというのは、初のこころみです。
今まで、JR京都駅のように国際指名コンペ
(内外の著名な建築家を選び、その中でコンペをする)
というのはありましたが、全国公募は岩見沢が初めてなのです。
岩見沢駅のコンペの開催概要の趣旨のところに、このような記載があります。
「駅舎のデザインの考え方と問うだけでなく、岩見沢の地域性を十分に
理解した上でそれを活かし、岩見沢駅が変わらない価値をもつ駅舎
となることを目指します」
変わらない価値、これがコンペの結果の重要なファクターになっていました。
改めて、コンペの最終審査に残った提案図面を見てみると、
レンガを使用した案が多数あるのがわかります。
つまり、
変わらない価値=レールセンターのレンガ
と考える方が多く、そして審査の方々もそれを期待していたのでしょうか。
一部の案では、
変わらない価値=旧駅舎
としているのもありましたが、そこまでのノスタルジックなものは、
どうかと個人的には思うのですが、
岩見沢市民の多くは、旧駅舎に深い愛着を持っているのが事実としてあります。
結果として、
ワークヴィジョンズの西村浩さんのコンペ案が最優秀作品になりました。
西村氏の他の作品は「ものをつくり、まちをつくる」という本の中に、
長崎水辺の森公園橋梁群を製作したことが記載されています。
西村氏は、変わらない価値としてレンガだけでなく、
レールセンターの古レールのこともあげています。
正面のファサードに、古レールとレンガを使用しています。

正面のガラスを仕切っているのが、古レールです。
そして西村氏の案には、
駅舎に使用するレンガを、市民や全国の方に寄付をつのり、
それに刻印をすることによって、寄付者の名前を残すということがあります。
これにより、市民が駅舎の製作に参加できるということになるわけで、
それが案外、最優秀作品に選ばれた大きな要因のような気もします。