『東京バンドワゴン』シリーズの小路幸也の新作である。相変わらずのお話で笑ってしまう。ストーリーラインはバンドワゴンと大同小異。ここまでワンパターンさせると、笑うしかないよ。ほんの少し状況を変えただけで、基本はまるで同じだ。
うまく世の中になじめない人たちが繰り広げる擬似家族ゲーム。だが、ここにくれば温かい風が吹く。それぞれの痛みに直接ふれず、でも、ゆっくりと、癒す。現代とはとても思えないよう . . . 本文を読む
桃園会は、今まで幾度となく岸田戯曲を取り上げてきた。深津篤史さんは今回も自分の書いた作品のように自由自在、気負いもなくさらりと提示してみせてくれる。確かにこれは深津さんのいつもの作品とは違う。だが、まるで座付作家によるオリジナル公演を思わせるような手つきだ。無理がなく自然体なのである。
今回、僕が見た3本(全4作品が用意され、そのうち3作品が1プログラムとして上演される)は全く傾向の異なる3 . . . 本文を読む
神原さんによるネオ大衆演劇。とても単純明快。話は、2重構造の図式を使って(まぁ、ただの劇中劇なのだが)ある。だが、そこには神原さんの強固な姿勢が貫かれる。ストレートな心情をわかりやすく見せる。そして、いつも通り熱い。
ありきたりで、いかにもな人情劇だ。なめくじ長屋の住人は人情に厚い。ヤクザものの安太郎(島上とおる)は山道の閻魔堂で、人斬りに兄を殺された目の不自由なお信(古志勇気)を助ける。自 . . . 本文を読む
数年前に偶然読んだ『朗読者』は実に面白い小説だったが、それがなんと映画化された。で、この日本語タイトルである。なんだかなぁ、と思う。これってけっこうベストセラーになったんではないのか? なのに、映画ではこんなあほタイトルにさせる。まぁ、仕方ないか。映画は売れてなんぼ、だから。
衝撃的な内容である。なかなか、先が読めないし。『おもいでの夏』の、ハード版か、というような始まりだ。15歳の少年と、 . . . 本文を読む
久しぶりに時間を作って映画を見た。どうしても見ておきたい映画だったから、2本続けて見た。なのに2本とも、とても嫌な気分にさせられる映画で、ぐったりだ。だが、映画自体は当然のことだが、とてもよく出来ている。
正直言って、レイプとか、ホロコーストとか、それによって、家族がぐちゃぐちゃになってしまったり、裁判にかけられ刑務所に無期懲役で入れられたり、しかも、その償いが、犯人を殺すことだったり、刑期 . . . 本文を読む