原作を読んだとき、いくらなんでもこれの映画化は不可能だ、と思った。簡単そうに見えて普通にやれば、失敗は目に見えている。それでも、やるのはただのくだらない映画の量産の一環か、それとも勝算があるのか。ほんとは見る気はなかったのだが、なんとなく見てしまった。だが、見て正解だった。実によく出来ている。
だいたい始まって20分くらいまでは、あかんわ、と思っていた。CGのいけちゃんが安っぽいのは仕方ない . . . 本文を読む
前作(『序』)を見たとき、あまりにTV版そのまんまのリメイクに驚きあきれた。しかも、最後ははっきり「つづく」なんて出てくるし、映画であることをバカにしたような終わり方だと思った。まぁ、このシリーズには常識なんか通用しないし、そんなものを求める観客もいないだろうから、あれで十分観客は納得したのだろう。ヤシマ作戦を中心に構成された前作を受けた今回は、実に面白い映画に仕上がっている。これも予定通りか? . . . 本文を読む
こういうファンタジー映画はかなり難しい。しかも、表面的にはリアルなお話のようにも見えるから、この映画が寓話であるということに気がつかない人は、この映画のストーリーに不自然さを感じて、ついていけなくなるかもしれない。正直言うと僕もついていけなかった人のひとりだ。映画がリアリズムの文体で語られるし、寡黙な映像は、わざとらしいドラマ性を希薄にする。そこに監督である中川陽介のねらいがあるのだが、そこが空 . . . 本文を読む
久しぶりに片山恭一を読んだ。『世界の中心で愛を叫ぶ』が1大ブームになる直前、あの本を読んで、、その意外に淡白な筆致に心惹かれた。でも、残念ながらそのインパクトはあまりに弱く、それ以降数冊読んだだけで、手に取ることはなかった。それより何より、あの空前のブームが訪れ、映画化作品の大ヒットで、この作家は純愛文学の中心に置かれてしまい、全くの誤解を受けることになる。少なくとも、僕はあの映画のおかげで、彼 . . . 本文を読む
空晴を見るのは今回で3回目だ。正直言うと、ちょっと気が重かった。ものすごい人で、予約を入れなくては見れないらしいし、彼らのファンによる集会のようなものにお邪魔するのは、気が退けた。悪い芝居ではない、そんなことは知っている。暖かくて、いい気分にさせられる小さな芝居だ。いつも。でも、あまりにやさしすぎて、僕の趣味ではない、というのも今までの経験からわかっている。
だが、見に行ってよかった。今まで . . . 本文を読む
魂の映画である。しかもそれを熱く語るのではなく、淡々と語る。でも、十二分に木村大作監督の思いは伝わる。圧倒的な映像の力を、さりげなく見せる。これ見よがしではない。ほんとうに自分の目で見たのならもっと凄いと感情的になりそうな風景だ。だが、これは風景を見せるための映画なんかではない。彼らの生き様を追いかけるだけの映画だ。それがなんなのかは各自が考えればいい。
浅野忠信がすばらしい。何も言わず、謙 . . . 本文を読む
ようやく一番見たかった映画が見れた。物事には順序というものがあって、大人なので見たい順に映画が見れるわけではない。でも、なんか不条理だなぁ、なんて思いつつ、半分見ることをあきらめていたのだが、ようやく見れてうれしい。
6月は仕事が忙しくてなかなか映画館に足を運べなかったが、今週、たまっていた映画をほぼ見ることが出来て、ほっとした。だが、その反動ですさまじい量の仕事がたまっている。あちらを立て . . . 本文を読む