90年代のバンドブームを背景にして、ミュージシャンの男と彼のバンドのファンの女の子の2人のドラマを描く。だが、単純なラブストーリーではない。バブル以降の不安な時代を舞台に、音楽という不安定なものに寄り添う男女を通して、自分たちの弱さやいじましさと真摯に向き合う青春ドラマのようだ。
95年にMr. Children のライブを中心にした音楽映画【es】を監督したミュージシャンでありプロデュサー . . . 本文を読む
『食堂かたつむり』の小川糸の新作は、あまりに切ない純愛物語。2人の男の子と女の子の3歳から20年ほどの歳月を追いかけていく。幼いころから成人するまでのいくつもの夏の話を通して彼らが大人になる過程で何を考え、どんな体験をしたのかを丁寧に描く。まるで昔懐かしいジュニア小説の世界だ。富島健夫かなんかの思春期小説を読んでいる気分だった。
幼なじみの初恋が様々な障害を乗り越えて成就していく、なんて話が . . . 本文を読む