3時間に及ぶ超大作である。1960年、ある劇団の崩壊していく姿が描かれる。これはとても小さな話なのかもしれない。しかし、彼らにとっては一大事である。今まで人生をかけて挑んできたものが、音をたてて崩れていく。芝居は世界を変えるはずだった。自分たちのアジテーションが大きなうねりを作り、この国を動かすと、信じた。高い志を持って、演劇とむきあう。自分たちの指導者を信じ、彼のために身を粉にしてこれまで頑張 . . . 本文を読む
船戸香里さんの舌打ちする声。雪之ダンさんの怯えた姿。2人がこの狭い空間で、向き合いながらも、お互い一人ひとりとして、そこにいる。彼らが何に対して憤りを感じるのか、そして、恐怖するのかは明確だ。だが、その明確なものと面と向かって対峙はできない。目に見えないこの「世界」というものと彼らは戦う。特にあの舌打ちにはどきっとさせられた。そこにあるのは、弱いものが抵抗するという単純な図式ではない。この芝居を . . . 本文を読む
ひとりぼっちになってしまった少年の孤独な毎日が静かに描かれていく。昨年の台北国際映画祭で、主人公を演じた少年ビー・シャオハイが最年少主演男優賞を受賞して、評判になった映画。うちの嫁さんが現地で見てきて、「きっと(僕が)好きな映画だと思う」と言っていた。台北映画祭の公式プログラムを見たときも、解説は読めないから、ともかくとして、写真を見て、この映画が一番気になっていたから、今回の大阪アジアン映画祭 . . . 本文を読む