こういうアニメーション映画を見ると、もうそれだけで、胸がいっぱいになってしまう。丁寧に作られた地方の風景を背景にして、普遍的な高校生の悩みや、喜びが、彼らの「特別」なこととして描かれる。誰もが感じる胸の痛みを、自分にしかわからない唯一のものとして描く。私のことなんか、誰もわかるわけがない。でも、わかってほしい。そんな切実な想いが、あふれる。それを甘え、と断罪してもいい。でも、16,7の子供たちの . . . 本文を読む
古典を題材にして、それを現代に移しかえるのではなく、古典の世界をそのまま、自分たちの表現として上演する。こういう形の芝居って、ありそうでない。この自由さが、この独自の作品世界を形作る。もともと、浄瑠璃も歌舞伎も庶民のもので、大層な古典芸能なんかじゃない。(最初から「古典」なんてありえないしね)
オリジナルの世界観をそのまま、舞台に再現して、今のテイストでリニューアルして見せていく。こんなベタ . . . 本文を読む
今回の小路さんはちょっと乗れない。読みながら、あまり心地よくはないのだ。ストーリーテラーである彼なのに、これはどうしたことか。だが、その理由は後半になり、判明する。あまりにメッセージがストレート過ぎて、ストーリーが委縮しているからだ。自分の少年時代をそのまま見せるのには痛みが伴う。とはいえ、これは自伝的小説なんかじゃない。だいたい宇宙人とか、怪獣とか、そんなのが出てくるのだ。荒唐無稽なお話にする . . . 本文を読む