本来こういうタイプの芝居は苦手だ。だが、ここまでやられると納得する。もし、これをもっと中途半端にしたなら絶対に見ていられない作品になったはずだ。この集団の完璧を目指す姿勢がこの甘いだけのお話を確固とした決意の仕業へと進化させる。
『人魚姫』のお話をもとにして自由自在に脚色した作品である。たわいもないラブコメにしかならないような素材かもしれない。あるいは退屈な悲恋物語。そんな素材を、強い女の生き . . . 本文を読む
久々に武田操美さんの作品を見ることが出来て、とてもうれしかった。鉛乃文檎が休団してしまい、とても長い時間が経ったけど、武田さんは全く変わらない。とってもキュートで、すてきなお芝居を作ってくれる。1時間で終わってしまうのが悔しくてならない。あと40分あれば、もっとこの不思議な世界の冒険を堪能できたはずだ。1本の長編作品として十分に機能するだけの作品構造を持つお話であることは明白だから。
『眠れる . . . 本文を読む
これはもう僕の趣味の問題かも、と思いながら、この作品を読む。先日見た荒井晴彦監督の力作『この国の空』を見て、あまり乗れなかったのを、不思議に思ったけど、あの作品のラスト「彼女の戦争はここから始める」に被せて『私が一番きれいだったとき』が流れるのは違うと思ったことも、それはスタンスの問題なのかも、と今なら思える。
荒井監督は彼女の選択、選ぼうとする道を肯定的に捉える。彼女自身の攻撃的姿勢を肯定的 . . . 本文を読む
昨年の夏に上演した作品を早くも再演する。これは確かに衝撃的な作品だったし、もちろん彼らの最高傑作だ。それだけに前回の公演は悔いを残したのかもしれない。もっとできたはず、というのが中川真一さんの中であったのだろう。だからこれはリベンジなのだ。
これだけ短いインターバルでの再演は、前回の欠点を拭い去るものとなった。2作品は準備公演と本公演という感じの位置付けになろう。よかった。そして、なによりも、 . . . 本文を読む