最近はやりの「2部作もの」のPART1。長編作品を出来るだけ原作を忠実に映画化するにはこういう選択は必要かもしれないけど、映画としてはどうしても緊張感が持続できないからつまらない。昔なら4時間の大作なんていうのがちゃんとあった。でも、今は営業上の問題もありそういうのはしない。それどころか、わざと2本に割って2倍儲けようというような不届きな映画もある。大作映画は製作費が高いから採算を . . . 本文を読む
こんな小説が読みたかった。ここには特別な出来事なんか何もない。退屈な日常が淡々と描かれるばかりだ。なのに、このどうでもいいことが、こんなにも心に沁みてくる。この作品とほぼ同時に刊行された『小松とうさちゃん』も素晴らしかったけど、あれはなんとなく今までも見たことにあるようなハートウォーミングでそれほどは驚かない。でも、これは違う。
実に大胆なのだ。なんにもない男が、 . . . 本文を読む
『セーラー服と機関銃 卒業』を失敗させた前田弘二監督のその直前の一作。相米慎二の傑作があるのに、あの映画を受け入れ、その続編を映画化しようとしたその心意気は良しとしたい。ふつうはビビってそんな大胆なオファーは受けない。でも、怖いもの知らずの彼はどん、と受け止めた。そして、見事玉砕した。いいではないか。そんな失敗を僕は素晴らしいと思う。デビュー作『婚前特急』からどんな題材にもチャレン . . . 本文を読む