習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『光りの墓』

2016-04-19 19:49:27 | 映画
  タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督最新作。『ブンミおじさんの森』で世界を驚かせた彼が放つ新作は原因不明の眠り病に罹った人たちを収容する廃校となった場所を利用した仮設病院での日常を描く。ファンタジーではないけど、不思議な日常が淡々と綴られていく。主な登場人物は3人だけど、彼らがドラマを牽引するのではない。 アピチャッポンの故郷であるタイ東北部イーサン。そこでの日常が静かに描 . . . 本文を読む
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『きみはいい子』

2016-04-19 19:45:18 | 映画
  原作を読んだときはさらりとしていたのだが、こうして映画になるとやけに生々しい。描かれる問題がきついから映像でそれを見せられると、確かにこうなるのは必至だ。呉美保監督は前作『そこのみにて光輝く』と同じように淡々としたタッチでこの現実をスケッチする。アプローチとしては悪くないし、正しい選択だ。これを必要以上に熱くやられると、反対に冷めてしまうはずだ。だが、静かに描かれるドキドキするよう . . . 本文を読む
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小路幸也『ロング・ロング・ホリディ』

2016-04-19 19:33:24 | その他
  81年札幌。大学生。喫茶店でバイトしている。バイト先と学校の往復だけ。すべての時間がバイトと授業で埋まる。でも、そんな毎日が嫌ではない。バイト先は楽しい。仲間たちと過ごす時間は心地よい。お客さんは常連がたくさんいて、彼らと話すのも、生活の一部で、仕事と学校だけで、十分なのだ。それ以上何も望まない。今は。ずっとこんな幸福な日々が続くわけはない。3年になって、4年になると就職活動をする . . . 本文を読む
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『もう少しだけ近くに』

2016-04-19 19:23:15 | 映画
  この韓国映画を以前見たことがある。レンタルされたときに、手に取り、借りてきた。2010年作品で、2012年リリースされているから、最近のことだ。なのに、また、間違えて借りてしまった。たまたま、こういうことがある。見たことを忘れていたのだ。 それくらいに印象の薄い映画なのだ。なのに、気になる映画なのだ。そうじゃなくては、借りてこない。DVDのパッケージの宣伝に乗せられたのだろう。韓 . . . 本文を読む
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白岩玄『ヒーロー!』

2016-04-19 19:17:13 | その他
  『野ブタ。をプロデュース』の白岩玄が再び高校生を主人公にしてイジメの問題を扱う。またまた、特異な設定で、読者をケムに巻く。今回の主人公はヒーローになる。でも、たいしたことはない。彼は休み時間にグランドでヒーローショーを演じるだけだ。本当のヒーローではない。しかも、なんと大仏マンである。ふざけているのではない。インパクトを与えたいための所業だ。そんな彼を演劇部の友人女子が演出する。 . . . 本文を読む
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